亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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十六話

 

 元は『無敵』と冠した上位竜『蜃』こと巴だけが持つ異空間であった『亜空』は、真との契約によって日本染みた疑似世界と化した。

 

 もっともちゃんと別に巴が本来使っていたその異空間内ならば全能染みた事が出来る『亜空』がある事は判明したし、真もその本来の亜空を使う事が出来る事が判明しているが……。

 

 ともかく、将来的に蜃気楼国家『亜空』とするのを目指しているその世界内の広大な大地の一つにハイランドオークの戦士とミスティオリザードの戦士たちが軍団を成していた。

 

 対して彼らから離れた場所では真がエルダードワーフ特製の棍棒を手に立っている。

 

 今から真にとっては『界』による能力は無し、本来の得物による弓矢は無しという制限を課した状態での戦闘鍛錬であり、ハイランドオークとミスティオリザードにとっては死力を尽くさねばならない戦闘鍛錬が行われるのだ。

 

 

 

 そうして……。

 

『うおおおっ!!』

 

 ハイランドオークとミスティオリザードたちは日々の鍛錬で磨いている連携力を以って真に対し発揮する。

 

 様々な剣や槍に斧、矢に魔法の数々が真へと放たれ……。

 

「ふんっ!!」

 

 真は縦横無尽に動き回りながら、超絶なる体捌きと共に自由自在かつ変幻自在に棍棒を踊らせ、魔法を駆使する。

 

『ぐああああっ!?』

 

 オークとリザードたちは次々と真によって制圧されていき、最後には全員が地面に倒れ伏した。

 

 

 

「大分、持ったじゃないか。これからも精進に励む事だ」

 

『はっ!!』

 

 界によって怪我や消耗を治療すると声をかけ、オークにリザードたちは深く頭を下げて応じる。

 

 

 

「さて、次は巴に澪、凪……相手を頼む」

 

「喜んで」

 

「若様がそれを望むなら」

 

「精一杯、頑張ります」

 

 真は巴に澪と凪に戦闘鍛錬の相手を頼み、棍棒を地面に突き立て腰に佩いている鞘から刀を抜いた。

 

 だいぶ、全力寄りである。

 

 

 

「……いくぞ」

 

 そうして次の瞬間、少しでも己の成長に繋げようとハイランドオークとミスティオリザードが観戦し始める中、まるで神話や英雄譚の如き超絶にして壮絶な戦いが繰り広げられる。

 

 乱れ舞う刃閃、唸る打撃、応酬される魔法のどれもが並の者なら余波だけで身を滅ぼす程のものであった。

 

 因みに支配契約を交わすと従者は主に対し、殺意を有した攻撃が出来ないという制限が生じる。そこだけはぎりぎりの戦いが出来ないので真にとっては不満だったりした。

 

 

 

「巴も澪も大分、人間の身体の使い方に慣れたようだな」

 

「おかげさまで……」

 

「人間の身体というのも中々、便利ですわ」

 

 三人相手に勝利してみせた真は刀を鞘に納めながら、元は竜であった巴と災害の黒蜘蛛であった澪に対し、言うと二人はそれぞれ笑みを浮かべて応じた。

 

「さて、休憩したらレンブラント商会に提供する物の選別とかするから、よろしくな凪」

 

「はい、若様」

 

 そうして真は必要な事をするために凪に声をかけ、行動を始める。

 

 全てが終わり、夜中……。

 

 

「ふむ、ふちゅ、んちゅ、は、ふぁ……くはぁ」

 

 

「ふふ、凪はこういう時、甘えてくるよな」

 

「ふぁあ、んむ、ふ……んんっ、す、すみませんぅぅ」

 

「いや、どんどん甘えてくれ。凪には大役を任せてしまっているからな」

 

 真は凪と愛を求め合っている中、彼女が離さないでとばかりに深く抱き締め続けている事に笑みを浮かべ、彼女が謝ると苦笑して凪の求めに全力で応じた。

 

 

 

「あ、ありがとうございますぅっ!!」

 

「ん、く……本当に若様は激しいのぅ、わしまで疼いてくる。そろそろ我慢の限界じゃ」

 

「わ、若様ぁ……早くぅ……」

 

 待機している巴と澪もまた、真の寵愛を受けたいと身も心も疼かせていく。

 

そうして……。

 

『ふああああっ!!』

 

 最後には真は寵愛を与える事で自分も満たされながら、巴に澪に凪それぞれ、至福と快楽の極みを体感させたのであった……。

 

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