亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

14 / 102
十三話

 

 レンブラントの屋敷から少し離れた森林、そこに短い銀髪の冒険者の男にしてこのツィーゲの冒険者筆頭であるライム=ラテと彼の仲間である冒険者達二十人ほどが捕えられていた。

 

 ライムたちは真とハザルがレンブラントの屋敷で製薬をしようという話を聞いた事で屋敷から出た時に思い知らせようと待ち伏せしようとしていたが全員、巴に澪とトアにルイザとラニーナの奇襲によって倒され拘束されたのだ。

 

「さて、初めましてツィーゲの冒険者の皆さん」

 

「てめぇ、よくもレンブラントの野郎を助けやがったなッ!!」

 

 真が挨拶をするとライムは自分たちの冒険者としての仕事をレンブラントが奪っていると呪術師によって騙されているので怒る。

 

「とりあえず、皆さんの誤解を解きましょうか……レンブラントの奥様、ご息女にかけられたのは眠呪ではなく、レベル8の呪病ですよ」

 

 そうして真は呪病にされたリサとシフとユーノの状態を自分の記憶を通してライムたちに見せた。

 

「……う、嘘だろ……お、俺たちはなんて事を……」

 

『……』

 

 ライムたちは自分たちの行いが呪病にされたリサ達を死に追いやろうとしていたものであると察し、顔を蒼褪めさせた。

 

「呪術師に利用されていたし、正直、呪術師の手にかかるだけの事をレンブラント商会がやったのは事実だが……せめてしっかりと確認はしておくべきでしたね」

 

 真はライムたちの誤解を解いたのを見ると彼らの拘束を解き……。

 

「俺たちはどうすれば……」

 

「それは自分で決めればいい……ただ何をするにしても、今はレンブラントさん達は呪病を解けた事を喜んでいますからね。今日はそっとしておいた方が良いし、何をするべきか考えた方が良い」

 

「……わ、分かりました」

 

「では、僕たちはこれで」

 

 ライムたちが重々しく頷いたのを見ると真はそう言って、巴達と共にこの場を去ったのであった……。

 

 

 

 

 

 夜が訪れたツィーゲの地、そこにあるレンブラント家の大豪邸ではリサにシフとユーノの呪病が解呪された事を祝った夕食会が行われていた。

 

「本当にマコト殿には感謝してもしきれません」

 

「ありがとうございました」

 

 夕食会には真に巴と澪の三人が呼ばれていて、もてなされている。

 

「無事、解決出来て良かったです……ところでパトリックさん、モリスさん。大事なお話があるので場所を変えてもらって良いですか?」

 

 少しすると真は話が出来る場所にパトリックとモリスを移動させる。

 

「大事な話とは何かね?」

 

「今回、奥様とご息女にレベル8の呪病をかけた呪術師が気になったので調べさせてもらいました。その結果、とんでもない事が分かったんですよ」

 

「そうか……あの呪術師は何も語らなかったから分からなかったが……」

 

「いったい、何者だったんでしょう」

 

「あんた達に人生の全てを狂わされたものだよ。当時、『ハンザ商会』の娘の恋人だった武器職人。名は……」

 

『ッ!?』

 

 パトリックとモリスに真は呪術師の事を告げ、驚愕させる。

 

「恐るべきはヒューマンの執念……武器職人でありながら、あんた達の悪事を突き止め、そうして復讐するべく呪術師として超絶的な力量を持つにまで至り、死亡してまで復讐を果たそうとした者とそして、ツィーゲで一番の座を掴むために競争相手に一番の障害であったハンザ商会を手段選ばず、叩き潰して成り上がったあんた達。本当に執念は恐ろしい」

 

「……そうか、彼が……最近、そうじゃないかと思いはしていたが……」

 

「……なんという……」

 

 真の言葉にそれぞれ、納得した様子を見せた。

 

「そう、つまりリサさんにシフさんにユーノさんを苦しめたのはあんた達にも原因がある。悪事には必ず報いがあるんだよ……言っておくがハンザ商会に関して以外にもあんた達がやった悪事は全て知っている。そうしてそれを信じさせられる手段も持っているが公表したりはしない。何故だか分かるか?」

 

「何故かね?」

 

「大きな混乱しか生まないからだ。最悪、ツィーゲの治安が崩壊するかもしれない。それを考えればこのままの方が良い……そして、それを選んだ以上は僕もあんた達の片棒を担いだも同然だが受け入れましょう。さて、では片棒を担いだ者としてパトリックさん達に頼みがある」

 

「頼みか」

 

「ええ、頼みです。明日、ライム=ラテという呪術師に騙されて貴方たちの妨害をした冒険者たちが来る。彼らには僕が真相を教えたので此処に来る目的は謝罪だ。それを受け入れてください。彼らはただ、呪術師に騙されただけですしそれにツィーゲの人たちの更なる敬意を得たり、人心を掴める成果もある。そして、奉仕作業に自分たちが悪事をやった罪滅ぼしとして尽くす事……これも更にツィーゲで評価を上げる事に繋がる。貴方達の報いを帳消しにした恩人の頼み、聞いてくれますよね?」

 

「……ふふ、従うしかないようだな」

 

「そうですね」

 

 逆らう意思を見せればその瞬間、破滅を迎える程の深く絶大な圧を受け、汗を流し身をも震わせながらパトリックとモリスは頷いた。

 

 

 

「それじゃあ、とりあえず話は終わりです。これから色々と力を借りる事もありますが、その時はよろしくお願いしますね。そして責任もって、これから貴方たちが自分の悪事の清算をどうするのか、見守らせていただきます。今後、また以前のように悪事をしようというなら、僕を裏切ろうというなら……その時は……貴方達二人を責任もって、断罪する。この事、絶対に忘れないでくださいね」

 

「……ああ、肝に銘じておく」

 

「絶対に忘れません」

 

「では、これで……」

 

 パトリック達が真摯に頷いたのを見て、扉前で二人に対し、振り返った真は会釈すると扉を開け……。

 

 

 

「この場の全員、人でなしだ」

 

『……』

 

 色んな感情が綯い交ぜになった真の呟きにパトリックもモリスも複雑な表情を浮かべたのであった。

 

 

 

 

 その後、レンブラント家の屋敷から自分たちの宿へと真は巴と澪を連れて帰れば……。

 

「ふあ、んく、か……あぅぅっ、ま、マコトさ……激し……」

 

「うく、っ、あ、はぁ……良い、もっと、もっと求めてくだされ若ぁ……」

 

「んふあっ、か、あふ、んく、っふ……わ、若様ぁ、澪は幸せですぅ」

 

 どうしようもない感情を解消するためもあって、自分が愛している巴に澪とトアの三人と激しく愛と快楽による交流を交わす事に励むのだった……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。