ハイスクール牙狼《GARO》   作:エルドラス

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まず最初に一言……投稿遅れてすみませんでしたぁぁぁぁあ!!(ジャンピング土下座)

バイトが忙しかったり千葉に行ってたり風邪を引いたらその風がぶり返したりしていたらズルズルとこの日まで投稿するのをサボってました。

本当に申し訳ございませんでした!!

これからもボチボチ投稿するのでどうぞよろしくお願いします。


僧侶

あの混沌を極めた授業参観の次の日、オカ研部員全員は旧校舎一階にある『開かずの教室』と呼ばれている部屋の扉前に立っていた。

 

その扉には『keep out‼︎』と書かれた黄色テープが幾重も貼られていた。

 

「ここにアーシアの他に、『僧侶』がいるんですよね…?」

 

実は昨日の夜に、リアスからオカ研のメッセージグループにもう一人の僧侶の紹介及び封印を解く事が記されたのだ。

 

もう一人の僧侶については、一誠とアーシアは存在を知ってはいたが会った事は無く、一番新しく入ったゼノヴィアも勿論、武も胡座もその存在を知らなかった。

 

因みに、風牙とザルバは朱乃から存在している事は聞いていたが、どんな人物かは聞いてはいない。

 

そして、リアスと朱乃が一誠の問いに答える。

 

「えぇ、さっきも話したけど今までは能力が危険視されて封印するように上から指示されていたの」

 

「でも今回、レーティングゲームやコカビエルとの一戦を経て部長が評価されたことでようやく解禁されたのよ」

 

そう言うと、リアスは封印を解いている間に語りかけるように話す。

 

「この部屋にいる子は一日中ここに住んでいるの。一応深夜には術が解けて旧校舎内だけなら部屋から出ていいのだけれど、中にいる子自身はそれを拒否しているの」

 

「ひ、引きこもりなんですか?」

 

一誠がそう心配するかの様に言うが、リアスは心配ないと言う感じだった。

 

「でも、悪魔稼業では私たちの中では一番の稼ぎ頭よ。パソコンを介して人間と契約を取る特殊なスタイルでね」

 

『パソコンで契約か…。ホラーもそうだが、人間の技術が進化すればするほど俺達みたいな人ならざる者も進化するのは世の常か…』

 

そうザルバが呟いてすぐ、リアスは封印を解いたドアノブに手を掛ける。

 

「…さて、扉を開けるわよ」

 

そして封じられていた扉を開くと…

 

「イヤァァァァァァァァァァアアアアアアアアッ!?」

 

「うっわ!うるせーっ!」

 

扉を開けた瞬間、中からとんでもない悲鳴が聞こえ一誠はあまりのうるささから耳を塞いで文句を吐露する。

 

が、リアスと朱乃の二人は慣れているのか溜め息を吐きながら中へと入っていった。

 

「ご機嫌よう。元気そうで何よりだわ」

 

「な、な、何事なんですかあぁぁぁ!?」

 

「あらあら。封印が解けたのですよ?もうお外に出られるのです。さあ、私達と一緒に出ましょう?」

 

「いやですぅぅぅぅぅぅ!ここが良いですぅぅぅぅぅぅ!外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃっ!」

 

「……アレ、大丈夫なんですかね?」

 

リアスと朱乃は部屋に入った後、この部屋の主を部屋から出るように説得していたが、主は全力でそれを拒否していた。

 

そしてその正体を確かめる為、風牙を先頭に全員は部屋の中へと入って行く。

 

その部屋は中は可愛らしく装飾されており、ハートの形をした小さい白テーブル、クマなどの動物のぬいぐるみなども置かれていた。そしてど真ん中には吸血鬼が入っていてもおかしくない棺桶が置かれていた。

 

そしてその部屋の奥にリアスと朱乃がおり、そのすぐ側に『僧侶』と思われる人物がいた。

 

その人物は赤い目と金髪ショートヘアを持つ『美少女』で、涙目になりながらその場にへたり込む様に座っていた。

 

「おおっ!金髪の美少女!やった!『僧侶』は金髪尽くしって事か!ヒャッホーッ!!」

 

「こいつ本当に最低だな」

 

「マジでね」

 

美少女を見た一誠は興奮からか鼻息を荒くしており、それを見た武と胡座はドン引きしていた。

 

しかし、そんな一誠の希望を打ち砕くような真実をリアスは口にした。

 

「一誠、この子は見た目は女の子だけど、紛れも無く男の子よ…」

 

「……へ?」

 

「女装趣味があるのですよ」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!?」

 

「ヒィィィィィッ!ゴメンなさいゴメンなさぁぁぁぁぁい!」

 

「…ザルバは気づいてましたか?」

 

『あぁ、アイツから感じる気配は男の物だったからな』

 

リアスと朱乃の発言に一誠は驚愕し、目の前の少年も半泣きになりながら再び叫んだ。

 

そして一誠は膝から崩れ落ち頭を抱えながらショックを受けていた。

 

「こんな残酷な話があって良いものか!?完全に美少女な姿なのに男だなんて!◯◯◯がついているだなんてぇぇぇぇ!!つーかなんで女装癖!?引きこもりな上女装癖ておま…誰かに見せるための女装ですかぁ!?」

 

「別に良いじゃないですか。服装なんて一人一人の自由でしょう?」

 

風牙がそう言って一誠を宥めようとするが、全く効果は無かった。

 

「だ、だ、だ、だ、だって女の子の服の方が可愛いもん!」

 

「可愛いもん!とか言うなあぁあぁあぁ!?クソっ!!野郎のクセにぃぃぃ!俺の夢返せ!俺は!さっきまでの俺は!アーシアとお前でダブル金髪美少女『僧侶』と言う夢を一瞬だけ見たんだぞ!?返せ!返してくれよぉ!俺の夢ぇ!」

 

「…人の夢と書いて、儚い」

 

「胡座、小猫に座布団一枚やって」

 

「分かった」

 

「小猫ちゃぁぁん!洒落になってないよォォォォォお!?そしてそこ二人!笑◯みたいな会話してんじゃねぇぇぇ!!」

 

そんな感じで会話をしていた四人だが、少年は恐る恐る口を開いた。

 

「と、とと、ところで、この方達は誰ですか?」

 

「貴方がここにいる間に増えた仲間よ。『兵士』の兵藤一誠、『騎士』のゼノヴィア、貴方と同じ『僧侶』のアーシア。そして…彼ら三人は悪魔ではないけれど、私達の大切な仲間の道外風牙、蛇崩武、楠神胡座よ」

 

リアスがそう風牙達を紹介するが、少年は涙目で怖がるばかりだった。

 

「お願いだから、外に出ましょう?ね?もう貴方は封印されなくてもいいのよ?」

 

「嫌ですぅぅぅ!!僕に外の世界なんて無理なんだぁぁぁぁぁっ!!怖い!お外怖い!どうせ僕が出てっても迷惑かけるだけだよぉぉぉぉっ!!」

 

リアスや朱乃が優しく諭すが効果は無く、風牙も目線を同じにして優しく話しかけてみる。

 

「一緒に外に出ませんか?私は君とお友達になりたいんです」

 

「そ、そ、そんなのいいですぅぅぅぅ!!ここが一番、落ち付くんですぅぅぅぅ!!僕のことなんてほっといてくださいぃぃぃぃ!!」

 

しかしそれでも少年は動こうとはしなかった。その態度にイライラしだした一誠が少年の腕を少々強引に掴んだ。

 

「…なんか腹立ってきたな、たく!部長が外に出ろって言ってるだろう!」

 

「イヤァァァァァァアアアアアッ!!やめてーーー!!」

 

すると次の瞬間、視界が一瞬白くなり辺りは静寂に包まれた。

 

風牙は一瞬眩しさから目を瞑ったが、すぐに目を開いた。

 

「今のは一体…!一誠くん?朱乃さん?」

 

しかし、すぐに周りの異変に気が付いた風牙は一誠や朱乃に声を掛けるが、まるで時が止まってしまったかの様に微動だにしていなかった。

 

「ええええええっ!?な、な、な、何でこの人は動けるんですかぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

すると先程の少年が困惑しながら叫んだ。

 

どうやら動ける人物は風牙以外には少年とリアスだけらしい。

 

「動ける?どう言う事ですか?」

 

風牙が少年にそう問うと、代わりにリアスがそれに答えた。

 

「その子は興奮すると、視界に映した全ての物体の時間を一定の間停止する事が出来る神器(セイクリッド・ギア)を持ってるの。でも、その子自身は神器(セイクリッド・ギア)を制御出来ないから、今まで封印されていたのよ。私は高い滅びの魔力のお陰で、風牙は恐らく黄金騎士の力を宿しているから効かなかったのね」

 

「つまり、時間停止の神器(セイクリッド・ギア)と言う事ですか?この子は一体…」

 

「この子はギャスパー・ヴラディ。私の眷属『僧侶(ビショップ)』。一応、駒王学園の1年生なの。そして、転生前は人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフよ」

 

 

 

 

 

 

 

「『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』?」

 

一誠の問いにリアスが頷く。

 

「そう。それがギャスパーの持っている神器(セイクリッド・ギア)の名前。とても強力なの」

 

「でも、時間を止められたら何にも出来ないし、反則に近い能力じゃないですか?」

 

「あら、イッセーの『倍増の力』と、白龍皇『半減の力』、風牙の『牙狼』、それこそ武や胡座の『ゼン』に『ガイ』だって充分反則級の力よ?」

 

リアスはそう言うが、それでも十分チートだと一誠は思った。

 

「さっきも言った様に問題はその神器を制御できないところ。それ故ギャスパーは今まで封じられてきたのよ。自分の意思とは関係無く神器を発動してしまうのが問題視されていた所なの」

 

「けどそんな強力な神器を持った奴を、よく部長は下僕に出来ましたね。俺は『兵士(ポーン)』の駒『七つ』使わなきゃ下僕に出来なかったのに…」

 

一誠の言う通りだった。風牙達魔戒騎士は知識でしか知らないが、悪魔に転生するためには悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を消費するのだが、転生させる相手が強力な力を持っていると、その分多く駒を消費するのだ。

 

それこそ時間停止などと言う強力な力を持つ者の転生に僧侶の駒一つで事足りるとは到底思えなかったのだ。

 

するとリアスは一誠のその問いに答えた。

 

「それは『変異の駒(ミューテーション・ピース)』のお陰よ」

 

「ミューテーション・ピース?」

 

「それは一体?」

 

「通常の『悪魔の駒』とは違い、明らかに複数の駒を使わなければいけない転生体が、一つで済んでしまったりする特異な現象を起こす駒の事だよ」

 

二人の疑問に祐斗が答える。

 

「部長はその駒を有していたのです」

 

朱乃も説明に参加し、祐斗が更に続ける。

 

「だいたい上位悪魔の10人に1人は1つぐらい持っているよ。『悪魔の駒』のシステムを作り出した時に生まれたイレギュラー、バグの類らしんだけど、それも一興としてそのままにしたらしいんだ。ギャスパーくんはその駒を使った1人なんだよ。因みに、部長はレアケースでもう一つ変異の駒を持ってるよ」

 

この時、もう一つ変異の駒を持っていると言う発言に風牙は目を細めた。

 

そして直ぐに、リアスが説明を続けた。

 

「話を戻すけど、彼は類希たぐいまれな才能の持ち主で、無意識の内に神器の力が高まっていくみたいなの。そのせいか、日々力が増していってるわ。―――――上の話では、将来的に『禁手(バランス・ブレイカー)』へ至る可能性もあるという話よ」

 

『成程な。危険な神器の上に所有者本人が制御ができない。オマケに禁手に至る可能性がありそうなれば手がつけられなくなる可能性がある。…仕方がなく封印するって手段を取ったわけだな』

 

ザルバがそう言うと、リアスはゆっくりと頷く。

 

「そう、危うい状態なの。けれど、私の評価が認められたため、今ならギャスパーを制御出来るかもしれないと判断されたそうよ。私がイッセーと祐斗を『禁手』に至らせた事のお陰かしらね」

 

一誠はライザーとの戦闘で未完成とは言え、『禁手』を発現、祐斗も『聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』を発動させることが出来た。それらのお陰でリアスの評価がグンッと上がり、その褒美がこれなのかもしれない。

 

「能力的には朱乃に次いで2番目なんじゃないかしら。ハーフとはいえ、由緒正しい吸血鬼の家柄だし、強力な神器も人間としての部分で手に入れている。吸血鬼の能力も有しているし、人間の魔法使いが扱える魔術にも秀でているわ。とてもじゃないけど、本来『僧侶』の駒1つで済みそうにないわね」

 

「あ、そう言えば吸血鬼は太陽の下では生きられないと聞いていたのですが、ギャスパー君はなぜ平気なのですか?」

 

「ギャスパーは太陽でも活動できるのは『デイウォーカー』と言う、日中でも歩くことが出来る能力があるの。それに彼は人間の血も引いているから無闇に血を吸う必要もないのよ」

 

「ヒィィィ!!血はダメですぅぅぅ!!レバーも生臭いからダメですぅぅぅ!!」

 

『こいつ本当に吸血鬼かよ…』

 

ザルバはもう彼に呆れ始めているらしい。

 

「・・・へたれ吸血鬼(ヴァンパイア)

 

「うわぁぁぁん!!小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅ!!」

 

「…なんか、すっごく不安です」

 

風牙はそう溜息をつくのだった。




ザルバ『鍛えることは良いことだが、無茶な特訓の仕方をしたら逆に体を壊すことになる。そうなったら本末転倒だよな』

次回、総督

あの野郎にまた会いそうだな

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