ギターヒーロー、人理修復へと旅立つ   作:ヘル・レーベンシュタイン

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今回は原作通り、小休憩なお話です。


第九話

 

 

 

 

「ん……」

 

 ふと、目が覚めると私は気絶してしまったことを認識する。そして頬から伝わる感触があり、それがマシュさんの膝だと理解し即座に飛び起きた。

 

「あ、あぁぁぁぁぁぁ!ごごごごめんなさいマシュさん!あ、その、マルタさんとの戦いは……」

「聖女マルタは撃破されました、先輩のおかげです。」

「あ、いや、私はそんな大したこと、え、えへへへへ……」

「ふふ、先輩ってすごく顔に出ますよね……ただ、その……」

 

 すると、不意にマシュさんの顔が俯いた。何かあったのかな?

 

「せ、先輩はその、ジャンヌさんのことを、ちゃん付けと呼んでましたよね……」

「え、あ……そう、でしたね……」

「いえ、特にこれといった理由はありませんが……」

 

 と、目を逸らし心なしか頬をふくまらせてる様な感じだった。そうだ、マシュさんは私の最初のサーヴァントなのに、私のバカバカゾウリムシ!呼び方に差が出てしまってたら、そりゃ不満に思うわけで……なら……

 

「あ、その、あまり気にしないでください……マシュ。」

「っ!は、はい先輩!」

 

 よかった、急に呼び方を変えたら驚くかなと思ったけど、気に入ってもらえた様で安心出来た。

 すると、通信機の音が間を割ってロマンさんの声が聞こえた。

 

「二人ともお疲れ様だ、一騎を倒し幸先がいい。このまま順調に特異点解決も進めそうじゃないかい?」

「あ、はい……」

 

 ……何やらお菓子を食べながら機嫌よさそうに話していた。本当にそうならいいけど、と思ってるとジャンヌちゃんが口を開いた。

 

「いえDr.ロマン、そう都合良くいかないでしょう。あと、食べながらのお話は行儀が悪いかと。」

「う……そうだね。あの大きな黒い竜を何とかしないといけないし。」

「それについてですが…」

 

 ジャンヌちゃんは、マルタさんを倒した直後に彼女からいろいろ情報をいただいた様だ。まず、黒い竜の真名は“ファヴニール”というらしく、竜の中でも最上種らしい。だから例え単純に仲間もを集めたところで、勝てる保証はかなり薄い……と思ってた。

 

「勇者ジークフリート、伝説においてファヴニールを倒した、最優の竜殺し。彼もまた、このフランスに召喚されている。」

 

 と、ジャンヌちゃんはマルタさんから聞いたらしい。無論、罠の可能性があるが信じたい様だ。彼がいる場所はリヨンという街。

 仮にも敵から聞いた情報、安易に信じてピンチに陥るリスクもあるんだろう。

 

「……行きましょう、リヨンへ。ジークフリートさんに会い、こんなことをすぐにでも終わらせに。」

 

 私は覚悟を決め、そう言い放った。内心自分でも驚いてるけど、不思議と気持ちはまっすぐな感覚だった。

 

(初めて見る、先輩のこんな表情……)

 

 この私の決断を機に、私たちはリヨンへと向かい始めた……

 

 

 

 のだったけど。

 

「残念なことに、リヨンにはすでにジークフリートはいませんでした。どうやら、何処かへと移動した様で、ここから二手に分かれましょう。」

「あ、はい。」

「ですがその前に、今日はここで一泊しましょう。つまり、ここをキャンプにとします!!」

 

 ジャンヌさんの判断のもと、私達はリヨンの近くの茂みでキャンプをすることとなる。

 が、サーヴァントのみんなが準備している中、私のみ身体検査をテントの中で行うこととなった。

 

「い、いいんでしょうか、こんなことしてて……」

『いいさいいさ、君の身体の検査もしたかったし。』

 

 戸惑いながらも、私はダヴィンチちゃんから通信機越しに検査を受けていた。大部分は治っているようだけど、まだマルタさんとの戦闘の影響で麻痺している箇所がある。

 やはり、無茶をするとそのしっぺ返しは必ず来ると痛感してしまう。

 

「な、治るんですか?」

「もちろん、身体が慣れてないだけだからね。慣れさえすれば多くの英霊とも契約可能となるが、現状はあと一騎だ。それ以上はコストの限界を超える、これは流石に守ってくれよ?マシュを心配させたくないだろう?」

「あ、はい……わかりました。」

 

 ニヤニヤと笑いながら言うダヴィンチちゃん、釘を刺さないと無茶して更に契約すると思ったのだろう。

 実際、今以上のピンチになったら手段として手を伸ばしてたかもしれないし……

 

「さて、後はそのまま横になってくれ。回復も早まる。」

「あ、はい……では、少し眠らせてもらいます……」

「その間、私が小話でもしよう。」

「……あの、私眠るって……」

「まあ聞きなよ、話の肝はなぜフランスが特異点になったのか?だ。」

 

 そう言えばその辺りをちゃんと考えなかったな、そう思いダヴィンチちゃんの話に耳を傾けた。まるで学校の授業を聞いてる様な気持ちになるものの、結構簡単に纏まってたからある程度頭に入った。

 つまるところ、フランスが特異点になったのはフランスが滅べばこの時代から300年後に生まれる『人権宣言』が成立せず、歴史の土台が崩れるから。しかしそれ以降は眠ってしまい、頭に入れることはできなかった。

 

 

 

 そして、仮眠から目を覚ますと……

 

(か、帰りたいッ!)

 

 夕食前にマリーさんが女子会をしようと言い始めようと言い始め、断れる空気感ではなかったので私も参加する羽目となった。

 何すればいいんだろう、マシュさんも戸惑っているし。そ、それなら…‥私のオリジナルソングを……

 

「その、女子会とは何をすれば?」

 

 が、その前にマシュが話を切り出してくれた。直後にマリーさんが手を叩き、微笑みながら言葉を返す。

 

「ノン!大丈夫よ、楽しくお話しするだけだから!」

 

 などと言ってくれた。が、正直その“お話し”をすると言うのが私的には重すぎるんだけど……

 

「ねぇエリー、話してくださらない?生前の恋の話とか。」

「生前…は、結婚してたけど、今の私はその前の姿だし……でも一度だけあったかな…ここじゃない何処かで……」

 

 エリザベートさんが照れくさそうにそう話、その次に話したのはジャンヌちゃんだった。

 

「私も力を取り戻したついでに、記憶も少し戻って……その、はい。とても恋しい人がいます……」

(お、お二人が今まで見たことない顔を……これが、恋バナ!これが女子会!何だかドキドキします……)

「ヴっ」

 

 そしてついに、私はこのキラキラした空気に耐えきれず倒れ込んでしまった。

 

「マ、マスター急にどうしたのですか!?」

「青春コンプレックス発動……」

 

 ビクビクと痙攣し体が揺れる、ダメだまるでついてこれない……だって、恋なんて経験ないもん。男性との出会いなんて、お父さんや学校の先生以外にほぼ記憶がない……

 

「マスターしっかりしてください、ここで死んではなりません!」

 

 ジャンヌちゃんが肩を掴んで揺らすものの気持ちは晴れない。だって、過去の人間である英霊までもがこんなふうにキラキラと恋バナをするなんて……

 やっぱ、現代の女子高生もこんなふうなのが当たり前なのかな?サンダーバードくらいの希少生物なのでは……

 

「私が、私がフランスのサンダーバードです……」

「マスターが顔面を崩しながら、妄言を言い始めました!」

「大丈夫です、マスターはいつもこんな感じですので。」

 

 慌てるジャンヌちゃん、その一方で慣れたのかマシュは冷静にそう言ってた。すると、間を割る様にマリーさんまで混ざってきた。

 

「落ち着いてください、カルデアのマスター。良ければ貴女も恋を始めてみてはどうです?」

「そうですよ、確か近代では恋活というものもあるという知識もあります。一緒にやってみましょう?」

「はい、先輩も良ければ……」

 

 マリーさんがそう提案し、ジャンヌちゃんとマシュが笑顔を浮かべながら手を差し伸べてくれた。

 だけど……

 

「e733333333!!!」

「マ、マスター!?急に体と言葉が崩れ始めましたよ!?」

「しかもこの言語、どこか不吉さを感じさせます!!」

 

 た、タダでさえ根暗で孤独なサンダーバードの私が……わ、私が恋活なんて始めて上手く行くわけない。

やってしまった、顕現してしまう!恋愛敗北ビースト…!!

 

『出会いくれー!……であいくれー!……デアイクレー!』

 

 心の中の恋愛敗北ビーストが暴れ狂い、黄昏の空を眺めながら私は思う。

 

(私には、ギターさえあればいい……)

『………スター………マスター!恋活は良いから意識を戻してください!』

「はっ!?」

 

 脳内の世界から意識を取り戻し、ジャンヌちゃんが体を揺らしている姿が目に映った。

 

「フゥ、ようやく自我を取り戻せた様でよかったです。」

「すみませんマスターさん。無理に会話に入らなくて結構ですので、紅茶を飲みながらでも一緒にいてくだされればよろしいですよ。」

「あ、はい……」

「ではマスター、どうぞお座りください。」

 

 マリーさんにそう諭され、マシュさんが手を掴んで座らせてくれた。すると次に口を開いたのは、清姫さんだった。

 

「では今度は私の番ですね、生前は正に燃える様な恋をしました。」

(そう言えば、同じ日本人だけど全く知らない。)

「相手は安珍様という旅の僧侶の方。私は今でいう一目惚れをし、断られてしまいましたが安珍様は再会の約束をしてくれました。」

(少し悲しいけど、意外と純愛的な話かな?)

「ですが、安珍様は会いに来てくださらなかった。私を恐れて逃げたのです、嘘をつき裏切ったのです。」

(あれ?なんか、風向きがおかしくなってきた様な……)

 

 ジャンヌちゃんとマシュも、さっきまで微笑ましく聞いてた様子から不安げな顔に変わっていた。そして清姫さんの独白はまだ続いていく。

 

「だから私、追いかけました。追いかけて追いかけて、悲しみで怒りで憎しみで、いつの間にか私“竜”になってました。

そして追いついた先のお寺の鐘に隠れた安珍様を、竜の火炎で鐘ごと灼きつくしたのです。」

(バッドエンドだこれーッ!?)

 

 サラッと清姫さんが竜になるというとんでもない展開も挟まれてるし、私達は手で顔を覆うしかなかった。

 不満に感じたのか、エリザベートさんが清姫さんに喰ってかかる。

 

「それじゃないわよ!もっとポップでキュートなのにしなさいよ!!」

「失礼な!逃げ惑う安珍様は窮徒(キュート)でしたわ!!」

「マ、マリー……次は貴女のお話を聞かせせてください。」

「え、えぇ。では……」

 

 マリーさんがコホン、と咳払いをすれば清姫さんとエリザベートさんも落ち着いて話に耳を傾けた。

 

「私の初恋の話を……あれは私が7歳、彼がまだ6歳だった頃。シェーンブルンでの演奏会で、私達は出会ったわ。」

(1歳差とは言え歳下の子が相手なんだ。)

「緊張していたのかしら、彼は床に滑って転んでね。私が手を差し出すと、キラキラした目で見つめてこう言ったの。

“ありがとう、素敵な人。もし貴女のように美しい人に結婚の約束がないのなら、僕が最初でよろしいですか?”そう言ってくれたの、あんなにときめいたのは生まれて初めてだったわ!」

「キャーーー!!!」

「あ、アババババババ………」

 

 私以外の女性陣は、正に定番の黄色い声が挙がる。一方で私は青春コンプレックス再起動一歩手前、恋愛敗北ビーストが再顕現しかねない……

 ま、眩しい……眩しすぎる!こんな綺麗な運命的な出会いと告白なんて、17年近く生きた私に一度も無い。やはり恋活は、私の身に余る……

 

「それでそれで、彼とはどうなったの!?」

「それっきり何も、7年後には私は結婚してしまいました。でもね……」

 

 エリザベートさんのその問い掛けに対し、マリーさんはあっさりとした口調でそう答えた。

 あれ、意外なオチだ。だけど、マリーさんはまるで悪戯っ子のように笑みを浮かべながら言葉を続ける。

 

「その彼とはみんな、もう会ってるわ。」

「えっ」

「そ、それってまさか………」

「うふふ♪」

 

 

 

 

 そして、女子会を終え夜になると。

 

「へぇ、凄いね。豪勢じゃないか、どれも僕とマリアの時代にできた料理だ。」

 

モーツァルトさんは、テーブルに並べられた料理を見て感心した口調でそう言った。

 

「えっと、マリアって……」

「マリーのことさ、それよりもトマトがあるがこの時代にはないものだ。もしかしてカルデアから持ち込んだのかな?」

「あ、はい。そうですが……」

「ん?何だい君ら、僕を生暖かい目で見て…」

 

 側に視線を向けると、清姫さんとエリザベートさんがニヤついた顔でモーツァルトさんを見てた。恋愛敗北者ビーストな私も、流石に察する。

 そして、答え合わせの様にマリーさんが背後から言う。

 

「ごめんなさい、言っちゃった。」

「な、君まさかシェーンブルンのこと言ったのかい!?」

「ヒューヒュー♪」

「茶化すんじゃないぞ、ドラサーヴァンツ!!」

『見なよぼっちちゃん、あれが女に食い物にされる男の姿さ……』

(か、かわいそうだな……お父さんも昔、あんな感じに茶化されたことあるのかな……?)

 

ロマンさんのの言葉を聞き、私はしみじみとそう感じてた。

 

「大体なんで広めるんだ、断ったのは君じゃないか。」

「だって嬉しいんだもの、それにしかたないわ。婚約相手は自分で決められなかったし。」

(あ、そういえば歴史の授業で聞いた気がする。日本でも海外でも、貴族の人たちの婚約相手は自分の意思では選べないって。こんな形で実感するなんて……)

 

 モーツァルトさんとマリーさんの話を聞いて、昔習ったことをふと思い出す。しかし二人の話で、さっきまでの華やかな雰囲気が少しずつ変わってきてる様な気がした。

 

「それにその後の私の人生、知ってるでしょ?あれで良かったの断って良かったの。

だから貴女は音楽家として多くの人に愛され、その一方で私は愚かな王妃として命を終えた。」

「………それで良かったと?」

「私は人々を愛さず、国そのものしか愛さなかった。きっとフランスという国に恋してたのね。そんな風に思い上がったから、最後はあんな風に国民達の手で終わったのよ。」

「マリー……それは……」

 

 マリーさんの言葉に影を感じ、ジャンヌちゃんは不安げに呟く。実際、私もどこか不穏な空気を感じていた。

 

「何だそれ、馬鹿じゃないか君。」

 

 だけどそれを、モーツァルトさんのその一言が切り裂く。それに対して、エリザベートさんが不満の声を上げる。

 

「何よそれその言い方酷くない!?」

「落ち着いてエリー、それで馬鹿なの私?」

 

 マリーさんはエリザベートをそう制し、再度問いかける。

 

「とんでもない勘違いだ、だって君が何を愛したかは関係ないんだから。僕は知ってるぜ、民が君の結婚を祝福したことを。君の我儘に触れ回されつつも、愉快に賑わってた宮廷を。そんな君が尽くした民への献身を、それでも尚、君を転び畳の憎しみを……

だから違うのさ、君が国に恋していたんじゃない。フランスという国が君に恋をしたのさ。」

「……貴女の励ましはいつもわかりにくいわ。けど、うん、ありがとうアマデウス。」

 

 私もマリーさんに同意する、言葉が複雑で理解が困難だけどモーツァルトさんなりに励ましていたのだと察せられる。

 

「だけど憎しみは余計じゃない?フランスが私に恋をしてくれたのでしょう?」

「だからこそさ、愛と憎しみは表裏一体。故に簡単に切り替わるからこそ、フランスは君を愛して憎んだ。人間とは、そういうものさ。」

「……愛して憎んだ、人間はそういうもの。」

 

 モーツァルトの言葉を、マシュは繰り返す。私もその言葉に、不思議と重みを感じた。具体的な意味は理解できないけど、だからこそ強く染み込んだ気がする。

 だけど、その疑念を切り裂く様にモーツァルトさんが指を鳴らす。

 

「さぁ、難しい話はこれぐらいにしよう!食事を始めよう、そして時間を割いたお詫びに食事に合う曲も添えてあげるよ!」

 

 彼の背後から、楽器を握る天使……なのだろうか?兎に角そんな感じの人たちが現れた。

 

「さて、カルデアのマスターくん?せっかくの機会だ、共に演奏しよう。」

「え、あ、はい……って演奏!?」

「おいおい、そう驚くなよ。聖女マルタとの戦闘で、君が曲を鳴らしたのはちゃんと耳に届いてるとも。今回は特別に、演奏曲は君の慣れてるものでいいぜ?ギターを持ってるんだ、楽譜くらいはあるだろう?それを貸してくれ、僕は天才だから一目通せば出来るとも。」

「あ、はい……お願いします。」

 

 だ、ダメだ。断れる空気じゃない……マシュやジャンヌちゃんだけでなく、何故かエリザベートさんまで目を輝かせて見ている!

 なのでやむを得ず楽譜を渡す、選んだ曲は文化祭の一曲目である“忘れてやらない”だ。それを受け取ったモーツァルトさんは、感心した様な顔を浮かべ……

 

「OK、わかった。それじゃあ始めよう!」

 

 モーツァルトさんがタクトを握り、そして私と視線を交えてウィンクする。それに緊張を覚えるものの、ギターを構えて頷く。

 そしてモーツァルトさんのタクトの動きに合わせ、私と天使達の楽器から流れ出すメロディ。流石にボーカルがいないから歌声はないものの、それを凌駕する曲の旋律が夜空と森を彩っていた。

 

(す、凄い!楽器も時代も違うはずなのに、ブレを一切感じさせない演奏。そして私の演奏をしっかりと支えつつ、違和感なくアドリブで支えている。本当にこの人、天才音楽家モーツァルトなんだ!)

 

 視線をモーツァルトさんに向けると、自信たっぷりにタクトを振りつつ私に笑顔を向けてくれた。

 

「す、凄い……聖女マルタとの戦闘の時もそうでしたが、マスターは本当にギターがお上手なんですね。」

「やるじゃない、良いマスターをカルデアは持っているわね。」

「私は音楽にあまり明るくありませんが、聞き心地のいい曲なのはわかりますわ。」

「あ、は、はい……」

 

 

 ジャンヌちゃん達がマシュにそう言って、そして本人はどこか照れくさそうにそう返していた。なんだかんだ、みんな私達の演奏を楽しみながら、食事を交えて笑顔を浮かべていた。

 良かった、良い時間になりそうで……

 

(だけど先輩……何処か……)

「………」

 

 だけどその最中、マシュとモーツァルトさんの私に向ける視線に少し影を感じたのだった。

 

 

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