学園都市ロッツガルドにて変異体が現れ、襲撃を始めて三日目の朝を迎えようとしていた。
「……ん……ふ……ぅぅ……」
「おはよう、エステル……」
避難所となっている亜人のスラム内にて真は目を覚まし始めるエステルに声をかけた。
色々と街を巡回し、変異体が出ないようにロナによるアクセサリーや薬を回収し、処分もしている真はここに来た時にエステルがお礼をしたいと言われ、そうして彼女と一夜を共にした。
「ふふ、まさかこの私が潰されるなんて……でも、最高だったよ。立場が逆だけどね」
エステルは熟練の娼婦であるのに自分が快楽の極みを体感させられた事に驚いていた。
「いや、十分に満足できた。ありがとう」
「ん……」
真は苦笑しつつ、エステルと口づけを交わす。
そうして……。
「ボウル、避難への協力、本当にありがとうな」
「いえいえ、困った時はお互い様ですよ。それにマコトさんには返しきれない恩がありますから」
スラムの纏め役で直立した猫のような姿の亜人であるボウルに感謝を示せば、ボウルは何でもない事のように言った。
病気で苦しんでいたボウルの仲間を真が助けた事で繋がりが出来たのである。
ともかく、学園に呼ばれたのでリミア国王やリリ皇女に彩律ら、重要人物たちが避難している学園のシェルターへと向かい……。
「臨時講師マコトよ、ロッツガルドの北東区画の変異体討伐を担当してもらいたい。これはリミア国王、リリ皇女、彩律殿からの頼みでもある」
「どうか、よろしく頼むマコトよ」
「お願いします」
「すみませんが……」
北東区画は商人ギルドや商会が多数並んでいたりする。生活必需品などがあれば、提供を望んだりするためだろう。
「いえ、そういう事なら役目を果たしてきましょう」
真は北東区画での依頼を引き受けると一度、ジン達の様子を見に行き、自分たちも戦いたいという彼等に学園に変異体がまた出てきた時の守備のために備えてくれと頼んだ。
こうして、学園から北東区画へと向かい、変異体を次から次へと葬りつつ、進んでいく。
十五体の変異体を道中で片づけつつ、商人ギルドへと向かえば……。
「レンブラントさんもいたのか」
「商売人としてここは重要だからね。それに商人ギルドの代表であるザラとは旧知の仲だ」
「初めまして、マコト殿。私が商人ギルドロッツガルド支部を纏めているザラ=ハーディスだ。どうか、よろしく頼む」
パトリックの傍にいる彼と同年代ぐらいの男、ザラは真に対し、複雑そうな表情で自己紹介し、頭を下げたのだった……。