亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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百話

 

 グリトニア帝国の勇者である智樹に対し、二度と巴を求めるような事をしないよう自分との力の差を分からせ、精神的にも痛めつけながら真は巴と識を通して『打倒女神』においてリリ皇女と協力関係を結んだ。

 

 これにおいてもやるべき事をやった真だが、本命でやらなければならない事はまだあった。そして、それに備えて巴と愛し合いながら一夜を過ごした真は本命をこなすために動き出した。

 

 

 

 ルイナスから転移陣でまず、その本命の場所へと転移すると霧の転移で亜空を経由して待機していた巴と万に御剣を呼んだのだ。

 

「いやー、それにしても砂々波に会うのも久しぶりじゃなぁ」

 

「久しぶりと言っても数百年の開きはあるんだけどね」

 

「長命種故のあれだな」

 

 これから真達はグリトニア帝国の秘境であり、白の砂海と呼ばれているバニラ砂漠を移動する。

 

 バニラ砂漠には巴に万、御剣と同じ上位竜の一体であるグロントこと『砂々波』がいて、この砂漠を訪れた者に試練を与え、それを潜り抜けた者に自分の力であり、祝福を与えるのだ。

 

 実際、グリトニア帝国においてはバニラ砂漠でグロントの試練を潜り抜けたことでグロントの祝福を受けたロイヤルガード・グロント、つまりは上位竜グロントの祝福を受けた最上級騎士の地位を得たギネビアという女性騎士がいる。

 

 もっともそのギネビアは智樹のパーティの一員になっていて、当然、智樹の魅了の力の犠牲者である。

 

 因みにそんな智樹だが、現在は昨日の夜から引き続き自分の部屋にこもって身を震わせるのみの状況だ。

 

 魅了の力も今では消えているのでかけ直しも出来ない。このまま行くと智樹が魅了した者達もその魅了の影響が薄れ、失望していき離れる事になるだろう。

 

 もっともパーティとしては活動できるようにリリ皇女が上手くやるだろうが……。

 

 

 

 ともかく、真はグロントに接触して自分達の仲間にしようとしている。それが無理でも協力者にはするつもりだ。

 

 巴に万と御剣と同行するのは上位竜たちを従えている程に真は強いという証明、仲間にするために説得してもらうためである。

 

 まあ、万場一致で一度は交戦する事にはなるとの事だ。

 

 

 

 グロントは試練を与える事に誠実であり、だからこそ祝福を受けるのではなく、仲間にするという事ならそれだけの実力を見せ、納得させなければならないとの事である。

 

「まあ、そういうのは好きだがな。それに智樹君は遊び相手にもならなかったし」

 

 真は智樹との戦いにもならなかったそれを振り返りながら言う。少しくらい、遊び相手にはなるかと踏んだが全然、遊び相手にもならなかったのでがっかりしていたのだ。

 

 本来、バニラ砂漠はグリトニア帝国が完全に管理しているので其処に行くなら、グリトニア帝国の許可とグリトニア帝国の関係者を同伴させる事が条件であるが、リリ皇女が協力者になったので真達はバニラ砂漠に向かう事が出来るようになった。

 

 こうして、真は自分の眷属になっている上位竜の巴達とバニラ砂漠を移動するのであった……。

 

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