真達にとっての真の本拠である『亜空』は以前、手厚くもてなしたスサノオ達による仕掛けで『海』が砂浜が誕生した。他にも真の成長に伴って色々、誕生するものがあるようだ。
そうして一度、『海』の感触を試すのと息抜きも兼ねて海での遊びを楽しんだ後、今、暮らしている異世界にて海で生活している亜人達に対し、移住を申し出ようとしていた。
早速、元魔族でもあるローレライに対しての外交を同じ元魔族である『聡』に頼んだ。
これらとは別に表の本拠地としてのケリュネオン及びエリュシオンが国交出来るように色々、整えている。それとは別にいろんな国に対しての情報収集もしている。
その中において日本で真の先輩であり、この異世界で勇者の一人となって活躍している響たちの情報もライムを潜入させるようにして収集していた。
真は響に対しては窮地に陥った際、守るようにしているのだ。そして、響たちは現在、ローレル連邦に滞在している。彼女の仲間のチヤがローレル連邦において重要な地位である巫女であるからだ。
そしてそんな響たちにとっても厄介な事になりそうな問題が出来た。
「荒野では度々、出るって?」
「ええ、本来、ヒューマン達には手出しできないので厄介なんです」
真が識に対し、質問をすると識は答える。
真達が対応しようとしている問題とは荒野に出現した厚く積み重なった濃紫の雲である。毒を含んだ紫色の雨を伴い、その土地を毒で満たしてしまうのだ。
そしてこの雲は実は天候ではなく、小さなガス状の生物の群体であるとの事だ。普段はそこまでの脅威では無いが、一定以上集まると一気に拡大して災害になるという。
そんな雲が荒野に出現しており、しかも何もしなければ荒野とは山脈で隔てているローレル連邦の領土に被害を及ぼすとの事である。
なのでとりあえず対処すべく、向かおうとすれば巴が現れ、一緒に向かった。
「おおう、凄い有害そうだな」
真は荒野のとある場所より、空を見上げると目にしたお灸のような感じ形で紫色の積乱雲が君臨していた。
因みに真達がいて、ローレル連邦の領土と荒野を隔てている山脈が見えるのは荒野の東だ。
「とりあえず、サンプル回収だ」
真は氷の魔術で紫色の雲を凍結させて自分の手元に転移させる。
「さてとっ!!」
その後、雲の様子を洞察して核になる部位に対して、魔力体の弓と矢を創造し、矢を放って射抜いた。
射抜いた部位に穴が空き、そこを起点に紫の雲が散る。
「(偽物っぽいな)」
真は射手としての感覚で仕留めては無いと感じた。とはいえ、とりあえずは散らしたので復活するまでの間は問題は無いと判断。それにサンプルから雲の特徴を調べれば良いのでその場は良しとしたのであった……。