亜空の王はここにあり   作:自堕落無力

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八十四話

 

 真の目的は彼の両親が元居た世界を管理する女神の全てを奪い、女神を最終的に殺す事である。

 

 そして、必然的に神と戦う事になるので彼の女神殺しを認めたスサノオがギリシャ神話の軍神であるアテナとの稽古で神との戦いがどういうものか一度は経験しておけと提案した。

 

 これにアテナは承諾し、真も是非とばかりにアテナへと頭を下げ、そうして二人は『亜空』のとある場所で手合わせを始めた。

 

 因みにだが、そもそもスサノオもインドでは破壊神シヴァである大黒天も手合わせをすれば下手をすれば、真を消滅しかねないので手合わせが出来るのは必然的にアテナだけであった。

 

 どちらも個人的には真と手合わせをしてみたいとは思ったが……。

 

 

 

 

「ふっ!!」

 

「はああっ!!」

 

 真の実力はアテナに本気を出させるほどのものであり、二人の戦いは正に神話の如き領域で並の者なら近づいただけでその余波により、消し飛ぶほどのものへと化していく。

 

『はああああっ!!』

 

 そうして互いに最大の一撃を放って激突させた事ですさまじい光に閃光が生じ、それが収まると戦場となった地、真とアテナの攻撃が激突した場所には深いクレーターが出来ていた。

 

 

 

 

 

「はぁはぁはぁ……くそ、体力に難ありか」

 

「い、いえ……本当に凄いですよ真。まさか、私に届きうるだけの実力を有しているとは思いませんでした」

 

 体力も魔力も消耗しきった真はその場に倒れ込み、毒づいた。しかしてアテナの本気衣装であるヒマティオンは結構、ぼろぼろになっているし彼女の盾や武器も傷ついていた。

 

 

 十分、真の力はアテナに届いていたのである。

 

「ああ、本当に驚かされたぜ。神殺しを目標とするだけあるじゃねえか」

 

「しっかりと力を磨いておるようじゃのう。中々、楽しませられたわ」

 

 観戦していたスサノオも大黒天も満足そうに言う。

 

 

 

「良し、もっとお前を強くしてやろう。そもそも力をやるつもりではあったけどな」

 

「儂からも良い力をくれてやろう」

 

「ありがとうございます、スサノオ様、大黒天様」

 

 スサノオと大黒天はそう言うとどちらも真へ戦いにおいて役立つ力を与えた。

 

 

 

「良し、用件も済んだし俺らはそろそろ帰るとしよう。真、あの女神にはたっぷり思い知らせてやれ。その日が来るのを楽しみにしてるからな」

 

「あ奴もとうとう日頃の行いに対する報いを受ける時が来てなによりじゃ。それと実はもう一つだけ儂とスサノオによる贈り物をこの『亜空』に残しておいたから見つけるのじゃぞ」

 

「真、手合わせは楽しかったです。いずれ貴方が神になった時にでも再戦しましょう」

 

 スサノオも大黒天もアテナも真へと声をかけ、そうしてヤタガラスに乗って真に見送られながら去っていったのであった……。

 

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