亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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百二十二話

 

 真は魔王ゼフに対する魔族の反乱勢力が命を犠牲にして使ったエリュシオンの神器である『竜群王笏』によって凄まじく、本来ならあり得ない超極低確率で召喚されたルトであり、『万』の攻撃を防いだ。

 

 万によると竜群王笏に仕込んだ自分を召喚するそれは本当に遊びのつもりだったとの事。ネタ要素みたいなものだがしかし、それだけに召喚された時は手加減無しの全力の一撃を放つ事を強制される制約があるのだ。

 

 よって、万は全力で攻撃を開始し、それを真が防いだ事で制約は解除された。

 

『万』はそのまま元いた亜空に帰還したのである。

 

「上位竜ルトの攻撃すら凌いでしまうとは……ともかく、マコト殿のお陰で余達、魔族は救われた。本当に感謝する」

 

「良いって事ですよ」

 

 そうして事態が終息すると親善試合の会場にて真はゼフから魔将や観客である多くの魔族の衆目の中で真に感謝を告げた。

 

「皆、マコト殿は上位竜ルトの超絶級の一撃をその力によって防いだ。マコト殿がいなければこの都は……そして、我ら魔族の大半が消え失せていただろう。マコト殿こそ、我らが英雄である」

 

『おおおおおっ!!』

 

 更にゼフは真を魔族の都と魔族を救った英雄だと讃え、それに魔将の四人と魔族達が歓声を上げながら拍手を送る。

 

 こうして、真は魔族達の間で英雄として認められたのだ。

 

 その後、親善試合で魔将四人に対して一人で勝利した事と反乱勢力の攻撃や召喚されたルトの攻撃を防いだ真に対しての宴が開かれる。

 

「マコト殿……今回の事も含めて本当に感謝している。そして、上位竜の攻撃すら防いでしまう強者であるマコト殿とは敵対したくないし、友好的な関係でありたいと思っている」

 

「僕も女神を倒すのに良い協力を結べそうな魔族と戦いたくはないし、友好的でありたいと思っていますよ」

 

「だからこそ、改めて魔族側から誠意を見せよう。衛星国家エリュシオンは今日より、マコト殿達の物だ。後で書面も送るし魔族の皆にも告げよう」

 

「ありがとうございます」

 

 ゼフは衛星国家のエリュシオンを真達に渡す事を約束した。

 

 そして、更に……。

 

「今回、マコト殿は精霊神殿と言い、私達の危機を救ってくださった……その恩に報いるべく、これよりはマコト殿、この身を貴方に捧げ、一生を侍従としてお仕えします」

 

 メイド服を着たサリが真へそう告げ、更に服をはだけて胸元の楕円の輪を見せる。それは真の命に服従する契約の証であり、契約を破ったり解除すれば死ぬ儀式をしたという証である。

 

 

 本来はこうした命を縛って絶対の忠誠を誓う儀式は罪を犯した魔族に対して極刑として行われる物だった。

 

 

 

「陛下も納得しているんですか?」

 

「勿論」

 

「サリもそれで良いんだな?」

 

「はい」

 

 ゼフとサリは真の問いに頷く。

 

「……分かった、じゃあこれからは僕のために働いてもらうからね」

 

 「受け入れて下さり、ありがとうございます。ご主人様」

 

 こうして真はサリを自分の侍従として受け入れたのであった……。

 

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