牙狼なのにホラーの出番が少ないと思ったそこの貴方!
全くもってその通りでございます。
でも今回は風牙にも出番あります。
ある日の夜、風牙そこそこな大きさのケースを持っては人目のつかない廃工場に足を踏み入れていた。
別にこの廃工場に来ることが目的ではない。此処はあくまで人目につかない場所を探していた時に偶然見つけた廃工場なのだ。
そして周りを確認し人がいないと分かると、風牙は持っていたケースを開ける。
その中には魔法陣の様な物が描かれた紙があり、風牙はその紙を地面に置くと、その紙に魔戒剣を突き立てる。
すると紙に描かれた魔法陣が光だし、紙から門が現れた。
「…帰るのは久しぶりですね」
風牙はそう呟くと現れた門を開け、その中に入って行く。
そして門を潜るり終え出口を抜けると、目の前には不思議な光景が広がっていた。
彼が出たのは街のとある建物の屋上なのだが、そこから見下ろした先では、人間と、人間でない異形…ホラー達が仲良く暮らしていたのだ。
ある人間とホラーは共に買い物をしたり、またある人間とホラーは共に遊んだりと、これがあたかも普通と言わんばかりの光景が広がっていた。
「よし、今日も『ガロシティ』は平和ですね。…さてと、そろそろ行かねば…」
そう呟くと風牙は、街の人々やホラー達にバレないように隠れながらとある場所へと向かった。
そうして暫く進んだ風牙は、ある場所の目の前で立ち止まった。
その先には城があった。
全体の色が白く、思わず見惚れてしまうほどの美しい城だった。
そして風牙はその城の中へと入ろうとする。
『「止まれ」』
すると、城の門番に止められる。
その門番も、片方が人間もう片方がホラーであった。
『「身分証を拝見させてもらう」』
そう言われた風牙は、黒いカードを見せる。
『「っ!お帰りなさいませ!道外風牙騎士団長!」』
「…毎回言ってますけど、そんな畏まらなくても…」
そしてカードを見せられた門番は、急いだ門を開閉し風牙はその中へと入っていく。
城の中に入った後、風牙は中央にあるエレベーターに乗り最上階へと向かっていた。
そしてエレベーターが止まり、最上階に着くと風牙は真っ直ぐ進み、大きな扉がある部屋の前に着いた。
すると扉は、風牙がきたことを察知したのか、すぐに開き始めたのだ。
そして風牙はそのまま進むと、中央で膝をついた。
「お久しぶりです。メラシア様」
『…えぇ、久しぶりですね、道外風牙騎士団長。数ヶ月振りくらいになりますかね…?」
目の前にいたのは、豪華絢爛な椅子に腰掛けている美しい女性だった。
その女性は、髪は白く、スタイルも抜群で、普通の男なら誰でも虜になるであろう容姿をしており、純白のドレスに身を包んでいた。
彼女こそ、新魔界派の王『メラシア』である。
そしてそんなメラシアの側には、タキシードを身に纏う顔立ちの良い男だった。
「言霊様も、お久しぶりです」
『お久しぶりです、風牙くん。また一段と成長しましたね』
彼の名は『
『さて、風牙騎士団長。あなたがここに来る少し前に送っていただいた手紙で、貴方がここにきた理由はだいたい察しています』
「はい。…今回のコカビエル討伐の件。私も参加させていただきたいのです。勿論、私の正体がバレてはいけないのは重々承知しています。…ですが!」
総力強く発言した風牙だったが、メラシアから出た言葉は意外な物だった。
『構いません』
「…え?」
『構いませんと言ったのです。貴方があの町をどれだけ大事にしているかは分かっています。それに…』
そしてメラシアは微笑みながら言った。
『いつも真面目すぎる貴方の、始めたの我が儘ですからね。『祖母』として、貴方の我儘を叶えてあげたいのです』
すると風牙は少し顔を赤くする。
「ちょっ!ちょっとメラシア様!公共の場では騎士団長と読んでくださいとあれほど…!」
『おやおや、此処は公共の場ではありませんよ。それに貴方と私、それに言霊しかこの場にはいませんから、いいじゃありませんか♪』
「…そ、そうは言っても…」
「それに、私は他に気になることがあります」
メラシアはそう言うと、一通の手紙を手にした。
『この手紙に書いてある『姫島朱乃』さんについて、詳しく教えてくれませんか?』
「えっ!?」
『あぁ、それは私も気になりますね』
「言霊様まで!」
それから暫く、風牙は朱乃との馴れ初めなどを吐かされ、それが終わるまで帰れないのだった。
ザルバ『力とは、使い手によって印象が変わる。善人が使えば人を助け、悪人が使えば人を傷つける。それが力と言う物だ』
次回、司教
力を手に入れた時、お前達はどう使う?