亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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四十話

 

 真はロナが学園都市であるロッツガルドに潜入する事になった目的の一つである『反女神教』の調査と関係者の洗い出しという目的を解決するべく、まず暗殺者ギルドに真の暗殺を依頼していたため、いずれ始末する事を考えていたロッツガルド学園の優秀な講師であったブライトを始末する。

 

 ブライトは『反女神教』の協力者であったからだ。そして、次に『反女神教』の拠点を襲撃した。そこでは亜人や魔族に対し人体実験を行なっていたので遠慮なくロナが配った薬の実験材料にする事にし、『亜空』へと送る。

 

 そして、人体実験によって死んだ方がマシな状態となっている亜人と魔族を安楽死させたのである。

 

 その最中、誰かが様子を見ている事に気づいたので姿を現すように言うと……。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()、真君」

 

 背丈は一七〇センチ前後であり、髪は銀色、顔は中性的であり、美貌のそれで白いシャツをラフに着ており、デニム地のように見えるパンツを履いた男が親し気に真へと話しかけた。

 

「そうだな、『万色(ばんしょく)』のルト。ギルドマスターとしての名はファルスだったか?」

 

「わあ、嬉しいな。僕の事を調べてくれたんだ」

 

 そう、真の前に姿を現したのは巴こと『蜃』やランサーと同じ『上位竜』にして最上位の竜であるルトであり、冒険者ギルドのマスターがファルスであった。

 

「ソフィアを通して、俺の様子を見てきたから気になるのも当然だろう」

 

 

 

「その時は偶然だったから、嬉しかったよ」

 

 ソフィアと戦った時にルトは彼女の視界を通して真に対しての視線を強めていた。逆探知でその存在を探った真は気になったので巴に聞いたりして調べたのである。

 

「幾ら自分が作った存在とはいえ、視界リンクだけして後は放置とか趣味悪いとは思うぞ」

 

 ソフィア自身もルトの研究施設を調べたとかで自分がルトに造られた存在である事を知っていた。因みにランサーも又、ルトによって生み出された存在である事を知っていた。

 

「真君が言うなら、止めるよ。君とは友好的でありたいんだ」

 

「へぇ、随分と好かれたもんだ」

 

「ああ、正しくタイプさ。抱きたいし抱かれたい」

 

「悪いがそっちの趣味は無い。どうしてもというなら、女の姿になるんだな」

 

「分かった、頑張る。元々は女性だったしね」

 

「そうか」

 

 真と会話するルトは嬉しそうにかつ熱のある視線すら送ってきた。

 

 

 

「ともかく、場所を移すか。こんな所で詳しい話をするのもな……」

 

「そうだね」

 

 真が出現させた霧の門を真が先に、ルトが後ろに続いて中へ入り……。

 

「会いたかったぞ。父さん」

 

「ようやく、会えたな。ルトよ」

 

「あ、あはは……やあ、二人とも。元気そうで何よりだよ」

 

『ああ、とっても元気だっ!!』

 

 霧の門を通ればルトは闘技場のような場所にいて、ソフィアとランサーが身構えていた。真に嵌められたと察しつつ、苦笑して呼びかけるとソフィアとランサーは襲い掛かる。

 

 

 

 

 

「うわ、うわあああっ!? 滅茶苦茶強くなってるじゃないかぁっ」

 

 

「マコト様のお陰だ」

 

「年貢の納め時だ、覚悟しろ」

 

 凄く強くなっているソフィアとランサーに予想外に苦戦するルト。そんな彼の様子を……。

 

「自分で作っておいて、視界リンクだけであとは放置なんてするからだ。お前と戦わせるのはソフィアとランサーとの約束だからな……まあ、まだ倒せはしないだろうが」

 

「伊達に最上位ではありませんからなぁ、ルトは」

 

「確かに……なんだかんだ対処していますね」

 

 闘技場の観客席の最上段にある椅子にて座りながら傍に控える巴に澪と軽食を口にしながら、ソフィアにランサーとルトとの激闘を観戦していた。

 

 この場所は本来の『亜空』で真が自在に空間環境を弄ったり、どんな攻撃でも超常現象でも操れる異空間。

 

 真はソフィアとランサーとの約束を交わすべく、ルトを嵌めてみせたのであった……。

 

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