真にとってのもう一つの異世界であり、自分が経営している国になっている『亜空』。
簡易タイプでなく、印を刻み、固定の出入り口となる『門』の置き場所によって気候に影響が出るという特性を有した。
そのため、時代劇を通じて日本に憧れている巴は『亜空』に『四季』が訪れるようになる場所を探していた。
条件に合う場所は魔族の支配領域の一つであり、真はこの異世界のケリュネオンが両親の祖国であるため、魔族から奪還しようとしていて、更に通じてケリュネオンが属していた国がエリュシオンをも魔族から奪還しようとしている。
そうした事から本番前の練習として巴が見つけた魔族の支配領域に一つを攻め、瞬く間に制圧したのであった。
『こんな国が……これは勝てん』
そうして、降伏させた魔族の者たちを『亜空』へと連行し、一旦は下の身分から生活させる事とする。無論、迫害とかでは無いししっかりと功を立てれば、その分地位も高くなる事は分からせている。
身分の扱いについては勿論、他の亜人やヒューマンも同じである。この亜空では皆、平等なのだ。
魔族たちは『亜空』が特殊な転移で移動してでしか行けない事も国としての規模自体にも驚愕し、自分達との力の差を悟る。
「しっかりと従うんだぞ」
『はっ!!』
亜人の中からこの亜空での暮らし方を教える教育係が選ばれ、真が魔族へと告げれば魔族たちは頷いたのだった……。
そうして時間は過ぎ、真が講師として活動している学園都市ロッツガルドでは一週間にも及ぶ創立祭が開催される。
いわば学園祭のようなものであるが、やはり日本の物とは規模が違う。
期間は一週間であるが学園都市中の学生が催し、色んな分野の研究の発表やら実演、戦いにおける実技の披露を兼ねた大会などが行われるのである。
無論、それだけの大規模なのだから来場する人の数も膨大なもので、町の宿は周辺都市まで満員になるし、臨時で郊外に宿が作らなければならない程。
リミア王国やグリトニア帝国からも結構な数の国賓がやってくるし、国交に関わる外交会議も並行して行われたりするのである。
そんな『学園祭』を真は……。
「話には聞いていたが、本当に凄い人の数だよな。賑やかさがとんでもないぞ」
「ふふふ、そうですね」
「店も賑わってるね」
『学園祭』一日目となる今日、真は妻の一人であるトアと義妹になるリノンの二人と学園祭の観光を始めていた。
他にも巴に澪等、愛し合っている関係の女性陣達とこの学園祭にて逢瀬を楽しむ予定を立てている。
「それじゃあ、楽しむとするか」
「はい」
「うん」
目いっぱい楽しむべく、真はトアにリノンとロッツガルド内を歩いていくのであった……。