亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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八十三話

 

 真は自分にとっての本拠である異空間にある国、『亜空』へとやって来たスサノオと大黒天、アテナという神の三柱を歓迎の宴でもてなした。

 

 宴は盛り上がり、朝まで続いたのである。そして少しすると……。

 

「真、将来的にあれを倒そうってんなら神との戦いは経験するべきだ。だからアテナに稽古をつけてもらえ」

 

「実は一度、申し出ようと迷ってたところです。アテナ様、よろしくおねがいします」

 

「ええ、喜んで」

 

 スサノオからの提案で真はアテナと手合わせによる稽古を受ける事となった。

 

 そうして屋敷からかなり離れた場所でスーツ姿のアテナはハルバードと盾を出す。

 

「さてと様子見なんて態度だとすぐにやられそうだから最初から本気でやらせてもらいますよ」

 

 真は『魔力体』のそれを超凝縮する事で魔力の膜の鎧のように纏いつつもエルドワ製の戦槍を手元の空間を歪ませるようにして虚空から取り出し、構えながら言う。

 

「ええ、それで良いですよ」

 

 アテナは頷きながら、微笑む。

 

 そうして次の瞬間……二人の姿が一瞬消え……。

 

『はあああああっ!!』

 

 地も空も関係無しに超速で縦横無尽に動き回りながら真は戦槍を操りながら、戦技の舞を披露する。アテナもハルバードと盾を操りながら、戦技の舞を披露した。

 

 刹那の間に数百、数千、数万……幾多もの近接戦での駆け引きを応酬していく。

 

 その中で真は空間を歪ませ、虚空から槍から日本刀、大剣に片手剣、長剣と次々に換装していた。

 

「中々、やりますねっ!!」

 

「それはどうも」

 

 真は更に格闘用の鉄甲と具足に換装しての格闘戦にも切り替えた。アテナも武器を一旦、手放し素手でギリシャにおけるパンクラチオンの源流のような格闘術で対応。

 

 そうかと思えばどちらも間合いを取って、真は魔力を弓と矢として、あるいは虚空から弓と矢を取り出しての中距離から遠距離戦に移行する。アテナもジャベリンを次々と召喚して対応する。

 

「っ、ぐ……流石に強いな」

 

「貴方も中々ですよ」

 

 追い詰められているのは真だが、それでもアテナに対して手傷や痛打を与えていた。

 

「はははっ、中々やるじゃねえかよ真。ここまでとは恐れ入ったぜ」

 

「うむ、素晴らしい実力じゃ。これなら立派なクシャトリヤにも出来るのぅ」

 

 スサノオと大黒天は真の実力と戦いぶりを賞賛する。

 

「ふぅ……まさか、此処までやるなんて予想外でした……真君、此処からは私も本気でやらせてもらいますね」

 

 アテナがそう言うと次の瞬間、スーツ姿からヒマティオンを身に着けた姿になりながら力を激しく解放する。

 

「神の本気……じゃあ、僕もとっておきをきらせてもらう」

 

 真もそう言うと体の真ん中に刻印として刻んでいて、普段はその部分に魔力を貯蓄し続けている分の魔力を解放し、更に戦闘用に調整した『界』を展開するのであった……。

 

 

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