ハイスクール牙狼《GARO》   作:エルドラス

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今回は牙狼が活躍します。

この後設定しなおしますが、牙狼の設定にはオリジナルのものもあります。

それではどうぞお楽しみください。


金色失いし騎士

深夜、此処は駒王町の路地裏。

 

普段なら昼間であっても誰も通ろうとしないこの路地裏に今宵は人が通っていた。

 

しかし、その様子はとてもおかしなものだった。

 

「はぁ!はぁ!はぁ!助けて!助けてぇえ!」

 

その人物は男性で、右腕を反対の手で抑えながらよろよろと、まるで『何か』から逃げているようだった。

 

そしてその右腕からはポタポタと血が滴っており、その顔は恐怖で引き攣っていた。

 

そんな男の後ろを別の誰かがついて行っていた。

 

その人物は女性で、一言で言えば美しかった。

 

その容姿はその辺の女性どころか女優ですら嫉妬してしまいそうなほどの美貌だった。

 

しかし、その美貌も彼女の左腕を見てしまえば恐ろしく感じてしまうだろう。

 

何故なら彼女の右腕は、異形の化け物のように変化していたからである。

 

白くドロドロと何か液体のようなものを垂れ流しており、その指先は暗く鋭い爪のようになっていた。

 

その女性は、逃げている男性を笑顔で追いかけていた。まるで狩でもしているかのように、ゆっくりと獲物を追い込むのを楽しんでいるように…

 

そして、とうとう男性は追い詰められてしまった。

 

路地裏の行き止まりについてしまったのだ。

 

もう何処にも逃げ道はない。唯一の退路には自分を追ってくる彼女がいるのだから。

 

そして、男性に追いついた彼女は、ゆっくりと右腕を上げ彼に指先を向けると、その指の先から白い液体を出しそれを男性の足元に掛けた。

 

すると、男性の足に掛かった白い液体はすぐに固まり、男性は本当の意味でその場から動けなくなった。

 

そして、彼女は更にゆっくりとこちらに近づいてくる。

 

「う、うあぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

もうダメだ。自分はここで殺される。

 

男はそう思い目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

しかし、いくら待っても痛みは彼を襲わなかった。

 

恐る恐る目を開けるとそこには、背後から剣を刺され、剣が貫通した腹を抱えながら苦しんでいる彼女の姿があった。

 

『う、うぐっ、だ、誰だ!』

 

彼女はそう言って振り返るが、その瞬間に彼女は右のこめかみを思い切り蹴られて横に吹っ飛んでいった。

 

そしてそこにあったドラムなどを薙ぎ倒しながら倒れ込む。

 

そして男性は彼女を蹴り飛ばした人物を見る。

 

その人物は青年で、黒いロングコートを羽織っており、右手には髑髏のような指輪をはめていた。

 

すると青年は男性の足元の白い物を剣を突き立てて砕いた。

 

「早く逃げて!」

 

青年のその言葉を聞くと、男性は一目散にこの場から逃げ出した。

 

青年が男性が逃げたのを見送っていると、倒れていた女性が勢いよく立ち上がった。

 

それを見て青年…道外風牙の右手の指にはめられている指輪…『ザルバ』が言葉を発する。

 

『風牙、奴の名はギルバディ。若い男を狙って食うホラーだ。先程の白い塊を見るに、恐らく蝋燭を(ゲート)にして現世に出てきたんだろう』

 

「成程、通りで彼女から蝋燭の火を消した後と同じ独特の匂いがする訳ですね」

 

『…貴様、魔導輪に私にダメージを与えるその剣…魔戒騎士だな!』

 

彼女…ギルバディはそう叫ぶとその姿を変化させる。

 

身体中から白いドロドロとした液体を垂れ流し、頭から爪先まで蝋で包まれると、固まった蝋が砕かれ真の姿が露わになる。

 

目は真っ黒で、ギザギザの歯がびっしりと口からはみ出ており、手足の指先からは青い炎が常に燃え盛り、肌は全て白く歪んだ凹凸の模様が浮かび上がっていた。

 

本来の姿を表したギルバディは、指先から黒い炎を弾丸のように風牙に向けて放ってきた。

 

風牙はそれらの攻撃を全て走りながら避け、ギルバディの元へと向かう。

 

そしてすぐ側まで近づくと手にしている剣で斬りつける。

 

それに苦しむギルバディは腕を大きく振って風牙を殴ろうとするが、それをジャンプで族とそのまま飛び蹴りを顔にくらわせた。

 

そして距離を取ると、ザルバが風牙に話しかける。

 

『風牙、そろそろ決めねぇとグレモリーの奴らに気づかれるぞ』

 

「分かってますよ。ザルバ」

 

風牙はそう言うと、手にしていた剣…『魔戒剣』を天に掲げると、その場で円を描く。

 

すると描いた円は光り輝き、その円から何かが現れた。

 

その何かは、鎧だった。

 

そして風牙はその鎧をその身に纏った。

 

その鎧は人間の歴史にあるどの鎧にも当てはまらない独特の形状をしており、顔を覆うプレートアーマの部分は狼の顔に酷似していたが、顎の部分が漆黒に染まっており、その他腕の一部を除く殆どの色が漆黒に染まっていた。

 

『その姿…貴様まさか…牙狼!?』

 

そして風牙は、勢いをつけて地面を蹴るとギルバディの元まで一気に近づき、その胴体に剣を当てる。

 

「私の名は道外風牙、貴方達ホラーを討滅する定めを背負う…」

 

次の瞬間、風牙は一気にギルバディの胴体を真っ二つに切り裂いた。

 

その一瞬、鎧は全身が金色一色に輝いたが、すぐに元の色合いに戻ってしまった。

 

そしてギルバディは断末魔を上げる暇すらなく、その身は消滅した。

 

そして風牙は纏った鎧解除し、光り輝く円の中に戻す。

 

「…魔戒騎士です」

 

彼の名は道外風牙。人を喰らう魔獣ホラーを狩る定めと、最強の魔戒騎士の称号たる牙狼の名を継いだ若き魔戒騎士だ。




オリジナルのホラーの解説です。

ギルバディ:古くから怪談に使われた大きな蝋燭を門にして現世に現れたホラー。この蝋燭を神社から勝手に持ち出して友達と怪談話をする為に使用しようとした女子大学生に憑依した。

若い男の顔を恐怖に歪ませてから喰らう事を好み、その為に若い男を傷つけてから追いかけ回し自身の蝋で固めてからバリバリとその肉体を食らう。

武器は自身の身体から蝋で、飛ばして相手に纏わり付かせることで固めて動けなくする。ただしこの蝋は魔戒剣でなら簡単に砕ける。その他には両腕の指から青い炎を弾丸のように発射できる。
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