亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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百一話

 

 グリトニア帝国領内にある秘境、白の砂海こと『バニラ砂漠』は白一色の砂の大地で構成されている。

 

「おお、中々良い景色だな。グロントが管理しているからか雪も積もってないし」

 

 グリトニア帝国のバニラ砂漠を管理しながら、訪れる帝国人に試練を与えて突破すれば強力な加護を与えている上位竜の一体、グロントこと砂々波を自分の勢力に勧誘、それが無理でも協力者になってもらおうと真は同じく上位竜の巴に万、御剣と共にバニラ砂漠を訪れた。

 

 綺麗な純白の砂が広がる景色を見て、真は感想を言う。

 

 

 

「そういうとこ、マメじゃからな砂々波は」

 

「僕の代わりに長い時間、精霊と協力して世界の自然を守ってくれている。まじめな子だよ」

 

「実質的に押し付けたようなものでは無いのか」

 

 真の感想に対し、巴がグロントの事を言及すると笑みを浮かべながら言った万へと御剣は軽くツッコんだ。

 

「うーむ、良い砂の感触だな」

 

 真は砂漠の砂を右手で掴んできめ細かい砂の感触を楽しみつつ、掌からこぼれ落とす。

 

 

 

「さて、じゃあ向こうの流儀に則って試練を突破するか」

 

 そうしてグロントによる試練を正々堂々と突破する事にし、砂漠を進む事にする。

 

 原則としてグロントの試練においてはただ迷わず、直進する事である。

 

 言葉にすれば簡単なようだが、一面が白い砂漠を直進し続けるというのは方向感覚を失ってしまうものである。

 

 なによりグロントが次から次へと色んな干渉をしてくるのだから、やはり困難である。

 

 唯一、グロントの試練を突破したロイヤルガード・グロントのギネビアでさえ、何日か彷徨った末に試練を突破でき、グロントの加護を得る事が出来たというように少なくともこの世界の者達にとっては、中々難しいのである。

 

 そんな試練に真は郷に入っては郷に従え的な理論で挑む。

 

 

 

「じゃあ、走るか」

 

 そうして、真はグロントを探知するための『界』を広げながら、巴と万に御剣と共にバニラ砂漠を超速で走っていく。

 

「そこだ」

 

 探知の界で地中に潜む魔物の存在を感知したので一度跳躍しながら、魔力体を応用した弓を形成し、魔術を矢に変化させたそれを放つ事で砂を穿ちながら、中に潜んでいた魔物を射抜く。

 

 「ほらほら、どんどん試練を与えてこいよグロント。全部、突破してやる」

 

 その真の言葉に対し、グロントは反応したようで割れる砂漠、砂の竜巻、燃え盛る砂の河などを用意したがそれを真っ向から真は突破していく。

 

 そして……。

 

「最後に使えるようになったばかりの力で入らせてもらうぞ」

 

 自分を中心、相手を中心として展開する二つの界を重ねる事、そしてスサノオと大黒天の力を合わせる事で出来るようになった力である事象改竄を使う事によってグロントが最後の試練として用意した白い円錐の障壁を最初からなかったかのように擦り抜ける事でグロントの居場所へと入ったのであった……。

 

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