亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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六十話

 

 闘技大会の舞台にてイルムガンドは変異体の変化を始めていた。

 

「あああああああおおおおおえええっ」

 

 水色の魔力に包まれながら、各部を痙攣させていき、内側から体が膨張し、肌は灰色になり首が異様に伸びるなど人の何かのような崩れた異形になり始めているのである。

 

 魔力を吸収されるだけの餌としての変異を始めているイルムガンドの取り巻きも変化としては同じだ。

 

 

 

「(そいつはもう魔物みたいな存在に変わり始めている。どうする、戦ってみるか?)」

 

 舞台で未だ警戒しているジン達に念話で問いかける。

 

 『(やりますっ!!)』

 

「(良し、なら一旦、控室に行け。良い武器を俺の眷属に運ばせる)」

 

 何度か亜人たちを自分の眷属としてジン達と戦わせているのでこういう時に受け入れられた。

 

 一旦、ジン達は舞台から控室の下へと走り始める。

 

 

 

「(真さん、今避難を済ませました)」

 

「(大変な事になったね)」

 

 変異体となったのはイルムガンドとその取り巻きだけでなく、ロッツガルドのあらゆる場所で五十体程が街に出現、転移陣や補助転移陣などが積極的に破壊され、ロッツガルド以外の周辺都市も同様で念話も妨害されていた。

 

 そんな学園都市の状況の中で危ないので一旦、トアとリノン姉妹を避難させたのである。

 

 

 

 

 そして、更に……。

 

「マコト先生、怪物が街で暴れています」

 

「ゴテツの方も酷い混乱に……」

 

 真の実力を知っているのもあってエヴァとルリアが真の下へと現れた。

 

「ああ、ある程度は把握している。対処はするから安心しろ」

 

 エヴァとルリアに応じながら、二人を自分の下で保護し……。

 

 

 

「マコト殿、探したぞ。流石に無事だな」

 

「そっちも無事で良かったですよ、レンブラントさん、リサさん」

 

「私達はまだ状況が把握出来ていないのだが、マコト殿は何か知っているかね?」

 

「怪物が街で暴れ回っているっていうくらいだな……」

 

 軽く話をしつつ、レンブラント夫妻は商人ギルドの下へといく事になった。何でもギルドの代表だというザラとは旧知の仲であるという。

 

 

 

「では、気をつけてな」

 

「ああ、頼もしい護衛をありがとう。娘たちの事はよろしく頼む」

 

「では、また」

 

 商人ギルドへと向かう夫妻に護衛として十分な戦闘力を持つミスティックリザードの二体、クーガにガンムと名付けたそれを付けて見送る。

 

 真達が色々している間に変異体の変化は終わり、淡く光る出来の悪い巨人のような姿となったイルムガンドが同じような醜い姿になった取り巻きを食した。

 

 

 

 そんな時にジン達が戻り、唖然とする。

 

 更に学園の戦力だろう鮮やかな紫色の装備に身を包んだ一団が駆けつけ、イルムガンドの変異体と戦闘をする。

 

「(お前ら、もうあれは魔物みたいなもんだと言っただろう。それに戦いたいと言ったのもお前達だろう。手に負えないようなら代わってやるから、戦え)」

 

『はいっ!!』

 

 ジン達に発破をかけつつ、澪と識にジンたちへの指揮にもしもの時の護衛を頼む。

 

「さて、芝居の始まりだ」

 

「腕の見せ所ですな」

 

 念話で今は冒険者ギルドの長であるファルスとして来賓室にいる『万』へ今から行く事を告げ、会話の中でのサポートを頼んで巴と共に来賓室へと向かったのであった……

 

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