真は兄であるツクヨミに頼まれたのもあって、自分の両親が元居た世界の女神にある程度の制裁を与えるついでに様子を見に『亜空』へとやってきたスサノオとそれに付き合った大黒天ことインドの破壊神であるシヴァとギリシャの軍神で女神であるアテナをもてなした。
そして自分の目的は自分に酷い仕打ちをした女神を最終的に殺す事と堂々と正直に言えば、むしろ歓迎されたのである。
そうして神を相手取るなら勝負は経験するべきだとアテナとの手合わせを提案された事で真は全力でアテナとの手合わせに挑んだ。
流石に元から超越者であり、長年戦いを司っているアテナには勝てなかったがそれでも十分、力と技は通じたしスサノオ達に讃えられた。そしてスサノオと大黒天から力を貰い、亜空のとある場所に贈り物を残したと言われ、アテナとはまた、神になった時に再戦の約束をするなどして、この亜空にやって来たと同じようにヤタガラスに乗って去るスサノオ達を見送ったのであった。
「スサノオ様達からも俺達の目的を応援されたし、動き出していくぞ」
『はっ、若様』
真は屋敷内にて皆へと言い……。
実際に真は計画のための行動を始める。
『ケリュネオン』から先、まだ魔族が領している『エリュシオン』全てを制覇するためにケリュネオン近くの砦を攻める事に決めたのだ。
「まずはこうだ」
真達は事前に仕掛けていた巴による霧を使った転移で砦近くに移動すると先ず、真が『界』で砦の全域を覆う。
その『界』の特性は外界からの隔絶である。つまりは外への念話は出来ないし魔法陣による転移でさえ、不可能になるのだ。
「で、次はこうだ」
真は魔力体を膜にまで圧縮したそれを身体とエルドワ特製の弓に纏わせつつ、魔術を矢にしたものを構えて放つ。
直後、砦の門は破壊された。
「良し、突撃だ」
『うおおおおっ!!』
真が指示をすると彼に従う者達は突撃を仕掛けていく。
「くそっ、何者だ」
「この砦は奪わせんぞ」
砦を守っていた魔族達は勿論、守るために奮戦するも凄まじい亜空の戦士達と魔術を矢にして放つ真の攻撃の前に倒されていく。
今回もケリュネオンのように出来る限りの殺しは無しにしているので魔族達は気絶や怪我をするのみのそれだったが……。
「お前たちは負けた。殺しはしないから安心しろ。捕虜として丁重な扱いも保証してやる」
そうして砦を制圧した真は『界』の力で壊れた砦の門などを修復しつつ、捕虜にした魔族も亜空の仲間となった同じ魔族の説得などを受けたりして同じように仲間になるのであった……。