学園都市ロッツガルドではとんでもない事態が起こっていた。
この都市に住むヒューマンが異形の怪物である『変異体』となって暴れ出しているのだ。
『変異体』となっているのは密かに魔族から渡された薬を摂取し、アクセサリーを持っている者である。
つまり、イルムガンドのような者が大勢いたのである。しかもこうした状況でのストレスで避難した者が変異体となって暴れ出す事態まで発生。
真は変異体になる前兆のある者を自分に巴達で割り出しつつ、隔離してアクセサリーの回収に薬の解毒薬などを摂取させて未然に防いでいく。
「(いやあ、ここまでの手際は流石だな)」
また、このロッツガルドにはロナの手によって通信を妨害する魔術装置が街の中や外に大量に設置されていて念話が出来ないようにされていた。
建物の柱の中やら床の下やら土の中やら色々な場所に設置されていたのである。
まあ、ヒューマンの念話を妨害するだけで魔族式の念話は出来る。なので真達には何の問題も無かった。
場所は全て割り出しているのでいつでも一瞬で壊して通信ネットワークを回復出来るものの、ロナの計画にある程度は乗るつもりなので敢えて放置している。
「ほら、皆頑張れ」
「あ、ああ」
ロッツガルドは魔物との戦闘経験のある用心棒や用兵などを集めて、変異体の脅威を取り除こうと動き出した。
その戦闘部隊を真は陰ながら支援し、変異体を討伐していく。
「もう大丈夫だからな」
「あ、ありがとうございます」
無論、一般市民の救出に避難の助けも忘れない。
こうして、真は変異体による襲撃からロッツガルドがゆっくりと盛り返すように手伝っていきつつ……。
「これがこうなって……こうなっている訳だ」
適度に亜空へ戻り、そうしてロッツガルドの全体図、念話の妨害装置がある場所、変異体の襲撃を受けた地区、避難所となっている場所と次々に詳細な情報を幾つも書き記していきながら、次の行動について考えていく。
やはり、計画を練ったりするのは落ち着ける場所が一番だし、情報の整理もまた、事細かにやったほうが見落としは無くなる。
「ロナ達も動いているようだし、そろそろリミア王国とグリトニア帝国は襲われるかな」
また、ロッツガルドとは別にロナ達の動きも追っており、リミア王国とグリトニア帝国襲撃のための準備を整えている事を把握していた。
「ケリュネオンの様子はいつも通りでこっちがいつでも仕掛けられる状態だ……その時が楽しみだ」
勿論、奪還目標であるケリュネオンの様子も把握していて、いつでも襲撃できるように準備をしていた。
色々と計画を練りながらも真は魔族が動くのを今か今かと待っているという状況なのであった……。