陰の実力者で耳かきやマッサージ   作:ごんがんら

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アレクシアの足を揉む

「私の足を舐めなさい、ポチ」

「やだよ」

アレクシアがトチ狂った。

「私の命令が聞けないの?」

「やだよ」

人通りのない学園の中庭。

お昼に食堂でジャガたちとご飯を食べていたらアレクシアに連れ出され、いつものように僕はアレクシアが投げた金貨を取ってくる遊びをしていた。(陰の実力者には資金が必要だから仕方ないね)

 

ポケットが金貨でパンパンになってきた頃、突然アレクシアが足を舐めろと言ってきたのだ。

前からヤベェ趣味を持ったサイコパス王女だと思ってはいたが、ついに本性を表したか。

「なんで突然足を舐めろなんて言うのさ?」

「この前ナツメの小説を試しに読んでみたら恋人同士で足を舐めるシーンがあったから、実際にやってみようと思ったのよ」

原因は身内だった。

ベータのやつなんて小説を書いてるんだ、七陰の第二席が官能小説じみたものを書くんじゃないよ。

それを実際にやりたくなる辺りアレクシアはイカれてる。

この国の未来は暗い。

「普通恋人同士で足なんて舐めないよ。変態と勘違いされるからやめよう」

「わがままねぇ。仕方ないから私の足を揉むだけで勘弁してあげるわ」

僕がわがまま扱いされるの?

というかそれで妥協したつもり?

「どうして足舐めがダメなら足を揉ませることになるの?」

「なんとなく」

なんとなくで女王様の足を揉まなきゃいけないの? 僕は訝しんだ。

「じゃあ、はい」

アレクシアは靴とソックスを手早く脱ぐと僕に右足を差し出した、その白い足は細くしなやかで無駄に綺麗だ。

「……水虫とかないよね?」

「ぶった斬るわよ?」

うわ、満面の笑顔なのに殺気が半端ない。

そしてアレクシアはため息をついたかと思えば懐から金貨のつまった袋を取り出した。

「これが欲しいならわかっ「さぁ!揉んでいくよアレクシア!」……なんかムカつくけどいいわ、存分に揉みなさい」

お金の力には敵わなかったよ。アレクシアの足を揉む。

細い足だ、力を加えたら折れてしまいそうだ。

でも鍛練を重ねているからしっかりと良質な筋肉ついている。

努力家なアレクシアらしい足。

手のひらを使ってふくらはぎを揉む。

「ひゃんっ!」

変な声をアレクシアはあげた、思わず手が止まる。

「どうしたの?」

「ちょ、ちょっとくすぐったかったわ」

「ふーん」

まあ、問題ないかと気にしないで再びふくらはぎを揉む。

血流を良くするために僕は足首から膝下まで流すように揉んだ。

擦るように揉んだり、軽く叩いたり、押し込んだり。

アレクシアはくすぐったそうにして体をよじらせていた。

「あ……んっ……ん……」

「変な声出さないでよ」

「う、うるさいわよ、黙って続けなさい!」

 

妙な声を出すので注意したら怒られてしまった、理不尽だ。

僕は黙ってアレクシアのふくらはぎに親指で押し込んだ。

擦りながら揉んだおかげで大分ほぐれてきたふくらはぎにズブズブと親指がめり込んでいく。

「あ……ちょ、ちょっと!?かなり深く指入ってない!?大丈夫なの!?」

「大丈夫、大丈夫ー」

多分。

アレクシアのふくらはぎに親指が沈んでいく、これは面白い。

筋肉と筋肉の隙間を的確について親指をめり込ませる。

僕が親指を動かすたびにアレクシアがちょっと痛そうにしているのが楽しい。

調子に乗っていたら、アレクシアに頭をチョップされた、痛い。

「ちょっとポチ!?あなた遊んでるでしょ!?」

「バレた?」

「このっ!」

アレクシアが右足を振り上げて僕の頭を蹴り潰そうとする。

僕はスウェーして避けた、僕でなければ頭をかち割られていただろう威力の蹴り。

魔力もしっかりこもったいい蹴りだ。

憎々しげにアレクシアは僕を睨み付けながら口を開く。

「もうふくらはぎはいいわ!足の裏をやりなさい!」

「あっ、マッサージは続けるんだ」

ギロリ。

「はい、やらせていただきます」

逆らったら斬られそうなので黙って従う。

アレクシアの足首を持ってアキレス腱摘まみながら揺らして血流を良くする。

そしてかかとの筋肉に親指を当ててグリグリと揉む。

「結構固くなってるね、指があんまりめりこまないや」

「そうなの?自分じゃよくわからないわね」

これはもう少し力を込めてやらなきゃダメそうだ。

「マッサージして筋肉ほぐすから、ちょっと痛いかも」

「構わないわ、やりなさい」

アレクシアの許可も得たので親指に力を込めた。

ぐっぐっ、と親指を深くめり込ませる。

「いたっ!ちょっとポチ!痛いわよ!」

アレクシアが足をバタつかせながら抗議する。

「我慢我慢、しばらく我慢してれば慣れるから」

多分。

足ツボとかはよくわかんないないけど、僕ほど人体の仕組みを理解している人間はそうはいない。

なんとなくどこを揉めばいいのかわかるのだ。

しばらく親指で筋をぐりっと押して、かかとほぐすと、土踏まずを手のひらで擦る。

「んっ、そこはぐいぐい揉まないのね?」

「んー、ここらへんはいきなり揉むと本当に痛いからね、ある程度擦ってほぐしてから揉んでくよ」

「ふーん、そうなの」

土踏まずを手のひらでさすさすと擦る。

アレクシアは痛そうにしていたけど少しずつ気持ちよさそうな声を出し始めた。

「んっ、そこっ、いい感じよ」

「うん、そろそろほぐれてきたね、揉んでいくよー」

土踏まずに弱めの圧をかけながら親指をめり込ませていく。

「……いたいわね、これってまだ弱めに揉んでるのよね?」

「うん、まだ余裕あるみたいだからもう少し強めにするよ」

「……いいわ、やりなさい」

アレクシアの許可が下りた。

僕は親指の腹でゴリゴリと土踏まずをこすった。

「いたたたっ!!ちょ、ちょっと強すぎない!?ポチ痛いって言ってるでしょ!」

「我慢我慢ー」

アレクシアは足をばたつかせて抗議する。

でも今度は僕は折り曲げた人差し指の第2間接でゴリゴリと土踏まずを刺激し続けた。

親指よりも固い間接での刺激。

老廃物を押し流すように指を滑らして、拳を立てるように土踏まずのくぼみをぐりっと押し込んだ。

溜まったコリが段々ほぐれていく。

「あ~、ちょっと気持ちいいかも」

アレクシアがそんな声を漏らす。

「痛みと快感は紙一重だよ」

「そ、そうね……」

コリがほぐれると気持ちいいんだよねー。

土踏まずも柔らかくなってきたので今度は足の指にとりかかる。

足の指と指の間を握るように手を通すとくるくると回していく。

「指のストレッチしてくね」

「これ気持ちいいわね、ただ指を回してるだけだけど」

「これは指の筋肉をほぐしてるのさ、案外指先って普段使ってるからね、ちゃんと解しておかないといざというときに上手く動かないよ」

「ふーん、そうなのね」

アレクシアは足をぶらぶらさせながら僕の話を聞いていた。

僕は足の指を一本一本丁寧に握って回していく。

こりこりと固いところが指の腹に当たっている、結構ほぐれてきたみたいだ。

「さて、そろそろ本番だよー」

「え?もう終わりじゃないの?」

アレクシアが意外そうな声を出す。

まだ指を回しただけだ。

本番はこれから。

僕は足の親指と人差し指の間を優しく揉んでいく。

肉付きの薄い箇所だが揉んでやるとやたらと気持ちいい。

「あっ、そこっ!」

アレクシアが気持ち良さそうな声を上げて身もだえる。

やっぱり気持ちいいんだ。

僕はアレクシアの反応に気をよくして指の股をグリグリと押し込んだ。

「あっ、それっ!いいっ!」

アレクシアは足をピンと伸ばして快楽に耐えている、どうやら相当気持ちいいみたいだ。

僕はそのまま足指の付け根まで親指を押し込んでいった。

そして足裏全体を揉みほぐしていく。

「あ~……そこも気持ちいいわ……」

アレクシアは蕩けそうな声で呟いた。

足の裏は僕も好きだよ、特に土踏まずをゴリゴリするのは最高だ。

今度イータに足つぼマットでも作ってもらおうかな?なんて考えつつ最後の仕上げにとりかかる。

「それじゃ最後に指を引っ張っるよー」

「引っ張る?」

疑問の声をあげるアレクシアを無視して足の親指を軽く持ち、引っこ抜く要領で引っ張る。

ポキッ、ポキポキ

「いい音したねー」

間接から小気味いい音が聞こえてくる、足の指なんていう小さな間接からわりと大きな音が聞こえるのはちょっと不思議な感覚だ。

「なんか足が軽くなった感じだわ、ポチ!もう一回!」

「はいはい」

せがむアレクシアの人差し指を掴んで引っ張る。

コキッ、ポキッ

親指ほどは音がでなかったがこれもいい音。

続いて中指、薬指と引っ張っていく。

「これ癖になりそうね、というかポチやたらと足揉み上手いけどやったことあるの?」

「んー?初めてだよ?ただなんとなくどこをどう揉めばいいのかわかるけど」

「あなたって変なところで器用よね……」

そんなもんかねぇ? 僕は最後に小指を摘まむ。

一番小さなこの指も結構凝るんだよね。

「最後は小指ね、ポチお願い」

アレクシアはそういうと足を僕にゆだねる。

アレクシアの小指をゆっくり引っ張る。

コキッ!パキパキッ!ポキポキポキ!

一番いい音が鳴った。

「あぁ……気持ちいい……」

アレクシアは夢見心地のようだ。

僕はアレクシアの足の指を引っ張って回して、伸ばしてを繰り返した。

これで足裏マッサージは終わりだ。

「はい、終わり」

「ポチ、あなたマッサージ師にでもなったら?」

アレクシアがそんな感想を漏らす。

「いやだよ、めんどくさいし」

僕はそう答えて立ち上がった。

もうそろそろ昼休みも終わる頃だ、教室に戻らなきゃまたジャガとヒョロが騒ぎ出すだろう。

「それじゃ僕は教室に戻るから」

そう言って立ち去ろうとしたら、アレクシアに腕を掴まれた。

「待ちなさいポチ」

「え?だってもう終わったよ?」

「馬鹿ね、まだ片足しかやってもらってないじゃない」

アレクシアは僕の手を離してもう左足のソックスを脱いだ。

「別に片足だけでよくない?もう授業始まるよ?」

「そんなものサボりなさい、貴方なにがなんでも授業出たいっていうような真面目くんじゃないでしょう?」

この不良王女め。

懐から金の延べ棒をチラ見せするんじゃない、逆らえないじゃないか。

「はぁ……わかったよ」

僕は再びアレクシアの足元に座った。

これは放課後ジャガたちにアレクシアと何やってたか鼻息荒く聞かれるなー、と少し憂鬱になりながら僕はアレクシアの足を再び揉みはじめるのだった。

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