読者の皆さんはどうでしたか?
ヴァーリとの邂逅した次の日、今日は遂に授業参観の日。
自分達の親御さんに学校での、家で見せるのとは違う自分を見せる日。
しかし、そんな日を誰もが楽しみにしている訳ではない。
「……気乗りしないわね」
「えぇ、私もです……」
「「はぁ」」
風牙とリアスの二人はそう言いながらそれぞれの教室へと向かって行った。
何故二人がここまで気分が駄々下がりになっているかと言うと、リアスは自身の父グレモリー卿と、兄であるサーゼクスがくるのだと言う。
そして風牙は、この後来るであろう『義姉』の存在に頭を悩ませていた。
「大丈夫か風牙?」
そう聞いてきた武に、風牙は力なく答えた。
「えぇ、大丈夫ですよ。でも不安なことがあるとするなら、法師が来れないことであの人が暴走しないかですね。ハハハ」
「こりゃ相当心にきてんな…」
そんな少し鬱になっている風牙をよそに、席に座って本を読んでいた胡座の元にゼノヴィアが来た。
「胡座」
「ゼノヴィアか…どうした?」
胡座がそう言うと、ゼノヴィアは申し訳なさそうに頭を下げた。
「すまなかった。昨日は君のことを考えずに先走ってしまって…やはりいきなりは難しいだろう」
そうして謝罪する彼女に、胡座も少し気まずそうにはしていたがその謝罪を受け入れた。
「あ、あぁあの時のことか。別に気にしなくても良いよ。でもああ言う事は本当に好きになった人と…」
そう言いかけた胡座だったが、ゼノヴィアは徐にポケットから何かを取り出した。
「だから、まずはこれを使って練習しよう」
そこには、0.1mと書かれた小さな袋。
それは紛れもなくコン◯ームの袋だった。
「ポペー!?」
それを見た胡座は何処ぞの3人組の様な断末魔を上げながら椅子ごと後ろに倒れた。
勿論、クラス全員の視線が一斉にコン◯ームへ集まってしまった。
「ちょっとゼノヴィア、何してくれてんのさ!?普通そう言う物のは此処では出さない物でしょ!?TPOくらい弁えてよ流石に!!」
そうしてゼノヴィアに思いっきり物申していた胡座だったが、二人の男が彼に詰め寄った。
「楠神貴様ぁぁ!!転校してから数日でもう彼女を作るだとぉぉ!?ふざけるなよ貴様ぁぁ!!」
「イッセーの友達だから俺達にとっても盟友になると思ったが、お前は裏切り者だバカヤロォォ!!」
その二人の名は『松田』と『元浜』。一誠の親友の二人である。
胡座と武が転校して来た時に、一誠の友達ということもあってか少し仲良くなったのだ。
「おやおやー?楠神っちとゼノヴィアっち、まさか二人がそんな関係だったなんて驚きですよー」ニヤニヤ
そうニヤニヤしながら言ってきたのは、『
桐生のその発言に胡座は何とか反論しようとする。
「まっ、待ってくれ桐生さん!!僕とゼノヴィアは決してそんな関係ではないんだ!!」
「それで性交の予定だが…」
「もう君は黙っててくれ!!」
「……」ドヨーン
「……」ドヨーン
「親友二人が鬱になった件について…」
先程の件は授業を担当する先生が来たことで一旦落ち着いたのだが、風牙だけでなく胡座までも塞ぎ込んでしまい、武は頭を抱えた。
しかし、二人が鬱になろうとも授業は始まる。
今回は英語の授業であるため、悪魔である一誠、アーシア、ゼノヴィアが活躍することだろう。
なんせ悪魔にはどんな言語も理解できる力がデフォルトで備わっているからだ。
そう思っていた風牙達だったが、その予想は大きく外れた。
何故なら、授業の開始と共に先生からブロック状の紙粘土を渡されたからだ。
なぜ英語の授業でこれが配られたのだろうか。恐らくクラス全員が抱いているであろう疑問に答えるべく先生は嬉々として言う。
「いいですかー、今渡した紙粘土で好きなものを作ってみてください。動物でも良い、人でも良い、家でも良い。否、未知なる物でも良い。自分が思い描いたありのままの表現を形作ってください。そう言う英会話もある」
その先生の言葉に恐らくクラス全員はこう思っただろう。
『ねぇよ』、と。
「レッツトライ!」
しかし、どう思おうがこれが今回の授業なのだから、黙ってやるしかないだろう。
(思い描いた物、ですか…)
実の所、風牙はこう言う図画工作系の作業はあまりした事は無い。
物心ついた頃から魔戒騎士になる為の訓練や座学ばかりしていたので、こう言うことに時間を割く暇がなかったのだ。
気になった風牙は周りを少し見渡す。
クラスメイトはどんどん作っており、マスコットキャラクターを作る者もいれば、シンプルにAの文字を作る者もいた。
兎に角作らねばと、風牙は自分の好きな物を思い描こうとする。
ふと、風牙は巫女服姿の朱乃の事を考えていた。
(私が好きな物…と言うより好きな人は朱乃さんですし…)
思えば、あの頃は朱乃と自分が付き合う事になるなど、風牙は考えもしていなかった。
あれからもう約一ヶ月くらいになるだろうか。
自分がこうして図画工作に取り組める様になるなど、想像もできなかった。
それもこれも、彼女に…姫島朱乃に出会えたからだろう。
本当に、彼女には感謝しかない。
そんなふうに思考していた風牙だったが、突如先生に声をかけられた。
「ひょ、兵藤くん…道外くん…」
そう聞こえた先生の声で、意識を現実に戻した風牙は目の前の自分の紙粘土を見て言葉を失った。
そこに有ったのは、姫島朱乃の象(巫女服バージョン)だった。
何と風牙は、朱乃のことを考えている中で、無意識に手を動かし朱乃の像を紙粘土で作ってしまったのだ。
しかも彼だけではない。
何と一誠も同じようにリアスの像(全裸)を作っていたのだ。
そしてその像の出来栄えに、先生は感動からか涙を流していた。
「す、素晴らしい…!兵藤君に道外君!キミ達二人にこんな才能があったなんて…やはりこの授業は正解だった!また二人、生徒達の隠された能力を私は引き出したのです…」
二人の作品の出来栄えに感激しているが、彼は一応英語の教師である。
「頼む二人とも!どっちか俺の作品と交換してくれ!」
「誰が交換するか!!おとといきやがれ!!」
「申し訳ありませんが、私も交換は拒否します」
松田は涙目になりながら二人の作品どちらかと自分の作品を交換するように迫ったが、二人とも自分の作品を渡す気は皆無だった。
すると今度は、元浜が財布片手に交渉して来た。
「そんなゴミより俺は二人に5000円ずつ出すぞォ!」
「ならば俺は六千ずつ!!」
「私は七千円ずつ出すわ!」
「なら俺は八千円ずつ!!俺が今夜のお供にするんだ!!」
「一万円ずつ出す。まだまだ金はあるぜ」
最早この教室で行われているのは、授業ではなくなった。
今この教室で行われているのは、二つの美の女神の像を自分の物にせんとする者達の欲望渦巻くオークション会場と成り果てていた。
「…風牙の奴、何だかんだ楽しそうだな」
「そうだね。あんな年相応の表情をする彼は僕達でもあまり見なかったからね」
そんな光景を見て、武と復活した胡座は微笑ましく思っていた。
「良くできているわね」
「えぇ、本当にそっくりですわね」
お昼休みになり、教室から出て来た風牙、武、胡座、一誠、アーシア、ゼノヴィアは、自販機の前で偶然リアスと朱乃に出会い、朱乃とリアスは、それぞれ風牙と一誠が作った自分達の像を見て微笑していた。
「お前ら結局その像売らなかったんだな」
「ったりまえだ!!百万積まれても絶対売らん!」
「私も、こればっかりは手放したくないですね…」
武のその発言に、一誠は自信満々にそう言い、風牙も、硬い意志でそう言う。
「後は色を付ければ完璧じゃないかな?」
「そこなんだよ!!部長の美しく紅い髪!!艶やかな肌!!そしておっぱい!!俺に…今の俺にそれを表現できる塗装技術があるのか…!!」
「私も、今日は帰ったら色塗りを始めないと…絵の具とか艶出しの為の道具とかを後で買わないとですね」
『お前らいつから芸術家目指し始めたんだ?』
胡座の言葉に苦悶する一誠と風牙を見て、ザルバは少しばかり呆れていた。
すると、そんな彼らの元に祐斗が向かって来た。
「あら、祐斗。お茶?」
リアスのその問いに祐斗は首を横に振り、廊下の先にある体育館を指差す。
「いえ、何やら魔女っ子が『二人』、撮影会をしていると聞いたもので、ちょっと見に行こうかなと思いまして」
『魔女っ子?』
その返答に一誠達は首を傾げながら顔を合わせる。
が、風牙のみ、何やら冷や汗を流していた。
ザルバ『兄や姉の存在は頼もしく思う事もあるが、時に鬱陶しくも思う物でもある。特に、自分を溺愛している奴らとかはな…』
次回、義姉
あぁ、あの女が来るのか…次回はいつもより面倒臭くなりそうだぜ
R18のお話は書くべきか
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書いて欲しい!
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別に書かなくても良い