亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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百八話

 

 真は澪と識の二人と共に魔族の国に行く事になり、魔将の地位にいるロナとイオ、彼女達が率いる魔族の兵に案内されながら数日の道のりを進んでいた。

 

 魔族の領土はとてもヒューマンが立ち入れるような場所では無かった。真がいた地球で言うなら南極や北極のような極寒の地だからだ。

 

 気候としては吹雪も度々、あるし極寒の地位で生きられる能力を有した魔物だっている。

 

 太陽ですら二日も進めば、全く昇らないし暗闇だけの『寒夜』の環境となった。

 

 そんな極寒でも魔族達は防寒の結界を張る事は出来るので寒さにおいては問題ない。

 

 それに度々、天幕を張って野営をしているが真は澪に識の二人と共に平均的な時間帯として夜に『亜空』へと転移して休みつつ、巴などと情報を共有していた。

 

 一応、見張りを澪や識に交代でさせながらだ。とはいえ、そもそも真達の立場は魔王からの正体を受けた国賓であり、重要な客人だ。

 

 そんな立場の者に対して覗きや様子を探ったりなどは出来ない。ロナもイオも魔王に忠を尽くしているからだ。

 

 ともかく、夜の時間帯においては亜空で快適に過ごして、朝の時間帯には天幕に戻って魔族達と共に魔族の国に向かって進んだ。

 

 そうして進んでいるとかなり強力なモンスターである雪獅子の群れが襲い掛かった。

 

 魔族の兵が一人や二人、殺されたが真は元々、ロナの事は愛しているのもあって『改竄』の力を使って時間軸を戻して雪獅子が魔族達を襲う前の状態にして、魔族の兵の死を無かったことにした。

 

 

 これにより、真は雪獅子を射抜くとその毛皮やら牙に爪やらを素材にして武具や防具に加工するために雪獅子の死体を回収し、確保したのである。

 

 こうして魔族の国を目指して三日目の道中……雪獅子に対処した後も進んでいた真達。

 

『オオオオオッ!!』

 

 次は雪獅子より更に強力な魔物で氷みたいな鱗を有する竜のフロストドラゴンが現れた。

 

 これに魔族の兵たちは応戦していく。真達は客の立場なのでぎりぎりまでは魔族達に応戦を任せている。

 

 フロストドラゴンは竜種だけあって中々に強く、魔族達は傷ついていく。

 

「良し、後はやってやろう」

 

 真は界の力で魔族達の傷を治癒していく。

 

 「はあああっ!!」

 

 真は魔力体を応用した弓と矢を形成し、物理的なダメージでは無く、精神的なダメージを与えるものだ。

 

 矢は肉体を傷つけずにフロストドラゴンの体内に潜り込むようにして、入り込む。

 

 これにより、フロストドラゴンは精神的に死んでその死体を素材とするために真は確保した。

 

 その後、野営を始めた。無論、天幕の中にいると見せかけて真に澪と識は『亜空』に戻ったが……。

 

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