三人目 呼び出されたスグリ
スグリ「ねーちゃんのこと、だべか?」
オモダカ「はい、ここまで伺った方々のご意見では不明な所がありましたので、やはりいちばん詳しいのは貴方でしょうとチャンピオンアオイが」
スグリ「そりゃあまぁ、家族だし……何が知りてぇんだ、です?」
オモダカ「あぁ、どうぞ砕けた話し方で。私が知りたいのは、ゼイユさんのその……エキセントリックな部分についてでして」
スグリ「えぇ、ねーちゃんの悪いとこなんて知ってどーすんだべ」
オモダカ「皆さんはゼイユさんのそのエキセントリックな部分はさておいて良い所をお話になるもので、さておかれるとむしろ気になるといいますか……」
スグリ「あー……」
アオイ「ゼイユのアレさは言葉では伝えにくいんだよね……」
スグリ「んだなぁ……んーと、なんつったらいいか……ねーちゃんはねーちゃんなんだよなぁ」
オモダカ「……?」
スグリ「オモダカさんはご兄弟は?」
オモダカ「残念ながら」クビフリ
スグリ「んだか……お兄さんとかお姉さんのいる子達はみんな、ねーちゃんを『うちの兄ちゃん姉ちゃんに似てる』って言うんだ」
オモダカ「よく、わかりませんね」
スグリ「なんつったら良いか……誰の目から見ても自分の兄、姉の悪いところが見えるような、実体化した上の兄弟の理不尽というか……」
オモダカ「……少し掴めてきたような気がします」
スグリ「わがままだし、すぐ殴るし、あらゆる手段でオレを使いっ走りにするし、たまに優しいかと思ったら丸め込まれて面倒事押し付けるし、意地悪だし……」
オモダカ「……」
スグリ「でも、パシる時は多めに小遣いくれるし、オレが無茶苦茶やってた時は本気で心配してくれたし、ひとりぼっちだったときに腕引いてリーグ部に連れてきてくれたのもねーちゃんだし」
スグリ「あと、なんか無駄に語彙が豊富だからオレ以外にキレてるのを見るのは面白えな!」
オモダカ「悪い部分を聞きたかったのですが……まぁ良いでしょう。最も近い概念で言えば『ガキ大将』ということでしょうか?」
アオイ「あー、近いっちゃ近いかも…?」
スグリ「んだな、でもちょっとちげぇんだ」
オモダカ「ふむ、なるほどなるほど……良いですね!彼女が欲しくなってきました」
アオイ「うわでた、スカウト妖怪」
スグリ「わや、どういうことだべ?」
アオイ「トップはね、パルデアのポケモンバトルの質を上げるためならアカデミー理事長とリーグ委員長とトップチャンピオンを兼任したり、実力あるトレーナーならジムリーダーと四天王兼任させたり、9歳の子でも四天王入りさせたり、犯罪をもみ消す代わりに社会奉仕と称して抱き込んだりと何でもするんだよ」
オモダカ「アオイ。」
アオイ「すみません、失言でした」
オモダカ「よろしい。では、私は彼女を迎える件についての根回しに向かいますので、しばらくリーグの方をお願いします」
アオイ「は、はい」
オモダカ「ちょっと顔を見に行くとだけ言って抜けてきたので、置いてけぼりにされたチリがそろそろカンカンになってるでしょうから、そちらの対応もお願いしますね」
アオイ「は、え?」
オモダカ「では」スタスタスタ
アオイ「ちょっと!チリちゃんは自分でなんとかしてくださいよ!トップ!トップーー!!」
スグリ「ねーちゃんやネモさんとも違った強引さだべ……」
ドコイッタンヤー!コラー!
アオイ「ちょ、ごめんスグリ!私ちょっと事情説明してくるね!」
アオイヤナイカ、トップハドコイッタンヤ
イヤァジツハカクカクシカジカデシテ
マータアノヒトハホンマニ…
ホントスミマセン…
シャアナイ、コッチデモムカエルジュンビセナ
スグリ「わ、わやじゃ……」