ニュータイプ研究所所長の奇行   作:スターリー

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 私の名はブライアン・マーセナス。

 

 このラストネームでお気づきの方もいらっしゃることだろう。

 

 新しい時代に宇宙世紀と名付け、融和と平和の為に尽力し、あと一歩というところで爆破テロに巻き込まれるという悲劇の結末を辿った地球連邦政府初代首相、リカルド・マーセナス。

 

 私はそのマーセナス家の遠い遠いとおぉぉぉい親戚なのである。そう! 私は割と……まあ、良い? 身分なのだ!! 

 

 いやほんとほんと。

 

 しかも父は機械工学に明るく、テム・レイ殿と共にガンダムを生み出したV作戦の中心人物の一人として活躍していたのだ。惜しくもテム・レイ殿は色々あって現場から離れてしまったが、父は全てを背負って功績を上げて出世街道まっしぐら。

 

 元々の血筋プラス功績。おかげさまで家族ともども上級国民(笑)の仲間入りを果たしたのである。

 よっ! さすがは父上! 最高! 愛してるぅ! 

 

 いやぁ、いくらでもお金が沸いてくるブラックカード渡されたときには地球連邦のヤバさを再認識したね。コレ絶対アウトの…………。

 

 あっ、やべ、これ内緒のやつじゃん!!! 

 

 

 

 

 

 

 尊敬する我が父はよくこんなことを言っていた。

 

「科学は神を殺し、技術は天才を殺すのだ。そうして才能という不平等を埋めて劣等感から開放し、人は安らぎと自由を得るのだ」

 

 と立派なヒゲを撫でながらドヤ顔でどう? って見てくる父上に親指を立ててグッジョブと返す。

 

 テム・レイ殿にいつも先を越されて永遠の二番手と呼ばれているのに言うことだけは誰よりもどデカいのが我が尊敬するお父上である。

 

 まあそしたら、一年戦争でのアムロ・レイくんの各種データを見て泡吹いて倒れたんですけどね。即オチ2コマかな? 

 

「んだよアレ! あんなのできるなんて人間じゃねぇ! 一体誰なんだパイロットは! えー、なになに、アムロ・レイ。アムロ・レイ? レイってまさか! …………やはりテム・レイ! 貴様か! 貴様だな! 蛙の子は蛙か! 化物の息子も化物か! ええい! 何が技術は天才を殺すだバーカバーカ! あんなん真似できるかぁ! せめて人であれよ!」

 

 と、天を仰ぐ父。俺爆笑。さすが我が父である。

 安心してください。お父上。おもしろ人間的な意味でならテム・レイ殿に勝っていると皆に言われてますよ。

 

 あと父よ。口調口調。さっきまで威厳たっぷりでしたやん。さっそくキャラ崩壊してますぜ。抑えて抑えて。

 

 それと病室であんまり叫ばんでくださいな。みんな目を丸くしてこっち見てますから。父さん俺恥ずかしいよ。

 そんなことしてるとまた血圧上がって倒れますよ。まったくもう。ほらほら、布団に入って入って。だってじゃねーの。いい歳なんだから、そろそろ落ち着いてくださいな。

 

 どーどーどー。

 

 そんなこんなで私は恵まれている。

 私は父が年老いてから念願かなって授かった子供で猫可愛がりしてくれてる。いい暮らし、良い教育、いい環境。戦争に行くのだって免除にしてくれた。

 

 そんな私はまだまだ甘えるつもり満載なのだ。

 このまま父の仕事を手伝いつつ、大学院での研究に勤しむ。ああ、なんて素晴らしき日々。卒業してもお世話になりますよお父上。そのスネ、全力で齧らせていただきます! と思っていたのだが…………人生ままならないものである。

 

 

 父から渡された一通の手紙。

 

 それはお上からの通達であった。

 

 

 ブライアン・マーセナス

 

 オーガスタ研究所所長に任命する

 

 何がどうしてそうなった!! 

 

 天国から地獄じゃねーか! どーなってんだい! 

 




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