学園都市ロッツガルドにて魔族のロナが仕掛けた変異体による襲撃、それによって混乱を起こす事は上手くいった。魔族にとって幸運だったのは『創立祭』の行事にリミア王国の国王、グリトニア帝国の第二皇女、ローレル連邦の彩律など重要人物が集まった事であろう。
念話が出来ないようにする妨害装置を仕掛けていたのもあって、リミア王国とグリトニア帝国の指揮系統の混乱を起こす事が出来たのである。
そして、その間に更にグリトニア帝国襲撃を囮にリミア王国の勇者である音無響の抹殺を狙ってステラ砦のイオたちを動かす事も出来た。
もっとも魔族の本当の作戦は真によって阻止されてしまったし、ロッツガルドの変異体に妨害装置の解除など本来ならばヒューマン達にもっと被害や混乱を与えられたのにそうした物も真の介入で防がれてしまったが……。
結局のところ、魔族の作戦は全て真によって利用されてしまった事になる。そう、一連の事態で一番、得をしたのは真だ。
ロッツガルドでは変異体を討伐し、学園都市を救った英雄となっているのだから……。
しかも幾つもリミア王国やグリトニア帝国、ローレル連邦からの頼みを聞いているので幾つも借りを作っている。
そして、魔族がリミア王国にグリトニア帝国へと襲撃に動いた事で魔族の意識が他のところでは手薄になったのを衝き、『エリュシオン』を奪還するための手始めとなる『ケリュネオン』を巴達を使って、奪還成功させたのだ。
「ここが僕の父さんと母さんがいたケリュネオンか……エヴァにルリアはどうだ」
識にライムなど何人か、ロッツガルドの様子を調べさせるために転移させて待機してもらうようにしながら真はケリュネオン内の城内を歩き、両親の生まれ故郷であるこの地に対して色々、思考しながらもケリュネオンの貴族ことアーンスランド家の生まれであるエヴァとルリアにも聞く。
「正に実家に帰ってきたような気はします」
「そうですね、空気が身体に馴染むというか……」
「ああ、僕も不思議と落ち着く気がするよ。さて、それじゃあ今日はもう寝る事にするか……ロッツガルドではまだ色々、忙しくなるだろうしな」
エヴァとルリアの意見に真も同意した。実際、家に帰ってきたような安心感や身体に雰囲気が馴染むような感覚を感じているのだ。とはいえ時間も時間なので眠る事にする。
『精一杯、癒します』
こうして、真は浴場にて巴に澪に凪、エヴァにルリア、ソフィアたち女性陣と体を洗い合ったりしながら、湯に浸かり……その後、ケリュネオンの王の部屋の寝台にて、女性陣に身体を按摩され、心地良くなりながら意識を手放していき、眠りに身を任せ、時間にして直ぐに眠り始めたのであった……。