真は現在、日本での自分の先輩である響たちがライムも同行させている事でローレル連邦にいる事を掴んでいた。
そして、ローレル連邦は荒野から山脈を隔てているのだが、その上空にガス状の生物の群体で外見としては濃い紫の積乱雲で毒を含んだ雨を降らせ、土地を毒で満たすそれが生じていた。
真はそれに対処する事にし、サンプルとしてガス状の生物の一部を収穫しつつ、核になるような部位を射抜いて散らした。とはいえ、真は射手としての感覚でガス状の生物を仕留めてはいないと把握する。
サンプルから研究すれば良いし、とりあえずは雲を散らしたのでしばらくは毒の雨を降らせない状態なので様子を見る事にしながら一旦、その場から移動した。
真にはケリュネオンにエリュシオンの運営は勿論、ロッツガルドでの講師など色々とやる事があるからだ。
そうして、真はギルドマスターファルスとして動いている『万』の元に行く。
「おや、ザラさん。いたんですか」
『万』の傍にはロッツガルドの商人ギルドを束ねているザラ代表がいた。
「おお、マコト……丁度良かった。後で俺の店に来て欲しい。話す事がある」
「分かった」
ザラは言葉通りにちょうど良かったという表情で自分の店に来るように言うと、万に一礼してその場を去って行った。
「万、ケリュネオンに送る冒険者の候補リスト貰いに来たぞ」
「うん、これだよ」
「ありがとう……本当、忙しくなったな」
「お疲れ様だね、若様」
真はそうしてケリュネオンに送る冒険者の候補リストを万から貰った。冒険者ギルドのマスターである万の立場と冒険者という事になっている真の関係からすれば遠回りなやり方をする方が色々と都合が良いのである。
そうして、万との用件を終わらせるとザラの店に向かい、ザラの部屋に入る。
「変異体事件で名前が売れたから、色んな国に呼ばれたそうだな」
「おかげで忙しいけどな。まあ、冒険者としては嬉しい事だが」
「それとここの非常勤講師もやっているなら忙しいのは当たり前だな。それで話は今後も復興に協力してくれるかどうかだ。お前が復興に仲間の冒険者達に講義に参加している学生を派遣してくれているのは助かるが、このままのペースで協力を続けてくれるのか詳しく聞きたくてな」
「勿論、協力するよ。復興できていない区域はあるし、それにロッツガルドには俺も住んでいるからな」
「助かる、そしてもう一つはエステルの店でお前が派遣してくれている娘達の数を増やしてほしいとの事だ。それとエステルもお前を求めている」
真はエステルから頼まれ、亜空からゴルゴンを娼婦として派遣してもいた。ゴルゴンは見た目としてはヒューマンとして装う事が出来るし、そもそも彼女達は精を求める種族でもある。
当然、石化能力を制御出来る者に限るが……。
「色々、確認して対応してみるよ。エステルのところには直接、行く」
「よろしく頼む」
そうして、真はザラの店から去ると学園の方へと向かったのであった……。