亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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四十六話

 

 現在、学園都市のロッツガルドでは夏休みが始まっているが真にやる事がいっぱいあった。まず、非常勤講師はロッツガルド学園の生徒だけでなく、他の学生に対しても夏季講座を開くものだという事で毎日では無いがそれをやっている。

 

 無論、自分が受け持っているロッツガルド学園の生徒への授業もだ。多くは里帰りなどしているがシフにユーノを始め、里帰りせずに真に指導を頼んでいるのでそれを真は引き受けている。

 

 因みに当たり前だが夏季講座での指導と自分に指導を頼んだシフたちの指導の内容は別である。

 

 そして非常勤講師としての講座だけでは無く……。

 

「で、これが今魔族たちの物になっているケリュネオンを始めとしたエリュシオン全域だ」

 

 『亜空』に何度も足を運び、エリュシオンの地図や映像などを見てどう攻めるかなどを巴達と話していた。

 

 

 無論、エリュシオンを取った後、国としてどう運営をしていくかもだ。

 

「まあ、正直……作戦立てなくても圧勝出来るどころか世界を支配出来ちゃうよね」

 

 新しく真の眷属になった上位竜最強の存在である『万色』のルト改め、『万』はしっかりと会議で案を出しながら呟いた。

 

 実際、『亜空』の王である真はこの世界においては並ぶ者が出てくる事が無い程の強さを持つ超越者だ。

 

 彼一人でも十分なのに、上位竜である万に巴、ランサーがいる。そして、そんな上位竜と並べる存在、『黒蜘蛛』の澪とこの世界で強さの頂きにいられる存在が集まっていて、更には荒野で暮らしていける程で能力も優れている亜人たち、ヒューマン最強であるソフィアまでいると『国』としての戦力は凄まじい。無論、それだけでなく技術力や生産力など凄まじい国力を『亜空』は持っているのだから……。

 

「出来るが魔王になるつもりもないからな。じっくりとこの世界の全てをあの糞女神から奪っていくのさ。将来的には僕がこの世界の神になる訳だしな」

 

 万の呟きに真は応じる。

 

「さて、エリュシオンを取った後の対応だが……どうせ、エリュシオンを治める権利はこちらにあるとかどっかから末裔を名乗る馬鹿や文句言う国も出るが……それは……」

 

「うーん、ちゃんと考えるなぁ」

 

 次の議題に応じる真の態度に万はやるべき事は全てやるし、想定できる事にはちゃんと対応策を考える主なのだと認識するのだった……。

 

 そうした会議もあるが……。

 

 

 

 

「僕がこの『亜空』の王、マコト=ミスミだ。こっちは補佐の凪」

 

 亜空へ荒野に住まうなど行き場を無くしたりしている亜人たちの保護や勧誘は積極的に行なっていて、故に軽い面談なども真はしていた。

 

「私は翼人の長を務めるカクンと申します。こちらは補佐のショナです」

 

 そうして、翼人としては一番上位にいる事の証、背に白い蝙蝠の翼を有する男と女がそれぞれ、挨拶をした。

 

「さて、この亜空に移住を望んでいるとの事だが、この紙に書かれている内容を守ってくれるなら喜んで歓迎させてもらおう」

 

『え……』

 

 次には穏やかに笑みながら言う真にカクンたちは戸惑うものの……亜空で試しに暮らすなどをした上で正式に移住し、真に仕える事を決めたのであった。

 

 

 

 更に……。

 

「ここではその厄介な目も大丈夫だ。今まで生きづらかっただろう、大変だったな」

 

 ヒューマンに限りなく近い姿で恰好は露出的だが、意思で動き変幻性も有する髪や、目隠しをしなければ同種以外の存在や物体を視認した瞬間、石化させる能力を有する女性しか存在しない亜人のゴルゴン達に石化が自分に通用しないのを実践しつつ、石化対策をした眼鏡などを用意して石化にゴルゴンたち自身が困らされないようにする事を約束しながら言う。

 

 

 

 

『ありがとうございます、真様』

 

 ゴルゴン達は涙を流しながら、感謝をした。そうして移住する事になった訳だが……ゴルゴンは他種族の精にて子供を儲ける。どの種族でも受精できるが、生まれてくるのはゴルゴンになるという性質。

 

 それとは別に精気を餌にして生きたりもする性質を有する。

 

 まあ、つまり……。

 

『ふひゃああ、も、もう十分ですぅっ……ふひゃあああっ!!』

 

「こっちはまだまだなんだがなぁ……」

 

 性的な関係を及ぶ上でも真は王として仕えるのに十分すぎる存在であった。

 

 

 

 

 

 そして、更に……。

 

 

 

「という訳で僕たちを住まわせて」

 

「よろしくー」

 

 妖精と精霊の中間であるアルエレメラ、小さな妖精が如き姿の亜人が真へと気楽に言った。

 

「ああ、良いぞ……ただし皆に迷惑をかけるような真似は許さないからな」

 

『っ……は、はい……絶対に逆らいません真様』

 

 わりと面談相手としては見た目通りの子供のような態度であり、自分たちのが上という態度まで見せるアルエレメラに自分の魔力のほんの一部……それでも超越者として疑わせる事の無い力量を感じさせ、しっかりと亜空の王としての力量を分からせた。

 

 アルエレメラの態度に怒りを爆発させようとしていた凪もこれにすっきりした表情を浮かべた。

 

 こうして亜空は更に国力を増やしていくのであった……。

 

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