【完結】少年が秤アツコの傷になるまでの話。   作:\コメット/

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せっかくのイベスト番外編!はっちゃけていきましょう!




番外編2:Sheside outside(3)

 

 

「酷い目にあった...クソッ」

 

「次会ったらタダじゃおかねえ...!」

 

アウトロービーチ裏手の林地帯を彷徨く複数の影。

その正体はキヴォトスで一定の勢力を誇るスケバン集団達であり、ガードレールへの激突によりボロボロになった愛車を押しながら、こちらを嘲笑ったカナエ達に悪態を吐く。

 

「おまけにチラつくよなぁ...」

 

「確かにカモメはうるせえが」

 

「ちげえよヘルメット団の奴らだよ!あいつら、普段でかい顔するだけじゃなく姐様を矯正局送りにしやがって...!」

 

彼女達には、姐様と慕う頼れる姉貴分がいた。

しかし、ヘルメット団の密告により象徴的存在はヴァルキューレの手により幽閉されてしまい、スケバン達は勢力を落とすことに。

今回はその復讐をするべく、総連合会を襲う計画を立て、このアウトロービーチへとやってきたのだが、思わぬ事故───自業自得ではあるが───により幸先悪く躓く形となっている。

 

「いいか、絶対に姐様の無念を晴らすぞ!」

 

「それには、奴の計画を信用しないといけないわけだが」

 

「ニヤニヤ教授か...たしかに怪しくはあるが」

 

スケバン達にとっての協力者、名をニヤニヤ教授。

無論本名ではないが、名前だけでなく所在も経歴も一切不明な、裏社会で名を馳せる謎多き存在である。

 

「分からないことは多いが、私ら以外にも世話になってる奴らからすれば手腕は信じていいらしい。まぁ、どうせブラックマーケットを拠点にする情報屋か何かだろ。決して表に顔は出さない、やり取りも音声だけでしかしない、慎重ってより所詮は臆病者だ」

 

「うーん、何か引っかかるような」

 

「そんな奴のことはどうだっていい。それよか集中しろ集中!今は、姐様の無念を晴らすことだけを考えるんだ!」

 

気合いを入れろ。

そう皆を決起させるべく声を張り上げた直後、件のニヤニヤ教授からの着信が入るのだった。

 

 

 

********************

 

 

 

「あ、先生。財布見つかったんですか?」

 

「うん。心配かけたね」

 

出店を見て周っている最中、財布を落としてしまったらしい先生。

見つからなかったらと思うと不安だったが、杞憂に終わったようでカナエは胸を撫で下ろす。

何やら先生はどこかソワソワしているが、あまり追求はしない方がいいだろう。

 

「カナエ、先生、こっちこっち」

 

物陰に隠れるアツコが、二人を手招き。素直に従い、男二人も身を隠す。

 

「い、色々なところが当たって...」

 

「ご、ごめんね」

 

「アツコ、キツくないか?」

 

「うん、大丈夫」

 

「シッ、気づかれるよ」

 

ヒヨリの柔らかい部分が先生の背中に全当たり。

アツコの方は態々カナエに身体を預け、屈ませながらのお姫様抱っことなっている。

このバカップルは隙あらばイチャついてるなと諦めてから視線を切り、ミサキは少し顔を出して巨大なライブステージを見た。彼女に続いて、他の4人もそちらを向く。

 

「(サオリ姉さんだ)」

 

「(お店のウエイターの次は、ステージの準備。頑張ってるねサッちゃん)」

 

ライブ用の機材だろうか、重そうな機械を指示に従って配置している。

 

「照明はやっぱり右に変えろ!何か気に食わん!」

 

「...了解した」

 

ただ、見たところ相当ブラックな模様。

ブラックマーケットのライブハウスでは有名らしい、DJ B.o.Bからの無理強いにサオリはてんてこ舞いのようだ。

 

「(あいつ、姉さんを顎で使いやがって...)」

 

横暴、パワハラとはアレのことをいうのかと、従業員を扱う立場であるカナエは一つ学ぶと共に怒りを沸々と抱かせる。

 

「(ひどい...いくら雇い主だからって、あんな言い方...)」

 

そのスピーカーはおまえの命より大事だの、バイト風情が口答えするなだの、聞いてて気持ちの良くない暴言に表情を崩すアツコ。

 

「(まさに悪役みたいだね。私ならもう撃ってる)」

 

「(パワハラです...ブラックです...きっと馬車馬のように働かされて、結局お給金も少ないオチなんです...)」

 

「(いるんだよね。自分が偉くて優秀な超人だって勘違いして、つけあがっちゃうああいうタイプの人)」

 

「(妙に具体的だねミサキ姉さん)」

 

さては連邦生徒会の職場で何かあったな。

労いに練乳付きのかき氷を奢ってあげようと、密かにカナエは画策する。

 

「(なんとかしないと。どうしよっか)」

 

「(処すか、あの駄犬)」

 

「(み、見守るという話では?)」

 

「(あんな辛い思いをして欲しいわけじゃない。ヒヨリもそうでしょ?)」

 

「(それはそうですけど...)」

 

けどどうするんです?というヒヨリの質問に、ミサキは黒いマスクをつけながら答える。

 

「(裏でこっそり手を打つんだよ...優しくね)」

 

それは、カナエとアツコに小言を言う際に見せる全然優しくない目つきだった。

 

 

 

********************

 

 

 

「腹減ったなぁ、あとでバイトにラーメンでも買わせるか」

 

もちろんバイト持ちで。

高らかに笑いながら、DJ B.o.Bはステージ準備に忙しいサオリを放って一人裏手でサボっていた。

改めて男のクズさを再確認した一向は、ミサキを筆頭に彼の前に無言で躍り出る。

 

「...」

 

「あ?なんだ、おまえら」

 

「(ニコニコ)」

 

「邪魔なんだよ、あっち行ってろ」

 

「お話ししようか、DJ」

 

「サインか?悪いが断ってんだよ」

 

「んなもん欲しくもねえよ」

 

ミサキ、アツコ、カナエで三方向から囲んで逃げ場を無くし、見せつけるようにゆっくりと、黒マスクの義姉は拳銃を構える。

 

「見える?コレ」

 

「お、おい。誰に銃を向けてると思ってんだ!?」

 

「ただの勘違い野郎にだけど」

 

「ミサキ、優しくって言ってなかった!?」

 

「これが私にとっての『優しさ』」

 

家族をぞんざいに扱われて、ムカつかない訳がない。

愛銃のロケットランチャーを出さないあたり、まだ譲歩はしている。

 

「な、何のつもりだおまえら!?私はDJ B.o.Bだぞ!こんなマネをして許されるとでも!?」

 

ゴッ

 

「ぐぅ!?」

 

「あ、手が滑った」

 

「いけないよ姉さん」

 

滑ったのではなく意図的に出しただろうに。

一応手で制したが、カナエはいいぞもっとやれのスタンスだ。

 

「ミサキ、ダメだよ。この人はサッちゃんが頑張ってるライブステージに欠かせない人なんだから」

 

「わかってるけど...こいつ口の利き方が...」

 

「話せばわかってくれるよ。ですよね?DJさん」

 

「舐めやがってこん畜生!」

 

ゴスッ

 

「ぐっ!?」

 

「アツコ!?」

 

「言い方がムカついちゃって」

 

無言の腹パンが2連続でキマる。

相手のダメージを見る限り、初手のミサキよりも強く殴ってると思われた。

 

「二人とも落ち着いて」

 

「カナエ...」

 

「でもこの人が...」

 

「でもじゃない。たしかにムカつくが、あまり騒ぎを立てるとサオリ姉さんに気づかれる。ここは穏便に」

 

「このアバズレ共が...!」

 

ゴツッ!!

 

「ごあっ!?」

 

「カナエくん!?」

 

今おまえ俺の嫁と姉さんのことアバズレっつったな?

 

普段見せないドスの効いた声音と鬼気迫る表情のカナエ。仕事で鍛えている拳から繰り出された拳骨の後、胸ぐらを掴まれDJ B.o.Bは宙に浮いた。

 

「どこがだ?どこがアバズレだ?どこが卑しく見える?言ってみろ。この文句なしのプロポーション、それぞれに合った水着を着た二人のどこがアバズレだ?あ?早く言えってんだよ。言ったら殴るが」

 

「ふふっ。カナエ、そんなに褒めないで...」

 

「まぁ、頑張って選んだ甲斐はあったかな」

 

「今惚れっ気と照れはいらないから!」

 

いつもツッコミにまわっているミサキまでボケに徹されたら、先生だけでは収拾が追いつかない。

そんな彼に救いに手を差し伸べたのは、木の上で見張りを行っていたヒヨリだった。

 

「集団リンチ中に失礼します...」

 

「...話し合いだよ、ヒヨリ」

 

そうそう。

アツコの訂正を肯定するように頷くカナエとミサキだが、DJがボロボロなため説得力が無い。

 

「どうしたの」

 

「その...木の上で周囲を見張っていたんですが、ちょうどこちらに向かってくる集団がいまして。恐らくあと数十秒で接触します」

 

撃ちます?それとも仕掛けてたブービートラップでも起動します?とネガネガな割には殺意マシマシのヒヨリに、臨時リーダーのミサキは一先ず待機と指示。

 

「ヒヨリは同じ場所で。姫とカナエはこいつを抑えといて。先生は...」

 

「なら、私もDJを見ておくよ」

 

「ん」

 

「て、テメェら容赦しんぐ...!?」

 

「DJさん、少し静かにしていて」

 

「アツコ、その締め方はDJ死ぬ」

 

儚げでお淑やかな見た目なのに、やけに怖い技をかける。

気絶させるのも可哀想なので、アツコが押さえつけている間にカナエはDJに布を咥えさせたのち、拘束してその辺に放った。

ちょうど見えてきた集団の人数はそこそこ多い。おまけに見た目も素行も悪そうだ。

 

「ははっ、おいおい。本当にDJがいるじゃねえか!」

 

「大金叩いて計画を練ってもらったんだ。いなきゃ困るぜ」

 

「これでヘルメット団のお祭りもパーだ!」

 

白い×印の入った黒いマスクをそれぞれ付けた、キヴォトスの暗い場所で巣食うスケバン集団。

 

「ん?」

 

「あ?」

 

そういや道中絡んできた阿呆がいたなと、数時間前のことを振り返っていたカナエと、その時運転していた女と目が合った。

 

「よおっ、さっきぶりだな。趣味の悪い車は廃車になったか?」

 

「お、おまええええッッ!!」

 

「テメッ、見た顔だと思ったらあん時の!好都合だ、DJと一緒に拉致ってやらァ!」

 

「...アンタ達、要件は?」

 

勝手にヒートアップするあちらとは対照的に、ミサキは努めて冷静に対応する。

 

「ヘルメット団に復讐するために、DJを拉致するんだよ!そうすりゃお祭りは台無しだからな!」

 

「ついでにそこの男!愛車の仇だ、ボコボコにしてやる!」

 

「ごめんミサキ姉さん。面倒なのに目をつけられた」

 

「あの時やっていいって言ったのは私だし、気にしないで」

 

会話をしながら、カナエは持っていた荷物から二人の装備を取り出す。

ミサキの武器、セイントプレデター。

アツコの武器、スコルピウス。

 

「...カナエは渡さない。ついでにDJさんも」

 

ガチャガチャと弾を込めるアリウスの元姫君は、静かに銃を構え、少年を守るように前に立った。

 

「サッちゃんが頑張ってるから。あなた達の好きにはさせない」

 

「話が通じねえな」

 

「見たところ男二人は戦えなさそうだ。おまえら、数でぶちのめすぞ!」

 

人数は圧倒的にアリウススクワッド側が不利。

だが、練度に関しては雲泥の差がある。

おまけに、

 

「愛車の仇だ!やっちまえ!」

 

「...わかった。その前に左に3歩移動してくれる?」

 

「あ?まぁそれくらいなら構わねえけどよ...こうか?」

 

「うん。ヒヨリ、今」

 

タァンッ!

 

「ぐべぇ!?」

 

既に、ここ一帯はヒヨリの狙撃可能範囲だ。

 

「そ、狙撃だ!しかも対物ライフルだと!?おまえら、警戒を...!」

 

ドゥンッ!

 

「ぐはぁ!?」

 

おまけにブービートラップもふんだんに仕掛けてある。地の利は、掌握したも同然だ。

 

「アツコ、行くよ」

 

「うん。先生、指示をお願い」

 

「任せて」

 

相手が混乱している隙を突き、アツコ、ミサキ、ヒヨリの三人は先生の指示の元、攻勢に打って出た。

 

(先生もいるから問題ないと思うけど、何もしないってのも申し訳ないな)

 

戦力外の少年、蒼井カナエ。

銃弾飛び交う戦場において、彼は存在する意味を為さない、ゲームの駒にすらなれない悲しき一般人だ。

護身用の小径ピストルで割って入ったところで、足手まといは確実。そもそも銃撃一発でお終いな彼は、はっきり言って邪魔者。

アツコ達と暮らすようになってから、ミサキとヒヨリの指導により止まった的に当てられるくらいには銃の腕は上達したが、今役立つか問われれば断じて否である。

 

「よし」

 

なので、多少は助力になることをしようと、彼は行動を起こした。

鞄から取り出したのは、アツコが戦闘時に使っている刺々しい見た目の黒いドローン。そして、ゲーム機のようなコントローラー。

 

「起動」

 

淡い光を放ち、彼の声に従いソレは浮遊を開始。

本来であればアツコでしか動かせないドローンだが、このコントローラーはミレニアムのお得意様、超天才清楚系病弱美少女ハッカーとその協力者であるヴェリタス、エンジニア部が共同開発した優れ物。

生々しい話になるが、カナエの身体にはアツコとの度重なる粘膜接触により、彼女の様々な身体情報が流れ込んでいる。それを利用し、ドローンにカナエをアツコと誤認させ、操縦権を無理矢理得ているのだ。

正当な持ち主は媒介無しに自由に動かせるが、少年には不可能。よって、コントローラーを介しての操作を可能にしている。

 

「これをこうして、こうか」

 

何気にミレニアムの技術力が結集されたそれを、普通のゲーム感覚で操る花屋の少年。

操作感を家庭用ゲーム機にまで押し上げるエンジニア部の手腕、無線によるデータ受信のロスをほぼ0にしたヴェリタスの技術力、全てを可能にした明星ヒマリの演算能力には、脱帽である。

 

「いけっ」

 

カナエの操るドローンは、猛スピードで敵へと突進。

 

「いだっ!?」

 

「なんだこいつ!」

 

フォルムを活かした単純な物理攻撃。

敵を嘲笑いながら空中を駆ける黒い浮遊物は、ヒット&アウェイを繰り返し翻弄する。

そうして出来た相手の隙を、連携で三人が狩っていく。

 

「ポチッとな」

 

続いて、ドローンの追加武装を発動。

流石に攻撃方法が体当たりだけでは味気ないと、調子に乗ったエンジニア部によって付けられた小型ミサイル。

一度の発射で計四発、全弾命中でカイザーの戦車なら余裕で破壊できる。

 

「のわぁ!?」

 

空からの爆撃により、まともな陣形をとっていないスケバン達は更に統率を維持できなくなる。

 

「そしてホイっ」

 

今度は銃弾の連射モード。

せっかくだし標準武装として、サブマシンガンクラスの威力にまで押し上げた物を盛りたがりのエンジニア部が取り付けた。

 

「さ、さっきからあのドローンが鬱陶し過ぎる...ッ!」

 

これで短期決戦の鬼であるアリウススクワッドまで相手にしないといけないのだからタチが悪い。

 

「トドメにホイっ」

 

最後、どうせならバフの手段も搭載しましょうとヒマリが面白がって付けた、味方陣営への強化パルス。

効果範囲は元々アツコが使う回復パルスと変わらない。治癒の恩恵は無くなるが、代わりに範囲内にいる味方の攻撃力を向上させる。

 

「すごい...これならっ!」

 

力の高まりを実感したアツコは、持ち前の回避性能に物言わせて銃弾を掻い潜り、相手へ急接近。

スコルピウスの銃口から威力の増した弾丸が何発も発射され、一気に三人を無力化する。

怯んだところへミサキの爆撃、ヒヨリの狙撃も飛んできて、立っている相手は残りわずか。体勢は決したと見ていいだろう。

 

「次」

 

「サッちゃんの邪魔は、許さないよ」

 

埋められない実力差、実感せずにはいられない連携の練度。

 

「こ、こいつら只者じゃねえ...!」

 

「もう私らしか動ける奴いねえよ!?」

 

「今引けば見逃すけど」

 

「...クソッ、撤退だ撤退!やってられるか!」

 

倒れている味方に肩を貸し、スケバン達は一目散に逃げていった。

 

「敵、撤退していきます...追撃しますか?」

 

「ううん、やめておこう」

 

無理に追うこともないだろうと、スクワッドは武器を収める。

 

「...戦闘終了、みんなお疲れ」

 

「ミサキもお疲れ様。怪我は?」

 

「無傷、問題ないよ」

 

前線で戦闘をこなしていた二人で互いの傷の有無を確認。幸い、どちらにも怪我はない。

 

「お、驚きました...カナエさん、いつの間にあんな物を?」

 

「ミレニアムのヴェリタス部長...じゃなくて、特異現象捜査部の部長さんがお得意様でさ。以前、花を持っていった時にアツコのドローンを整備できないか相談したら、俺でも使えるようにグレードアップしてくれたんだよ」

 

恐らく製作者はゲマトリアの黒服と思われるこのドローン。

未知なる物体に興味津々だったヒマリは、特権を使い急遽エンジニア部とヴェリタスを招集。

その日は徹夜だったようで、ハイテンションで改造作業に没頭。

翌日、私たちが作りましたと濃い隈を目元に付けた少女達の写真入りで、ドローンが配送されてきた。

お値段、友情価格で49800円。しかも今後の花の依頼料で建て替え可能という至れり尽くせりっぷり。

 

「随分厳つくなったね...」

 

冷却モードで腕の中にすっぽり収まったドローンを見て、様変わりした機体に驚きを隠せないアツコ。

 

「取り外し可能だから、安心して」

 

「そこは気にしてないよ。この子がカナエを守ってくれるなら、それに越したことはないから」

 

これからもよろしくね、とドローンの頭部らしき箇所を撫でる元姫君。

心なしか微かに光を放った気がしたが、本当に気のせいだろう。

 

「さて、待たせてごめんね。DJさん」

 

「外すぞー」

 

猿轡代わりになっていた布と、拘束を外してやるカナエ。

 

「ぷはぁ!...なぜ私を助けた。てっきり、敵なんだとばかり...」

 

「違う。ちょっとしたすれ違い。誤解しないで」

 

「無理がある無理がある」

 

腹パン2回に拳骨1回。

おまけに絞技に拘束と、敵と認識しない方がおかしいとツッコむ先生。

 

「あなたがステージの準備中、嫌な態度を取ってたから怒っただけ」

 

「自己中心的だし、高圧的だし、人に当たりすぎ」

 

「や、優しさが大事です...酷いことはもうしないでください...」

 

「理不尽な要求や暴言は、絶対ダメ」

 

「そんなんじゃ、直に人が離れていくよ」

 

いい大人が子供に説教されている、なんとも情けない構図。

だが、DJの心には確かに響いたようだ。

 

「そう、だな...私が悪かった。人気が出て、調子に乗っていたのは事実だ」

 

「す、すんなり謝るんだ」

 

「酷い目にあって、DJを志した若い時を思い出したんだ。もう、あんな苦労は...」

 

「よし。じゃあもう行っていいよ」

 

「もういいの?」

 

「うん、信じてあげたい。喧嘩したいわけじゃないから」

 

「...アツコがそう言うなら」

 

分校時代の名残。最終的な決定権はサオリだが、不在の場合はアツコにある。

 

「助けてくれたこと、感謝する。それと...」

 

「ん?」

 

「...綺麗な嫁さんと姐さんだな。大事にしろよ」

 

「言われなくとも」

 

そう言葉を残し、会釈をして、DJは走り去っていった。

 

「私はサオリの様子を見てくるよ。大丈夫だとは思うけど、また酷い目にあっていたら助けてあげないとだから」

 

「うん。お願い、先生」

 

「私たちは、屋台の方に行ってるから」

 

「お腹ぺこぺこです〜」

 

「サオリ姉さんのこと頼みます、先生」

 

「こっちは任せて、楽しんできて」

 

四人は昼食のためにお目当ての屋台へ、先生はライブステージの方へと、一向は二手に別れて行動するのだった。

 

 

 

********************

 

 

 

「くそっ、なんなんだあいつら!私たちの邪魔しやがって...!」

 

ビーチから離れた場所で手当に勤しむスケバン達。

悪態を吐かずにはいられない。大金を払ったにも関わらず、作戦は失敗に終わったのだから。

 

「気にすんな。あんな作戦、どの道成功してねーよ」

 

「どう言う意味だ?」

 

「考えてもみろ。DJ一人を拉致ったところで、祭りが台無しになるわけないだろ」

 

「───そうか、それもそうだな!」

 

スケバン達は阿呆だった。

 

「だが、完璧な計画って言ってたぞ」

 

「爪が甘かったんだろ、教授のオチ度だ。連絡してみろ」

 

「わかったよ」

 

言われた通り、苦情のためにニヤニヤ教授へ電話をかける黒髪サイドテールスケバン。

数コールで、相手先は電話をとった。

 

『スケバンの皆さん、作戦は順調ですか?』

 

「んなわけあるか!邪魔されちまったぞ!」

 

「愛車はお釈迦でおまけに変なドローンに爆撃されたり、踏んだり蹴ったりだ!もっと良い計画は無いのか!?」

 

『そう言われましても...変なドローン?』

 

興味を唆る内容に、ほむ...と顎に手を当て笑うニヤニヤ教授。

 

『あなた方の戦力、向こうの対応を考慮して練った作戦だったのですが...失敗したのなら、理由はただ一つ。新たなコマがゲームに参加したのでしょう』

 

「げ、ゲームだ?」

 

『例えですよ。これらの情報を踏まえて、作戦を練り直します。DJに取り付く規格外の護衛、私にかかれば、その対処など容易です』

 

「信じていいんだな?」

 

『ええ』

 

その少女は笑う。

不敵に、自信を全面に出し、くつくつと笑みを溢す。

 

『犯罪のコンサルタントなら、この私、ニヤニヤ教授におまかせを』

 

 

 

 

 

─────────────

 

 

 

 

 

カナエ(水着)

05 近寄る影(2)をクリアすることで加入

 

名前:カナエ

フルネーム:蒼井カナエ

レアリティ:★1

役割:SPECIAL

ポジション:BACK

クラス:T.S(タクティカル・サポート)

武器種:HG(ハンドガン)

遮蔽物:-

攻撃タイプ:振動

防御タイプ:特殊装甲

学園:トリニティ連合内、一般小中学校出身

部活:アリウススクワッド

年齢:15歳

誕生日:5/2

身長:175cm

趣味:栞作り、アツコとの談笑

CVイメージ:内山昂輝様

 

アリウススクワッドに最近加入した少年。

大人びているが、生まれてこの方海は初めてなため、他のメンバー同様いつもより浮かれている。

 

記載は最大強化。

 

EXスキル:夏の邪魔はさせない

コスト:4

カナエの操作するドローンが登場。

ドローンは、カナエの攻撃力の30%分の値が追加された攻撃力を持つ(30秒間)

 

ノーマルスキル(ドローン):上げていこう

ドローンは登場して15秒経過時、スキル「上げていこう」を発動し、範囲内の味方の攻撃力を50%上昇させる(10秒間)

その味方がアリウススクワッドのメンバーなら、更に30%上昇させる。

 

ノーマルスキル:ミサイル発射

40秒毎に、四発の小型ミサイルを発射。威力はそれぞれ、攻撃力の60%分のダメージ。

 

パッシブスキル:祖父の教え

命中率を20%増加。

 

サブスキル:家族のために

自身を除く、アリウススクワッドメンバーのEXスキル効果量を、1.5倍にする。

 

固有武器:アリウス制ハンドガン

詳細:アツコ達と同居するようになり、新調したハンドガン。せっかく貰ったので、休みの日は練習で何発か撃っているらしい。

 

 

EXスキル2:?????

 

 

ボイス

入手:蒼井カナエです。先生、今後ともMiracRoseをご贔屓に。

 

ログイン1:あ、先生。お疲れ様です。新しい花、活けたんですよ。夏の花です。よかったら見てください。

 

ログイン2:仕事、こっち終わってます。今日は晩酌できそうですね。付き合いますよ。せっかくですし、アツコ達も呼びますか?

 

雑談1:見てください先生!これ、アツコが作ったブーケなんですけど...って、すみません。一人で舞い上がっちゃって。

 

雑談2:うわ、すごい量の仕事。こっち回してください。手伝いますって。

 

雑談3:今日も暑いですね...シャーレって、クールビズとかしないんですか?

 

雑談4:はぁ...なんでウチの嫁はこんなに可愛いんだ...あ、すみません。独り言です。

 

雑談5:先生って、結婚とか考えてないんですか?生徒で誰か...ってのは、聞いたら野暮ですね。流石に自重しますっ。

 

ノーマルスキル:ポチッとな。

 

EXカットイン1:アツコ達の邪魔はさせない!

 

EXカットイン2:俺でも、戦える!

 

EXカットイン3:起動...いけっ!

 

T.Sノーマルスキル:トドメにホイっ。

 

強化1:えぇ!?俺よりアツコに使ってくださいって。

 

強化2:サオリ姉さんにあげた方が役立つ気がしますけど...ありがとうございます。

 

強化3:俺なんかよりミサキ姉さんに...って、もう遅いか。受け取っておきます。

 

強化4:ヒヨリ姉さんにも、後で強化をお願いします。すごく頼りになりますので。

 

固有武器装備:これ、ミサキ姉さんから貰ったんです。使う機会は殆ど無いけど、どうです?格好良いでしょ?

 

カフェ1:花、この辺に置いてみるか...?

 

カフェ2:(良い雰囲気だ...いかんいかん、寝たら夕飯に間に合わない)

 

カフェ3:色んな生徒さんがいるな...ちょっと学園内に咲いてる花について聞いてみるか。

 

カフェ4:姉さん方、最近仕事詰めだし今度遊びに誘ってみるか。

 

カフェ5:(アツコ...)

 

絆ランクアップ1:先生、アロハとかどうです?夏なんですから、どうせなら色々着てみましょうよ。

 

絆ランクアップ2:夏の花?なら、ひまわりがいいですよ。育てるのにそこまで手間がかからないですし。

 

絆ランクアップ3:ありがとうございます、先生。あなたは理想の大人です。

 

絆ランクアップ4:惚気話、ウザくないですか?...全然?良かった...。

 

ハロウィン:アツコは何着るのか...あ、こっちの話です。ちなみに、先生はお菓子とイタズラ、どっちがいいですか?

 

クリスマス:プレゼントか...免許皆伝で祖父さんから貰ったハサミが、一番思い入れあります。燃えましたケド。エセ教祖許すまじ。

 

新年:あけましておめでとうございます、先生。今後とも、花ならうちの店にお任せください!

 

誕生日:え、覚えててくれたんですか?ありがとうございます、先生。今日、夜にパーティーやるんですよ、よろしかったら来てください!

 

先生誕生日:フラワーギフトです。祝福の花をいくつか束ねてみました。どうぞ長持ちさせてやってください。誕生日、おめでとうございます、先生。

 

 

 

 

 




設定考えるの滅茶苦茶楽しいですね(満足)
いずれは通常バージョンも書きたい。

D.Uに移店してから、カナエは営業の規模を拡大しています。ヒマリとの関係はそこで構築されました。
強化ドローンは、NieR:Automataのポッドをイメージしています。

他にも書きたいことたくさんある...書き切れるよう、頑張ります!

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