ギターヒーロー、人理修復へと旅立つ   作:ヘル・レーベンシュタイン

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グランド鯖の解放が更新されるたび、どんどん二部の終わりが近付いてるんだなと思うこの頃。


第三十五話

 

 

 

 

「ライオン!?」

 

 ロマンさんの通信から送られた映像に、私もよく知る“トーマス・アルバ・エジソン”さんの画像が映し出された。だけどその顔は私もよく知るおじさんの顔ではなく、まさかまさかの真っ白なライオンの頭部をしていた。

 

「あの、なんでライオンに……」

『召喚の際に何が起きたのか…….いずれにせよ予想外すぎる。とはいえ接触しないと、この大陸や彼らが行なっていることを知るためにも。』

「問題はどうやって会うかですね。戦闘になるのは避けたいところです……」

「あ、そうですね……」

 

 そう私たちは話ながら先を歩いていると……

 

「ならば、やり方は一つです。」

「えっ」

 

 急にそう言いながらナイチンゲールさんが私の襟首を掴み……

 

「行きますよ、Ms.後藤」

 

 跳躍したのだった。

 

 

 

 

 

 

 明暗する視界の最中、徐々に整列する集団の影が見えてきた。それを上から見下ろしている人達が居て、そこにエジソンさんの顔が見えた。ナイチンゲールさんはエジソンさん達の背後へと着地する。

 ……とんでもない轟音が私の鼓膜を揺らし、その影響で私は口から体液が漏れてしまうもののナイチンゲールさんは気にすることなく言葉を吐く。

 

「エジソンですね。根本治療の為に、対話に参りました。覚悟は、よろしいですか?」

 

 と、対話を願っているはずなのにナイチンゲールさんはエジソンさんに銃口を向けながらそう言った。

 

『もうやだこの英霊(ひと)!!

なんでいきなり突っ込むの!?戦闘待ったなしじゃん!!』

 

 ロマンさんの叫びに、私は内心同感していた。いくら何でもメチャクチャすぎる……近くに槍を持ってる人が、エジソンさんの前で守る様に立ってるし……と思った時だった。

 

「フ……歓迎する、会えて嬉しいとも!クリミアの天使、そしてカルデアの諸君!!」

(え、私たちの事知ってる!?)

 

 そう驚いてると、エジソンさんの隣にいる小柄なお姉さんが私の表情を読み取ったかの様に答える。

 

「ある人が教えてくれたのよ、それは誰かは内緒だけれど。

サーヴァント・キャスター。真名は“エレナ・ブラヴァツキー”よ!」

『19世紀のオカルティストか……今で言うスピリチュアル的世界観に連なる人物だが、魔術世界にも名を残した“本物”だ。生前はエジソンの友人だったが……』

「あら?今でも仲良しよ。」

 

 次に、槍を持ってるお兄さんが名乗りを始めた。

 

「サーヴァント・ランサー。“カルナ”だ。エジソンに請われてな、協力をしている。」

『インドをの古代叙事詩“マハーバーラタ”に出てくる大英雄。強力な戦士として描かれているが、納得の霊基出力だね……』

(相当やる、気をつけるべきはコイツだな……)

 

 詳しくは理解できなかったけど、ロマンさんの話とヘクトールさんの表情が僅かに変わったことから特に強い人なんだと何となく思った。

 そして、一番目立ってるこの人は……

 

「キャスター!“トーマス・アルバ・エジソン”!

発明王でもあるが、今は大統王をしている!!」

「あ、歴史の弱い私でも知ってますが……その、ライオンの頭はしてなかったのですが……」

 

 まさに獅子の咆哮と言わんばかりの大声の自己紹介を受けつつ、一番気になってる疑問を口にすると、エジソンさんは自分の頭を指差しながら答えた。

 

「些細な問題だ、私の知性は獅子の頭になったところで何も変わらない。」

(そ、そう言う問題なの!?)

「さて、自己紹介も済んだ。話とは何かな?」

「根本治りょ」

『初めましてMr.エジソン。“ロマニ・アーキマン”カルデアの司令官をやってます』

 

 ナイチンゲールさんがマイペースのまま話をしようとした瞬間、ロマンさんが強引に話を割って入り込んだ。英断だ……と私も思わずにいられなかった。

 

「カルデアの!では時代外からの通信!素晴らしい技術だ、是非とも調べたい!」

『それはどうも、我々はこの時代に来たばかり。情報提供を願いたくてね、まずは聖杯についてだけど何か知ってることはあるかい?』

「自明だよ、我々は持ってない。つまり、敵が持っているということだ。」

「あ、じゃあ東部が……けど、あの槍を持った人達は一体?」

「彼らは“ケルト”だよ。」

「ケルト?」

『“ケルト神話”のことだね。物語として残るのはアイルライドを舞台にしたものが多い。戦士、或いは勇士とも言われるが、なるほど彼らの姿が前時代的なのも頷ける。彼らはケルトの戦士なのか。』

 

 私的にはあまり馴染みのない話だけど、ロマンさんやエジソンさんの反応を見るにそのケルトって人達が現れているのは間違いないようだ。

 

「奴らはこの時代に突如現れ、侵攻を開始した。英霊に至るまでではないが、それでも神話の戦士。この時代のアメリカ軍はなす術もなく敗れさった。

そこで私が呼ばれた、アメリカを救えとね。」

「あ、それで王様になった、と言うことですか?」

「この国難を退けるには大統領を超える権限、体制が必要だった。故に大統王!

そうして私の指導の下、戦況は互角へと戻った!大量生産において私が負けるはずない故に!!」

(近代化された兵器群や機械化歩兵は、エジソンの発明か……)

「だが問題が一つ、ケルト側にもさーゔぁが存在する。これに手を焼いており、君達にも協力を願いたいと思っているのだ。」

「つまり聖杯を使って時代を乱しているのは東のケルト軍で、エジソンさんはそれを止めようとしている……」

「…….ケルトを倒すことには同意したいです。ただ……」

 

 私の脳裏に、私を庇ってくれたおじさんの姿が映り問いかけてしまう。

 

「普通の人たちを、戦わせています、よね?」

「………先日の開戦のことだね。」

 

 静かにエジソンさんは語り始める。

 

「アレは私にとっても不本意、本来なら一般の兵士は後方で機械化歩兵の支援に徹する。それが前線指揮官の暴走によって、あの様な無謀な突撃が行われてしまった。

反省している、二度とあんなことは起こすまい。」

(……嘘は、ついてるとは思えない。つまり、あのおじさんは本当は支援役のはずだったけど、強引に戦わされたってことで、エジソンさんはそんなことを起こさない様に反省してるわけで……)

「あ、はい……わかりました。それなら協力を……」

「お待ちなさい。」

 

 私が協力を同意しようとした時、ナイチンゲールさんが手を差し込んで静止を呼びかけた。

 

「その“指揮官”はどうしました?」

「え、どうしたか、って……」

「………」

 

 私は戸惑いながらエジソンさんの顔を見ると、険しい表情をしながらゆっくりと答えた。

 

「……再教育センターで“思想の再教育”を行っている。」

「思想の、再教育?」

「そうとも。

国家団結、市民一軍、老若男女、分け隔ての無い国家への奉仕。安心したまえ天使、いずれ民間人の犠牲は無くなる。全ての“国民”が“兵士”へと変わり、機械の鎧を身に纏う無敵の兵団となるからだ。」

「そ、そんな……」

 

 そんなの洗脳と変わらない、そう言おうとしたら今度はヘクトールさんが間を割ってきた。

 

「ま、戦争だ。キレイゴトは言ってられませんよ。特に防衛戦は。

それで、ケルトを潰して聖杯を手に入れて時代を修正すると方針としては」

「いいや、時代は修正しない。」

「……はい?」

「え……」

 

 私もヘクトールさんも、エジソンさんの予想外の答えに言葉を失う。しかし、構わずエジソンさんは話を続けた。

 

「聖杯を使えば、この国だけを焼却から守れることがわかった。生前から愛国者だった私には非常に魅力的だ、ましてや大統王になった私には。アメリカだけが生き残り、私の発明がアメリカに永遠の繁栄を齎す、これほど素晴らしいことはない!

まぁ、他の時代、他の国家は滅んでしまうがね。」

「そ、そんなのダメに決まってます!」

『いや、“今”だけでも手を組むのはアリだ。ケルトの殲滅が第一だからね。彼と向き合うのはそれからでもいい。』

 

 マシュが激昂しながら反対するのに反して、ロマンさんは淡々とした口調でそう提案する。

 

「合理的だな、構わんよ。それで君はどうかな?」

 

 エジソンさんの視線が私に刺さる。

 

「少女よ。見たところ、君が持ってるのはエレキギター……ロックミュージックを奏でるか。素晴らしい、確か未来のアメリカ発祥の音楽ではないか。

私と手を組めば、手厚く歓迎することを約束しよう。ああ、大統王専属のロックミュージシャンにもしようか。最高級の設備、機材、マネージャーなどなど君が望むものを幾らでも提供しよう。故に聞きたい、君の答えは?」

 

 それは私には魅力的な提案だった、だって私がギターに手を伸ばしたのは“みんなにチヤホヤされたい”という願望からだから。

 エジソンさんはどのネームバリュー、ましてや大統王のお墨付きなら一気に人気者に駆け上がることだって現実になるのかもしれない。そうだ、私“だけ”なら満足できる選択と決断が突きつけられている。

 

「………」

 

 私は視線を落とす、そして触れているギターが目に入る。そうだ、もう私は一人じゃない、一人じゃないんだ。

 

「……お断りします。」

 

 私はもうひとりぼっちじゃない、結束バンドのギタリストでもあり、カルデアのマスターなんだから。私一人だけ満足する未来なんて、もう要らない!

 

「……幼い反発だ、非合理だ。」

 

 失望に満ちたエジソンさんの声、だけどそれを遮る様にナイチンゲールさんが返す。

 

「いいえ、よく言いました後藤。こう言う目をした長は、必ず全てを破滅に導くものです。

そうして最後には無責任に宣うのだ!『こんなはずではなかった』と!」

「……君まで弾劾するか、ナイチンゲール嬢!ならば、カルナ君!」

 

 直後、カルナさんが槍を構えたら彼の周囲に火が発生した。その光景は美しくもどこか残酷さを感じさせる。

 

『炎状の魔力放出!?更に霊基出力が上がるのか!?』

「交渉決裂ね!前に出ますよ、マシュちゃんは援護を……」

 

 そう言いながらヘクトールさんとマシュが、カルナさんの前に出ようとした時だった。

 

「!?」

「なんだね!?」

 

 私達の周囲で爆発が発生した、しかもエジソンさんも困惑してる様子からこの場の誰も知らないことの様だ。

 

『爆発!?ケルト兵か!?』

『て、敵襲!敵襲ー!!所属不明のサーヴァントが2騎出現!我々では太刀打ちできません、応援をーっ!!』

「ケルトではないな、例の奴らか。」

「私が行くわ、カルナは残って。」

(例の奴ら?)

 

 私たちもエジソンさんも知らない、もう一つチームが?そう思ってたら、私の頭上に大きな影が差し込んだ。見上げると……

 

(トラック!?猛スピードでカルナさんに突っ込んで……)

 

 しかし、槍が閃いてその腕が振るわれただけでトラックが二つに割かれた。

 

(両断!?あんな容易く!?)

「む……」

 

 二つに割れたトラックは、直後に大爆発をした。

 

 

「っ!」

「この機は外せませんな、逃げますよ!」

「あ、はい!だけどどこに……」

 

 ヘクトールさんにそう答えると、不意に私の脳内に声が聞こえた。

 

『案内する、付いてきてくれるか?』

 

 その声は全く聞き覚えのないものだった。はっきり言って怪しい、だけど……

 

「……はい、わかりました。」

 

 エジソンに反発した以上、今はここにはいられない。なら、もうこの声に従うしかないと思い私たちは導かれるままにこの場から撤退した。

 

 

 

 

 

 

 そして、謎の声に導かれるまま走り続けていると、気がついたら森林地帯に私たちはたどり着いた。

 先頭で走っていたヘクトールさんが足を止めて振り返る。

 

「追ってくる気配はないですね……もう大丈夫でしょう。」

「ハァ、ハァ……さっきの声の人、居ますか?」

「………」

 

 私がそのままそう呟いた直後、まるで応えるかの様に目の前から褐色肌の男性が現れた。

 

(こんな近くに!?全く感知できなかった)

「あ、あの、助かりましたがあなたは?」

「ジェロニモ、キャスターのサーヴァントだ。」

『ジェロニモ!アメリカなら、彼が呼ばれるか』

「あ、その、どういう人なのですか?」

『アパッチ族、それはネイティブ・アメリカンの一部族の“精霊使い(シャーマン)”であり、何十年もアメリカ合衆国……いや“白人社会”と戦い続けた戦士だ。』

「今は“アメリカ”を生かさんとしてるがね、皮肉な話だ」

(お、思ったよりも重い歴史の話だ……)

 

 何とも気まずい気持ちに、私はなってしまった。そして続けて、マシュが問い掛ける。

 

「アメリカを……ケルトではないということですか?」

「もちろん、アメリカが東西で分かれているのは知っての通りだ。だが召喚されたサーヴァントの全てが東西どちらかに与しているわけではない。

ケルとは元より、エジソンの思想を良しとしない者はすくなくないからだ。」

「そう、ですよね……あのやり方に賛同少なくとも私はしたくないですし……」

「……つまり、オタクらは“第三勢力”ってことかい?」

「二つに比べれば、あまりに小規模だがね。」

「私達を助けたのは仲間を求めてですか?」

「……それもあるが……」

「……なんです?」

 

 ジェロニモさんの視線が、ナイチンゲールさんに向けられる。

 

「フローレンス・ナイチンゲール、治療を頼みたい英霊がいる。」

「行きます、今すぐ案内しなさい。」

 

 

 

 

 

 暫くして、ジェロニモさんに案内されてスウィートウォーター群の辺境にあるテントが並ぶ場所へと辿り着いた。

 その中の一つのテントを、ナイチンゲールさんが開ける。そこには胸から血を流した、オレンジ色の男の子がいた。

 

「来たか…….待ちくたびれたぞ……」

「すぐに治療を!!マシュ!助手を頼みます!」

「ハ、ハイ!」

「我々は邪魔にならないよう席を外そう。」

「あ、は、はい……」

 

 そうしてナイチンゲールさんとマシュが少年の治療を行い、私とヘクトールさん、そしてジェロニモさんはテントの外で待機することとなった。

 

「“剣の英霊(セイバー)”真名は“ラーマ”。

インドの叙事詩「ラーマーヤナ」の主人公だ。」

「あ、インドってカルナさんって人と同じですね……」

「万全の状態であれば、カルナとも5部の戦いをするだろう。“第三勢力(われわれ)”の中では間違いなく最強だ。」

「そんな最強の人が、何であんな状態に?」

「パッと見ではいくさきず、とはいえあの激しさはよっぽどの相手にやられたんでしょうなぁ……」

「それはいずれ話そう。それにしてもだ、エジソンの提案を断った時は驚いたよ、君は随分と肝が据わっているな。

「あ、いや、あれはつい口走ってて……」

「………」

 

 つい私は正直にそう答えてしまい、ジェロニモさんは無言ながらも呆れた表情をしていた。ただ、同時に思ったことを更に続ける。

 

「その、専門的に知ってるわけじゃないのですが……エジソンさんの話は、頭の悪い私でもそれなりに知ってて……あんな人を使い捨てする様なことをしたり、アメリカ以外の国を犠牲する様なこと、言ってほしくないなと思って」

「___なるほど」

「にしても、無茶しすぎですがねぇ」

「あ、はい、すみません……」

 

 同じくヘクトールさんの口調からも、私の無茶に対して呆れていたことが伝わる。

 

「……その、冬木で、初めて行った特異点で大切なことを教えてくれた英霊がいるんです。『その向こう見ずさを忘れるな、そういう奴にこそ星の加護ってヤツが与えられる』と。私、そのフレーズはこれからも大事にしたいなと思ってるんです。」

「そいつはご立派で、なんて英霊なんです?」

「あ、はい……クー・フーリンって方です。」

「____」

 

 私がその名前を出した瞬間、ジェロニモさんの纏う空気が凍りついた感じがした。

 

「その名前は……」

「マスター!ジェロニモさん!」

 

 直後、テントから飛び出だマシュの声が差し込まれた。

 

「こちらへ!婦長が呼んでます!」

 

 そして、私達がテントに入ると婦長さんがジェロニモさんへと問い掛ける。

 

「彼は何を受けたのです?心臓が半分抉られ、治癒して萌えげられた状態に戻っていく。まるでその状態こそが、正常とでもいうかの様に。

今のままでは治せません、もう一度聞きます。彼は何を受けたのです?」

「………」

(ジェロニモさん、凄く答えにくそうな顔を……)

「………“死棘(しきよく)の槍”だ。

ケルトに語られる伝説の朱槍。放てば必ず心臓を破壊するという“呪い”を帯びた槍にラーマは貫かれたのだ。」

「ケルトの……」

「呪いの朱槍……」

「“呪い”……オカルトは好みません。どういった対処ができますか?」

「槍の持ち主を倒せばいい、だがその持ち主こそがケルト軍を支配する“王”。つまりは時代を歪める原因、我々の最終目標だ。」

 

 その王を倒さないとラーマさんやアメリカの原因も解決しない、ということ?なら……

 

「あ、あのその人の名前……マシュ?」

 

 そう聞こうとした瞬間、マシュが私の腕を掴んだ。まるで、それ以上はいけないと止めるかの様に。

 だけど、ジェロニモさんが容赦なく言葉にする。

 

「君がさっき出した名前だよ。」

「………………え?」

「呪いの槍の名は“ゲイ・ボルグ”。その槍を振るう勇士を、我々は一人しか知らない。ケルトの太陽神ルーの息子にして、アルスターの時代最強の戦士。アイルランドの光の御子」

 

 ジェロニモさんが淡々と語る逸話、そして私自身が言ったという事実がもはや誰を指し示しているのはもう言うまでもない。

 

「その“堕ちたる姿(オルタナティヴ)” 狂王クー・フーリン」

 

 冬木で私を導いてくれた、クー・フーリンさんがこの特異点での敵と判明したのだった。

 

 

 

 

 

「狂王クー・フーリン、それがケルトを率いる者であり、ラーマに死棘の呪いを与えた者だ。」

 

 ジェロニモさんが語る真実に、私の心臓が激しく動き私の頭を凍り付かせる。曰く堕ちたる姿(オルタナティヴ)。理屈では別人とわかる。だけどそれでも、恩人であるクー・フーリンさんが敵として現れるなんて……

 

「そ、そんな……クー・フーリンさんが敵?どうして、そんなことに……」

「味方だった奴が敵になる、よくあることだ。その“逆も然り”」

 

 そう言葉を差し込んできたのはヘクトールさん。そうだ、そう言えば私たちの前に現れたヘクトールさんも……

 

「それで“マスター”」

 

 オケアノスでは敵だったわけで

 

「“これから、どうします?”」

 

 このアメリカの大地では、私達と共に歩む“契約”をした“メンバー”なのだから。

 

 

 

 

 

 

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