亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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百十八話

 

 突如出現した力場の影響で地と火の精霊神殿内にいる精霊たちはそれぞれの上位精霊であるベヒモスにフェニックスも含めて酔った事で暴れ回っていた。

 

 そんな神殿内を澪にサリとルシアと巡った真は下位精霊の攻撃を往なしつつ、ベヒモスとフェニックスには精神鎮静の効果を有する矢を撃ち込む事でどちらも沈静化させた。

 

 理性を取り戻したベヒモスとフェニックスだがどちらもどのみち、腕試しをするつもりだったからちょうど良かったと言い、澪が軽く折檻した。

 

 とはいえ、ベヒモスとフェニックスを鎮静した礼に困った事があれば呼んでいいという約束を交わした。

 

 その後は異変の原因を探り始める。

 

 まあ、巴のようにこの場に残る記憶を集めてそれを見たというだけの事であるが……。

 

 そして、原因はゼフに対する反対勢力が空気に溶ける触媒を利用した数日間程度の効力を見込んだ儀式魔術によるものだと分かった。原因も分かった真はサリとルシアにその原因を説明し、そうして共に城へ戻ると……。

 

 

 

「放っておけばとんでもない事になっていただろう。そうなる前に協力してくれた真殿には感謝が堪えんな」

 

 サリとルシア、真から話を聞いたゼフは真に感謝を告げた。

 

「お役に立てたなら、なによりです。ただ、私も含めてですが注意は払っておいた方が良いですね。今回の神殿見学は限られた人しか知らない情報だった。私とゼフ殿を対立させようとした可能性があります」

 

「恥ずかしい限りだ。真殿たちを賓客として招いておきながら、こちらの事情に巻き込む事になるとは……」

 

 真の言葉にゼフは頭を抱えつつ、溜息を吐いた。

 

「仕方無いですよ。手伝える事があれば幾らでも手伝うので遠慮せず頼ってください」

 

「それではこちらの面子が立たぬよ……なるべくこちらで対処できるようにする」

 

 真に対し、ゼフは苦笑しながら言った。

 

 「では今回の件への礼をしよう」

 

 そうしてゼフは懐から筒状のものを出し、札のような厚みのある板も出した。

 

 ゼフが板について説明を始め、魔族の領内にある全ての街と関を自由に通行できる通行証であり、魔族の軍上層部が持つ物と同じ権限があるので具体的には全ての街と関に自由に出入りできるし、魔族の中央に連絡が付けられるとの事。

 

 更に筒の中から紙を出して広げる。それは北の未開地域を除く魔族の国の地図で主要な街、道については漏らさず記載があるとの事、一部機密により未記入との事であるが……。

 

 

 

「貴重なものをありがとうございます」

 

「こちらこそだ」

 

 その後、真はゼフと夕食を共にして交流を楽しんだのであった……。

 

 

 

 

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