亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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八十一話

 

 真にとって真の活動拠点である異空間に形成された国、『亜空』。

 

 本来は真や巴が許可しない限り、誰も転移も侵入も出来ない筈なのだがその『亜空』へと訪れた存在がいる。

 

 真に対し、色々と援助や世話をしてくれた日本神話の神の一柱である月読の弟がスサノオに七福神の中の一人、大黒天とギリシャ神話の女神であるアテナという神の中でも大物な三神である。

 

 

 

 流石に大物の神達だけあって、こういった異空間にも訪れる事が出来るようだった。

 

 そうして、真は屋敷に招待すべく巴と共に先導していると……。

 

「お、あの看板からしてあの像や、神殿は兄貴のために用意したのか?」

 

 スサノオは亜空内にある真が自分にとっての恩神である月読のために建設した建物と像を見て言う。じっさい、この亜空においてはスサノオが信仰されているのだ。

 

 

 

「ええ、少しでも月読様からの恩に報いられるように」

 

「感心だな、兄貴も喜ぶぜ」

 

「うむ、良い心掛けじゃな。良い若者ではないか」

 

「こんな素晴らしい若者に対し、あの子は……もっと罰を与えておけば良かったわ」

 

 真の言葉にスサノオは喜び、大黒天も笑みを浮かべて頷く。アテナは怒りを秘めながら呟いていた。

 

 

 

 因みに……。

 

「あの、つかぬ事を聞きますが大黒天様はシヴァ様でもあらせられますか?」

 

 敢えて自分が抱いていた懸念を尋ねる。神の中には他の神話の神の側面を持った者もいる。

 

 インドの神においては仏教の関係で日本で別の神になっている者も多くいるのだ。

 

 そして大黒天はインドにおけるマハーカーラこと破壊神のシヴァである。

 

 

 

「おう、そう呼ばれる事もあるな。日本人の真殿には大黒天の名の方が馴染み深いじゃ老によく知っておるな、本当に感心じゃ」

 

「神話は好きなほうなので」

 

 大黒天は真の質問に頷き、更に笑みを浮かべた。

 

 ともかくとして、屋敷ではまだおもてなしの準備は出来ていなかったので会議などで使うための一番広い部屋へとスサノオ達を案内した。

 

 そして、改めてスサノオ達が此処へ来た理由を聞くとスサノオは月読から真の事を頼まれたので気になったとの事で大黒天は些事が幾つか、アテナは亜空が気になったからと言った。

 

 

 

 なので巴に『念話』でアテナはギリシャ神話において負けず嫌いなところがあるので勝負事はしないようにする事と、軍神であるがゆえにミスティオリザードからの案内などを頼みつつ、アテナに亜空を観光させるように言った。

 

 因みに些事というのはスサノオと大黒天は真へのお土産を、そしてアテナは真が両親の契約の関係上、日本から転移させられた世界の管理をしている女神にきつい説教や首輪をしたとの事である。

 

 ともかく、真はこの部屋に残っているスサノオと大黒天の二神と話をしながら、アテナが戻ってくるのとおもてなしの準備が終わるのを待つ事とするのであった……。

 

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