亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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七十六話

 

 真は魔族のロナ達が引き起こした『学園都市ロッツガルド』の変異体騒動を利用する事でリミア王国とグリトニア帝国、ローレル連邦に多大な貸しを作る事が出来た。

 

 そして、更には一番の目的であった真の両親にとっての祖国で今までは魔族に支配されていた衛星国家の『エリュシオン』内の小国、『ケリュネオン』を魔族より奪還する事が出来た。

 

 巴の事前の調査によればケリュネオンの立地で『亜空』に入るための主要な門を設定しておけば、日本における四季の巡りが来るとの事である。

 

 これは日本を再現したい巴にとっては特に喜ばしい事であった。

 

 

 

「さて、それじゃあ俺達の完全勝利って事で乾杯だ」

 

『乾杯っ!!』

 

 学園都市ロッツガルドに出現し、暴れていた『変異体』を全滅させた真は夜に『亜空』で祝勝会を開いていた。

 

 真の乾杯の音頭により、皆は宴を始めていく。

 

 テーブルには大皿に大量の料理が盛られており、立食形式の宴だ。

 

 なんと巴は日本酒を完全に再現する事に成功しており、鏡抜きをしたいと言われたので樽を割って皆に酒を配り、真が音頭をしたという形である。

 

 

 

 もっとも器としてはグラスやジョッキなので雰囲気はなんともいえない。まあ、そこを指摘する程、真は野暮ではないが……。

 

「美味しいぞ、巴」

 

 日本においては真は未成年で表立って飲む事は出来ないが、自分の親父と偶に日本酒を飲んだり、生ビールを飲んだり、チューハイを飲んだりしているので酒の味には詳しかったりする。

 

 因みに真は超が付く程の酒濠だ。そんな真からして巴が再現してみせた日本酒はとても美味しいものであった。

 

 

 

「お気に召したようでなによりです」

 

 真の言葉に巴は満足気に微笑む。

 

「澪も流石だな、和食に中華、そしてこっちの世界の料理……沢山の種類を用意できるようになったうえ、そのどれもが美味しいなんてな。美味しい料理をありがとう」

 

「っ、はい、ありがとうございます!!」

 

 今回の宴で出されている料理はその全部が澪が用意した物で着実に亜空の料理長の名をほしいままにしていた。

 

 

 

 真からの礼に感無量といった表情を浮かべながら、澪は喜ぶ。

 

 

 

「さあ、もっと食べてください」

 

「ああ、勿論もっと食べるよ。だが、澪も食べてくれ」

 

「っ、はいっ!!」

 

 澪が次々と料理を持ってくるのを受け取りながら、箸で一つの料理を取ると澪へと差し出す。

 

 澪は喜んでそれを口にした。

 

『わ、私達にも……』

 

 巴に凪、アクアにエリス、ソフィアにトア、エヴァにルリア達女性陣から料理を受け取ったり、差し出したりするなどして真達は祝勝会を楽しんでいくのであった……。

 

 

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