亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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百十七話

 

 真に澪とルシアにサリは地と火の上位精霊がいる神殿で起こった異変の調査のために神殿に入った。

 

 神殿の中では歪んだ力場の影響か精霊たちが踊り狂って騒ぎまくっていた。そして、神殿を進む者に対しても攻撃を加えてきたのである。

 

 ルシアとサリでも攻撃を捌くのにてこずるくらいには激しいものであったが、真はその攻撃を受け流す『界』を用意して進みつつ、真達より先に上位精霊に参拝しようと神殿を訪れていた魔族達がいたのでその者達を保護し、外へと避難させた。

 

「地の精霊の神殿ってこんな迷路構造なのか?」

 

「酔った精霊が構造を変化させたようですね」

 

「面倒な事を」

 

 一応、元から迷路構造だったのか聞いてみると精霊の暴走による干渉が原因との事である。

 

「まあ、問題無いけどな」

 

 真は空間把握の能力を有した『界』を新たに展開する事で迷路化した神殿内の構造を把握しながら進んでいく。

 

「真殿は万能の力を有しているようですね」

 

「この道中だけでも真殿の力がどれほどの物か窺い知れます」

 

「ふっ、僕の力はまだまだこんな物じゃない」

 

 そんな事を言いながら真が空間把握の能力で正しい道を進んでいると……。

 

「止まれ。どうやら向こうから来てくれるみたいだぞ」

 

 真は高速で地を揺らしつつ、こちらへと向かってくる存在の気配を感じていたので皆で動きを止めて待つ事にした。

 

『オオオオ』

 

 やがて、咆哮を上げながら壁を破壊して姿を現したのは見た目こそ牛のようだが鬣はあるし凶悪な鉤爪があり、口元には牙を覗かせており、全身は黒く硬い皮膚、太く鋭い角、瞳からは正気を覗かせていない。

 

「あれはベヒモス!?」

 

「ベヒモスまで……」

 

 突如姿を現したのは地の上位精霊であるベヒモスだった。

 

『オオオオッ!!』

 

 ベヒモスは真達へと突撃し……。

 

「無駄だ」

 

 『界』を変化させ超強固な防御力のあるものにする事でベヒモスの突撃を阻止する。

 

「ふっ!!」

 

 そうして真は魔力の弓を形成し、精神鎮静の矢を造るとベヒモスに撃ち込む。

 

「ブルゥゥ……」

 

 ベヒモスは精神鎮静の矢を撃ち込まれると酔っていた精神を鎮静化され、真達を見つめる。

 

「正気は取り戻せたようだな」

 

 真が手を出せばベヒモスは頭を差し出し、そうして真はベヒモスの頭を撫でたのである。

 

 「……っと、こっちは火の上位精霊だな」

 

 次にベヒモスと実力の近い存在が近づいてくるのを感じたので魔力の弓を形成すると精神鎮静の矢を造る。そして、それを番えて弦を引き絞り……。

 

「しっ!!」

 

 そうして、姿を現した火の上位精霊である炎を纏う鳥にして真がいた地球においても知られるフェニックスに矢を撃ち込んで精神を鎮静化し、頭を垂れたフェニックスの頭を撫でたりした。

 

 地と火の上位精霊の精神を鎮静化し、こうして精霊神殿の異変を真は解決し、残留思念を読み取る能力を持つ界を使って原因を探ったのであった……。

 

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