亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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五十六話

 

 現在、ロッツガルドでは学園の生徒達による闘技大会が開催されている。

 

 トーナメント表においては真の生徒は真の生徒同士で潰し合うようにホープレイズ家の次男であるイルムガンドの手があったが……。

 

 戦士部門においてはジンとミスラの試合が一回戦であり、ルール上はミスラが不利であったのもあるがそれでもミスラはジンの攻めに対して時間切れまで耐えきり、ジンにとっては判定勝ちという苦い勝利のため、彼は悔しさに満ちた表情を浮かべる。

 

 

 

 対してミスラは達成感に満ちていたが……。

 

 そうして術師部門の試合も始まったのだが……。

 

 

 

 

『ははははは』

 

 自分の生徒以外の術師部門の戦いを見た真に巴、澪は爆笑し始めた。

 

 何故なら、誰もかれもが突っ立ったまま呪文を詠唱して魔術を放つだけのものだからだ。

 

 本当に動きも何もあったもんじゃない。初めに持ち込んだ障壁展開の道具を使って後は詠唱して放つ事の繰り返しだ。

 

 威力の高い術で相手にダメージを与えたらほぼ勝ちであり、食らった方はそれ以後は魔ともに集中も出来ず、詠唱が完了しなくなり逃げるだけになったりする。

 

 

 

「はぁ……学生という事を差し引いても随分とレベルの低い魔術戦ですなぁ」

 

「オークの子供でさえ、まだ上手くやりますわ。これで真面目にやっているのなら呆れ果てますわね」

 

「まさか、ここまでとは俺も予想外だったよ」

 

 巴は最初はあまりの酷さに爆笑さえかましたが、試合が進むと混乱さえしているかのような様子になる。

 

 

 

 澪は失笑した。

 

 真も軽く頭を抱えたりした。

 

 そうして、いよいよ真の生徒であるシフとアベリアの試合となる。

 

 

 

 

「やああ」

 

「っああ!!」

 

 アベリアは動きながら、弓を用いながら杖で魔術を使い、翻弄するもシフは冷静に魔術を用いて対処。

 

 

 他の者たちとは違って動きながら、幾多もの駆け引きの中で魔術を使い合い……。

 

 最後には精霊魔術によって石畳を大きな石の手に変えてアベリアを捕えて地面に叩きつけて勝利をしたのであった。

 

 

 

 戦士部門においてはユーノとダエナの戦いは凄く気合の入ったがユーノがダエナに勝っており、二回戦においてもジンを苦戦しながらも押し切る形で勝利を掴んだのである。

 

 術師部門の二回戦でもまるでそれに触発されるようにシフはイズモを圧倒して勝ってみせた。

 

 どっちも普段より気合があるし、それによって実力以上の力を発揮している。

 

 

 

「嬉しいもんだな、本当に」

 

 その理由を真は理解している。というより、何という程の事でもない。

 

 

 

 自分たちが愛している真に情けない姿を見せたくないし、勝利を捧げたいからである。

 

 つまりは『愛』の力が姉妹を強くしているのだ。

 

 こうして、試合は進み、戦士部門の決勝にてユーノとホープレイズが戦う事になるのであった……。

 

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