亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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九話

 

 最果ての荒野で生息している魔物は、そのどれもが強力で討伐するならパーティを組む事必須である。

 

 例えば真が仲間にした魔物でオルトと名付けられたリズーは素材の回収ならⅭプラスの依頼になるし、群れの討伐ならBランクの仕事になるが厄介すぎるために特殊ランクの仕事に変更される事が多い程に厄介なのだ。

 

 元々、厳しく過酷な環境の荒野に適応するため、必然的に魔物たちは強い。そうでなければ生きられないのだから……。

 

 しかし、そんな最果ての荒野に生息する魔物たちに対し……。

 

「ふっ!!」

 

「えいっ!!」

 

「しっ!!」

 

 レベル1320の巴、1500の澪はそのレベルを有している事が納得できる戦闘能力を発揮して屠っていくし、レベル1である真も徒手空拳による格闘、あらゆる武器を使っての戦闘、全属性、全系統の魔法の使用と万能であり、超絶した戦闘力と戦闘技術を発揮して討伐していく。

 

 冒険者ギルドからの特殊ランクの仕事は勿論、他のランクの仕事を複数受けては次々と達成していく事で二週間近くで早くも自身の冒険者ランクをBへと昇格させたりしていた。

 

 他の冒険者のパーティの仕事を手伝う事もあり、その際に巴に澪、そして真の実力を披露する事で皆、当然驚愕する。

 

 特に真に関しては『あれは例外すぎる』と意見を一致させるほどであった。

 

 凄まじい戦闘能力はともかくとして、他の冒険者達に対する面倒見の良さやら本人たちの善良さなどから真たちは『絶野の英雄』として敬意や畏敬、憧憬などを抱かれるようになった。

 

 前のミルス達のそれをあっという間に凌駕したのである。

 

 そうして、『絶野の英雄』として活動する日々の中……。

 

 

 

「ただいま」

 

 今日受けた複数の仕事を達成して活動拠点としている屋敷に帰った真。元はミルスとその一味の屋敷であり、ミルス達を倒したので勝者の権利として頂いたのだ。

 

『お帰り』

 

 この屋敷を使っているのは真に巴、澪の三人だけでなくミルス達の悪事の被害者となったトアとリノン姉妹、アルケミーマイスターのハザルにブレスガンナーのエルフであるルイザ、ドワーフの神官騎士のラニーナであり、仕事から帰ってきた真を出迎えた。

 

 当然であるが、真に巴と澪でリノン以外の冒険者であるトアたちの面倒を見るため、パーティを組んだりする事も多かったりもする。

 

 そうしてこの屋敷で暮らすようになって当たり前の時間を過ごす中……。

 

 

 

「……マコトさん、トアです。入って良いですか?」

 

「ええ、勿論です」

 

 自室の扉を叩く音とトアの声がしたので仮面を被りながら、扉の鍵を開け、扉も又、開いてトアを招き入れたが……。

 

「ふちゅ」

 

「んむ!?」

 

 トアは真へと急速に接近して真の頭の後ろを両手で掴んで逃げられないようにすると深く、口づけし舌を絡め始めた。真は最初こそ驚いたが……。

 

「ん、ふちゅ、ん、く、ふ……ぁ……」

 

 トアの口づけに応じ、あっという間にリードを奪った。

 

「あふ……やっぱり、巴さんと澪さんが妻なだけはありますね」

 

 トアは快楽に瞳を蕩かせ、顔を高揚させ、艶めかしい息を吐きながら言う。

 

 

「理由を聞いても?」

 

「そんなの決まってるじゃないですか……マコトさんは私とリノンにいっぱい優しくしてくれたからですよ」

 

「だが、それはトアさんが巴と澪と出会う前の僕の元カノに瓜二つだったからですよ。そうして、自己満足していただけで……」

 

「はい、それは巴さんと澪さんからも教えられましたから知ってます。でも、良いです。自己満足であってもマコトさんの気持ちを癒せるなら……それに一度くらい、私自身が決めた人に抱かれたいんです」

 

「……僕の顔は傷だらけじゃないがこんな顔だ。それでも良いのか?」

 

 トアと会話をしながら、真は自分の仮面を取る。

 

「全然、隠す事無い素敵な顔じゃないですか……そして、そんな誠実なところも好きです」

 

「そうか、そこまで言ってくれるなら……」

 

 

 トアの気持ちを知ると真は自分の部屋の扉を引き、鍵を閉めると……。

 

 

 

 

「んちゅ、ふちゅ、んん……っあ、うく、は、あぁ……こ、こんなぁ……っ!!」

 

「まだまだこんなものじゃないぞ」

 

「あはぁぁ、ぅあ、だ、駄目ぇ……気持ち良すぎぃ、こ、壊れ……んはああああっ!!」

 

 真はミルス達の汚されたトアの身を自分の愛で上書きするように快楽の絶頂へと導き続けたのであった。

 

 

 

 

「(巴、澪……お前たちだな)」

 

『(ふふ、流石は若。バレましたか。余計な事とは思いましたが、トア自身がどうしても恩に報いたいと願っていましてな)』

 

『(申し訳ありません若様。ですがきっとこの方が良いのだと判断しましたので……トアもかなりの覚悟を見せてきましたし)』

 

 トアが積極的に求めた原因であろう者たち、巴と澪に確認すると即座に肯定した。

 

「(あくまで確認しただけだから、気にするな。それと気遣いありがとう……面倒な主で悪い)」

 

『(そういうところも主は魅力的なので気にしないでくだされ)』

 

『(私達は若様に尽くすのみです)』

 

 真は幸せそうに眠りに着いたトアの頬を撫でつつ、巴たちに感謝を示し、それに巴たちは自分たちの事を気に掛けてくれる真の優しく誠実な気持ちに対し、嬉しさに浸りつつ、誇らしげに答えを返すのだった……。

 

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