めっちゃ面白かったです!
「フリード、何をしている」
突如現れたバルパーはフリードに問いかける。
「じいさん!この訳の分からねぇトカゲくんのベロが邪魔で逃げられねぇんスよ!」
「そうか、まだ聖剣の使い方が十分では無いか。ならお前に渡した『因子』をもっと有効活用してくれたまえ。体に流れる聖なる因子を出来るだけ聖剣の刀身に込めろ。そうすれば自ずと斬れ味は増す」
「へいへい!」
そう言われたフリードが聖剣を力強く握り込めば刀身に白く輝きだすオーラが集まり益々聖剣が輝き始め、フリードはそのままラインを切り落とした。
「お、やりぃ♪」
「『アスモダイ』、お前も力を貸してやれ」
『…了解』
バルパーに『アスモダイ』と呼ばれたフードの人物は、指で空中に円を描き出した。
「なっ!?」
「あれって…!」
「嘘だろっ!?」
匙だけは分からなかったが、前にあれを見た一誠達三人は知っていた。
アレが、魔戒騎士の鎧を召喚する円と酷似していることに…
そして次の瞬間、描いた円は輝きだし、アスモダイは鎧を身に纏った。
しかしそれは、武や胡座が纏うような美しい鎧ではなかった。
禍々しく、頭のフルフェイスには骸骨のような顔に山羊の様な大きな角が生えており、鎧を纏うというより、鎧その物へと変化したような姿をしていた。
そしてその手には、禍々しい剣が握られていた。
『俺の名は『魔獣騎士』アスモダイ。まぁ覚えなくても良いがな』
自身を魔獣騎士と名乗ったアスモダイは、次の瞬間一誠達の元へと一瞬で近づく。
「皆んな!」
「行かせませんよっと!」
みんなの元へ向かおうとした祐斗だったが、フリードの聖剣での攻撃を前に防戦一方となっていた。
そしてアスモダイは一誠に向かって剣を振り下ろした。
「させない…!」
が、剣が振り下ろされる寸前に小猫がアスモダイの顔を思いっきり殴りつけ、一誠はギリギリで剣を躱した。
少しは効いたかと思っていた一向だったが…
『…何だ、お前が相手してくれるのか?』
鎧のような物には傷一つついておらず、それどころかアスモダイは小猫の腕を掴んだ。
「っ!」
『…ほぅ、良い顔をしているじゃな』
「その手放せお前ぇ!」
すると今度は一誠が、神器で殴りつけようとする。
『しつこい奴だ』
アスモダイは剣を持っている方の手で一誠を切りつけようとするが、匙の神器が出すラインを腕に巻きつけられた。
「よし!これでお前の力も吸い取ってやる!」
『…馬鹿が』
力を吸い取ろうとした匙だったが、次の瞬間アスモダイはラインを匙ごと思いっきり引っ張り、向かってくる一誠にぶつけた。
「ガッ!?」
「グハッ!?」
かなりの勢いでぶつけられた為か、二人はその場に倒れ込んだ。
「!イッセー先ぱ、グッ!?」
一誠達を心配していた小猫だったが、アスモダイは今度は小猫の首を掴むと、小猫の顔を自分の顔に寄せた。
『うーん、良いなぁ。未だ小さいし成長の兆しはあるが…まぁ、今食っても問題ないだろう。いい加減人間の女は飽きてきた所だしなぁ』
するとアスモダイは、フルフェイスの口の部分を開け舌を出すと小猫の頬に舌を這わせる。
『っ!チッ!』
が、次の瞬間アスモダイは小猫を地面に投げつけた。
「ガハッ!?」
突然地面に投げつけられたことで受け身を取り損ねた小猫は口から少し血を吐いたが、そんな彼女にアスモダイは剣を向けた。
『そうか、お前『そう言う事』か…ッチ!期待させやがって!お前まだ食えないじゃないか!他の奴らならまだしも、『女として』食えないんじゃ俺には意味ねぇんだよ!』
何故かキレ始めたアスモダイは口元を拭いながら剣を振り下ろそうとする。
『はぁ…食う気失せたし、もう良い。死ね』
「っ!」
「小猫ちゃん!」
「搭城さん!」
「小猫ちゃん!」
叩きつけられたダメージで逃げることができず、他の者達も、一誠と匙はまだ動けず、祐斗はフリードの相手で手一杯。
もうダメかと小猫は涙を目に溜めながら目を瞑った。
「おいおい、女性に対して死ねはないんじゃないか?」
ガギィィン!
そのセリフと同時に、何かと何がぶつかった様な鈍い音があたりにこだました。
そして小猫が恐る恐る目を開けると、そこには…
「悪い、素体ホラーが思ったより多くてな、ちょっと…いや、かなり遅れちまった」
紅の鎧を身に纏う騎士が小猫相手に振り下ろされた剣を青龍刀で受け止めていた。
『ほう、貴様は…』
「初めましてだな。『七大罪の魔獣騎士』が一人、ホラー『色欲のアスモダイ』。俺の名は蛇崩武…炎刃騎士ゼンだ!」
ザルバ『報連相って大事だよな。それを怠ると痛い目にあうんだぜ』
次回、仕置き
この体だと痛みがないから、そこだけは有難いぜ