マコト達が本拠地としている異空間内にある『亜空』は本来、真や巴の許可が無ければ入る事が出来ない異空間だ。しかし、そこへ入り込んだ複数の存在がいた。
その者達に会う事を決めると……。
「(よう、深澄真。おはよう)」
聞いた事の無い声が脳内に響く。口調こそ乱暴であるが、無意識に畏まってしまうような妙な迫力のある声だ。
「(ええ、おはようございます。もしや神の方でしょうか?)」
この異空間に侵入でき、相手との接続を感じさせない念話染みた会話が出来るとなると真を自分が管理している異世界に転移させた女神と同じ、神達であると推測した。
「(ああ、そうだ。俺の名前は長いから略称で言うぞ。スサノオだ)」
「(ツクヨミ様の弟の
「(その通りだ。お前には兄貴が迷惑かけた形になってすまなかったな。故あって近くに来たから思い切って訪ねてきたんだ)」
「(そうでしたか、しかし気配からしてスサノオノミコト様だけでは無いようですね。ツクヨミ様もいますか?)」
「(俺の事はスサノオで構わねえよ。それと兄貴はまだ療養中だ。だが、俺以外に二人ほど神がいるぜ。ともかく詳しい話もしたいし、近くまで行っても良いか?)」
「(ええ、勿論です)」
そうしてスサノオから大きな乗り物で来ているから広い平らな場所に誘導してほしいと頼まれたので巴と共に平原に誘導する事にする。
そして澪には神達を歓迎するための料理を用意させる事にし、料理のローテーションに入っている者を全員入らせるよう指示もした。
凪と識には歓待の用意をさせる事とし、とりあえず人集めと道具の準備をさせる事にした。そして他の亜空の者達には料理かそれ以外で分かれさせることにし、細かい事は澪と凪に識による指示に従うよう伝えた。
こうして巴と外に出てみれば、『亜空』の遥か高い空にロック鳥並みの巨躯であり、漆黒の鳥がいた。
「おお、あれはヤタガラスか……あんなに大きいなんてなぁ」
その鳥は日本神話における『ヤタガラス』であった。
真は呑気な調子で言いながらも着地してもらう場所へマーカーを付ける。そうしてマーカーの場所へと結構な速度でヤタガラスは降下する。
そうして……。
「ようこそ私達の国、『亜空』においでくださいました。偉大な神々にお会いでき、歓迎させていただけるとは光栄です。」
「おう、すまねぇな。改めて俺の名前はスサノオだ」
真から見て中央、弥生人風衣装の若い男が顔いっぱいの笑みを浮かべてスサノオだと名乗った。
「儂は
真から見て左、少し浅黒い肌で好々爺を思わせる笑みを浮かべている老人は腰に巾着と小槌を付けていた。
「私はアテナです」
真から見て右、ライトブラウン染みた髪色、知的な雰囲気を纏い、美しい女性はキャリアウーマンを思わせるスーツを着ている。
「(大物だな)」
真は内心、三人も神の中でも大物が来たと思ったのであった……。