ハイスクール牙狼《GARO》   作:エルドラス

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いつも私の作品を読んでいただいている読者の皆様。

お久しぶりです。エルドラスです。

活動報告でも昨日載せましたが、2025年5月11日に、私の父がお亡くなりになりました。

本当は執筆中の小説が他にもあるのですが、ショックがデカすぎるので暫くは投稿する気も執筆する気も起きないので、楽しみにしてくれている皆様には申し訳ないのですが、また暫く休ませて頂きます。

今回のお話は前に書き掛けていたものを気力を振り絞って書いたものです。


過去

『ふぇええぇえええええぇええぇええぇえん!!』

 

次の日の放課後、旧校舎の開かずの部屋からギャスパーの大きな鳴き声が当たり一面にこだましていた。

 

そしてその部屋の前でリアス達が扉越しにギャスパーに話しかけていた。

 

「御免なさいギャスパー。イッセーと仕事をすればもしかしたら貴方の為になると思って…」

 

「…何があったんですか?」

 

「あぁ、実は…」

 

後から来た風牙は一誠から事情を聞いた。

 

どうやらあの後、イッセーが前に依頼を担当した人物にギャスパーを紹介したようなのだが、なんとあろうことか依頼人がギャスパー見て興奮してしまったようで、変態じみた顔をしながらにじり寄って来たそうだ。

 

それを見てギャスパーは恐怖のあまり二人を停止させてしまったのだという。

 

「…そ、それは何とも」

 

『そりゃ怖ぇわな』

 

「それに…あの子の過去も少し話しておくべきね。いいわよね?」

 

リアスがそう確認すると、ギャスパーは弱々しく『…はい』と答えた。

 

そしてリアスはキャスパーの過去を語り出した。

 

ギャスパーの生まれ、父親は名門である吸血鬼だが、母親は人間だった。

 

純潔を何よりも重んじる吸血鬼には人間の血が混じってるギャスパーは差別対象でもあり、腹違い…つまり母が吸血鬼である兄弟からは小さい時から虐められていた。

 

…何より、吸血鬼どころか人間からも異物扱いされ、居場所すらなかったと言う。

 

「……」

 

「仲良くしようとしても、少しの拍子で相手を停めてしまう。自分はその気じゃなくても相手にとっては恐怖の対象…そしてギャスパーはそれを何度も体験して、今に至ったと言うわけなの」

 

「そんな…」

 

その話を聞いた一誠は驚愕し、風牙も少しばかり曇ったような顔をしていた。

 

 

『ぼ…僕は…こんな神器いらない!!だ、だってみんな停まっちゃうんだ!!怖がる!嫌がる!僕だって嫌だ…!と、友達を…な、仲間を停めたくないよ…大切な人の停まった顔を見るのは…も、もう嫌だ…!』

 

ギャスパーはそう泣きながら訴えた。

 

「困ったわ…この子をまた引きこもらせてしまうなんて。これじゃ私は『王』失格ね…」

 

そうリアスは落ち込んでしまう。

 

「部長、これからサーゼクス様との打ち合わせがありますが…」

 

「そうね…けどもう少しだけ時間を延ばして貰うわ。今はギャスパーが優先…」

 

「部長、ここは私に任せてください」

 

朱乃がこれからの用事をリアスに伝えた後、少し考えて今はギャスパーを優先すると答えようとしたが、風牙はそれを遮るように提案する。

 

いきなりの提案に二人は目を見開かせるも、続け様に一誠も言葉を発する。

 

「俺にも任せてください!部長らにも大事な用事があるんですよね?せっかく出来た男子の後輩!ここで俺が何とかしなきゃどうにもなりません!」

 

「二人とも…わかったわ。あの子の事は二人に任せるわ」

 

「お願いね?…ギャスパー君の事。元気つけてあげてね」

 

二人はそう言うとサーゼクスの元へと向かってくのだった。

 

「ギャスパー君。私は君と色々話したい、いいかな?」

 

「あぁ。それと俺はお前が出てくるまでここから一歩も動かないぜ!」

 

そして二人は扉の前に座り込む。

 

『……』

 

それでもギャスパーは無言を突き通した。

 

それから3人は他愛もない会話をしていたが、ギャスパーは風牙と一誠からの質問に対して淡々と答えるだけだった。

 

『…どうして、風牙先輩やイッセー先輩は僕に構うんですか?』

 

すると今度はギャスパーが二人に対しての質問をした。

 

『こ、怖く無いんですか…?ぼ、僕は二人みたいに力を使いこなせなくてみんなに迷惑をかけてばかりで…』

 

「怖くねーよ。まぁ最初時を停めれるて聞いた時は驚いたけど、ギャスパーは別に悪い事に使おうと思ってないだろ?」

 

そう一誠が返した後、風牙も続けて言う。

 

「私はねギャスパー君。君と友達になりたいんだ。私が君に構うのはそれだけの理由だよ」

 

次に一誠が語る。

 

「それにさ、力を使いこなしてると言っても俺は…正直自分の神器が怖いさ。確かにこの手には最強のドラゴンが宿った神器を使ってるけど、俺は他のみんなみたいに凄い経験をした訳でも無い普通の男子高校生なんだよ。だからさ…」

 

一誠が自らの左手を見つめ、物静かに語る。

 

「…ドラゴンの力を使う度に普通じゃ無くなる自分が怖くなる。コイツを使う度に体の何処かが変わっていく感じがするんだ。悪魔やドラゴンの事…それにヴァンパイアの事だってまだ全然知らないしわからない、けどそれを理由に立ち止まりたく無いし、前に進もうと思う」

 

一誠がそう言い終わると、今度は風牙が話し出す。

 

「私ね、ギャスパー君。昔…牙狼の称号を受け継いだばかりの頃は、騎士団長として、自分が騎士団のみんなを引っ張らなければと思い詰めてましてね。無茶な事もたくさんしましたよ…」

 

風牙は魔戒剣を握りながら語り続ける。

 

「でも、ある日武や胡座に言われたんです。『何もかも自分一人で抱え込んでんじゃねぇ!』『悩み事を聞くくらいなら僕達でもできる』って、そうしたら少し肩の荷が降りました。その時に気がついたんです。辛いことがあったら相談していいんだって、助けて欲しいと思うことは悪いことじゃないんだってね…だからギャスパー君。助けて欲しい時は助けてほしいと言ってください。私たちは君を見捨てない。必ず助けますから」

 

「…でも、僕なんかが居ても皆に迷惑かけるだけで…」

 

ギャスパーはそう言おうとしたが、一誠がそれをすぐに否定する。

 

「俺はお前を迷惑だなんて思わねーよ」

 

「っ!?」

 

「大事な後輩で、悪魔の先輩で、そして仲間だからな!」

 

「勿論、私にとってもですよ」

 

ギィ

 

その言葉を聞いたギャスパーは部屋から出てくる。

 

「力を貸してくれギャスパー。俺と…いや、俺達と一緒に部長を支えようぜ!お前に怖いモンがあるなら、俺達が全部ふっ飛ばしてやる!!」

 

「でも…」

 

それでもギャスパーは怖いのかまだ一歩踏み出せない。

 

「俺の血飲むか?アザゼルの野郎が言っていた事がマジなら、俺の血を飲めば神器を扱えるかもしれないぞ」

 

「…怖いんです。生きたものから直接血を吸うのが、ただでさえ自分の力が怖いのに…これ以上何かが高まったりしたら…僕は…僕は…」

 

「ギャスパー君…」

 

「自分の力を制御出来ない自分が嫌か。ちょっと不謹慎だけど俺はお前の能力が羨ましいけどな」

 

「っ_」

 

「だって時間を停められたら最高じゃ無いか。俺がその神器を持っていたら大変な事になってたに違いない。きっとこの学園中の女子達にいかがわしい事をしていたいに違いない。そうだな…単純にその女子の時を停めてはスカートを覗き見していたな。そして…ぶ、部長の時を停めてお、オッパイをこの手で好きに…!!」

 

「一応助言しときますけど、やめた方がいいですよ。マジで…」

 

「…先輩達は優しいんですね」

 

「ま、まぁ私なら、目の前で襲われそうになったり危ない間に合いそうな人を助ける為にその力を使いますけどね…」

 

そんな二人の言葉を聞いたギャスパーは目を輝かせる。

 

「そんな風に言われたのは初めてです。羨ましいとか人を助けるために使いたいだなんて…」

 

すると次の瞬間一誠が大声で二人に声を掛けた。

 

「よく聞けギャスパー!風牙!俺には夢がある!それは…赤龍帝の力を部長のおっぱいに譲渡したい!」

 

「えぇ…」

 

『こいつマジか…』

 

一誠のその発言には風牙もザルバも少し引いていた。

 

「す…凄いですイッセー先輩!強大な神器を持っていながらそこまで卑猥に前向きに向き合えるなんて…ぼ、僕には到底及ばない思考回路ですが、何故だが少しだけ夢と希望を感じました!イッセー先輩の煩悩って勇気に溢れていますね」

 

「ギャスパー君、それは褒めているのか貶しているのかどっちなんですか?」

 

『多分あれ前者だろ』

 

風牙とザルバがそう言うと、ギャスパーは完全に扉を開けて一誠達の前に立った。

 

「ぼ、僕もなんだか! 少しだけ勇気が湧いてきたような気がします!」

 

「そうだろう、そうだろうとも!そして二人とも見よ!いいか、聞いて驚け!この右手はなぁ、部長のお乳を揉んだことだってあるんだぜ!」

 

その発言に、風牙はマジかよと言う表情をする。

 

「ほ、本当ですか?あ、主人でもある上級悪魔のむ、む、胸を揉むだなんて…イッセー先輩といると驚くことばかりです…」

 

「ギャスパー君、感心しちゃダメですよ。普通に言ってる事最低ですからね…!」

 

そう冷静にツッコミを入れる風牙であったが、ここで一誠から思わぬ反撃があった。

 

「そう言うお前はどうなんだよ風牙!お前朱乃さんと付き合ってるんだろ!だったらあの豊満なお乳を揉んだことあるんだろ!」

 

「んなっ!?」

 

「え…!ほ、本当なんですか風牙先輩…!あ、朱乃お姉様とお付き合いしてるって…!」

 

「え、えぇ、まぁ、少し前から…」

 

「流石二人とも、ギャスパー君とすぐに談笑出来るなんてね」

 

そうして話が少し盛り上がり掛けたところで木場が現れた。因みにこの時全員ギャスパーの部屋に入っていた。

 

すると何か良からぬ事を思いついたのか一誠は木場にも話をふる。

 

「木場、話がある」

 

「なんだい?イッセー君」

 

「俺と風牙とお前とギャスパーは男だ」

 

「なんですか突然…」

 

「まーよく聞け、俺はグレモリー眷属の男子チームで行える連携を考えた」

 

「ふむ…それは興味あるね。どう言うのかな?」

 

「まず俺がパワーを貯める、そしてその力をギャスパーに譲渡して周囲の時を止める。その間俺は停止した女子を触り放題だ!」

 

「最低です…流石に擁護できないですよ…」

 

「…ま、またエッチな妄想をしていたんだね。それはそうと、それはだけなら僕らの役目は無いんじゃないの?」

 

風牙が頭を抱え、木場がそう言うと一誠は物申す。

 

「いいやある。お前らは牙狼の力と聖魔剣で俺を守れ、もしかしたらエッチなことをしている間にも敵が襲来してくるかもしれない。いいか?チームワークは大事だ、俺が力を溜め、その力を譲渡してギャスパーが女子を停め、俺が堪能してる最中お前らが俺を守る。素晴らしいチームワークだ」

 

「イッセー君……僕はイッセー君のためになら何でもするけど…一度今後の事を真剣に話そうよ?力の使い方がエッチ過ぎる。ドライグ泣くよ?」

 

「そうですよ。このままじゃ無いはずの胃に穴が開きますよ。彼…」

 

『二人は良い奴だなぁ…牙狼の称号を継ぎし者…いや風牙…!お前は俺が見て来た魔戒騎士の中で一番いい奴だ!』

 

いい奴判定それでいいのか…!と、ザルバは思ったが口には出さなかった。

 

「なんだいなんだい!二人してそんな憐憫な眼差しを向けて!ええい!!こうなりゃ澄ましたお前らの化けの皮を剥がしてやる!!腹割って話すぞ!即ち_第一回『女子のこんな所が堪らなく好きだ選手権』!!まずは俺からだ!俺は女子のおっぱいと脚を見るね!!」

 

「酷い…会話が酷すぎる…」

 

「ま、まぁまぁ…付き合ってあげようよ」

 

そんな(酷すぎる)会話が始まったが、ギャスパーは少し震えながら段ボールの中に入ってしまう。

 

「す、すいません…ダンボールの中でもいいですか…?蓋は閉めないので、ただ、人と話すのはダンボールの中が落ち着くのです… あぁー…落ち着きますぅ。これですよぉ、ダンボールの中だけが僕の心のオアシスなんです……」

 

「そんなに良いんですね。ダンボール箱って…ん?一誠君何をしてるんですか?」

 

「あぁ。そんなに人と目を合わすのが嫌ならって、思いついたんだけど…」

 

すると一誠はその紙袋に二つの穴を開け、それをギャスパーの頭に被せた。

 

「こ、これは…」

 

「…おー」

 

そこには、薄暗い部屋に紙袋を頭部に被せた女装少年が誕生した。穴から見える赤い眼光がより一層雰囲気を立たせている。

 

「ど、どうですか〜?似合いますか〜?」

 

「す、凄い雰囲気出てますよギャスパー君」

 

「そ、そうですかぁ…?これを被れば僕も吸血鬼としてのハクがつくかも……」

 

(つく…かなぁ…)

 

そんなことを考えながらも風牙も今回の猥談に付き合うのだった。…因みに、風牙の女性の好きなところを聞かれると、「朱乃さん以外の女性にそういうのする気も考える気もありません」とさらりと良い、木場は一誠曰く「アイツもスケベであったか」との事だった。




ザルバ『誰にだって知られたくない事が必ずある。何故かって?知られたらみんな自分から離れると思ってんじゃねぇかな?』

次回、神社

でもだからこそ、そう言うことを話せる相手は本人にとってはとても大切なんだろうな。
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