ハイスクール牙狼《GARO》   作:エルドラス

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そろそろこの章も終わりに近づいてきました。


助言

何故こんなことに…

 

今風牙の頭はこの言葉一色に染まっていた。

 

理由は一つ、今彼は、自身の目の前に現れた人物…リアス・グレモリーに今からは問いただされているからだ。

 

そして風牙は少し前のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

朱乃と二人で話していたところに、彼女…リアス・グレモリーは突然現れた。

 

この事に風牙も朱乃も驚いていた。

 

(風牙、コイツはマズイぜ。もしリアス・グレモリーにお前の正体がバレたら大変なことになる!)

 

ザルバも今回ばかりはかなり焦っていた。しかしそれも当然だろう。風牙は『とある理由』から彼女を傷つけることは出来ない。もし正体がバレて戦闘ということになれば大変なことになる。

 

何とか穏便に済ませようと風牙は言葉を発する。

 

「え、えーと……グレモリー……さん?何故こんなところに…」

 

「へぇ……あくまでシラを切るつもりなのかしら?」

 

「…!?」

(まずい。何故かは分からないが火に油を注いでしまったようだ。…しかしこのオーラ、間違いなく『あの人の妹』なんだなぁ)

 

「貴方名前は…と言っても、道外風牙の名前を知らない人なんてこの学園にはいないでしょうけどね。…さて道外くん。私の朱乃を屋上に連れ込んで何をしていたのかしら?」

 

「リアス! 風牙くんはなにも悪くないわ!」

 

「(!?まさか名前呼びをするまだ進展してるのこの二人!)…あなたは黙ってて頂戴、朱乃。今は彼に聞きたいことが山ほどあるの。さぁ道外くん?ゆーっくり話し合い(尋問)しましょうか?」

 

(あ、私死んだ)

 

(こりゃまずいな)

 

 

 

 

 

 

「────と言う訳で、私は笛の音を聞いてもらっていただけなんですが…もう一思いにやってください」

 

「……」

 

もう風牙は腹を決めた。流石に殺されはしないだろうが、どんな目に遭わされるのだろうかと覚悟は決めていた。

 

 

「リアス、考え直して。風牙くんは悪い人じゃないわ」

 

「………ふぅ、そうみたいね。変な下心があるわけでもなし、確かに悪い人間ではなさそうだわ」

 

「だったら…」

 

「いいこと朱乃」

 

 

優しく諭すようにリアスは告げた。

 

「私たちは悪魔よ。人間とはなにもかもがかけ離れすぎている。気のいい友人としてなら別に構わないけど、もしそれ以上の関係になった時……どうするの?」

 

「それ以上の関係なんて……そんなのあり得ませんわ」

 

道外風牙と言う男は悪人ではない。むしろ、善人の部類だ。これは話を聞いていてリアスも理解できた。

 

しかし、だからこそ危険なのだ。彼と朱乃の関係は…

 

「そうかしら?でもあなた、彼と一緒にいる時すごく穏やかな顔してたわよ?……朱乃、これは主として、なにより友人としての忠告よ。あなたが誰と友人になろうが、そこは私が踏み込める領域じゃない。けどね、私達悪魔とただの人間に出来る繋がりがなにを意味するのか、よく考えて頂戴」

 

これは決して意地悪などではない。彼女は朱乃の事を思っているが故にこういう厳しい発言をしてしまう。

 

朱乃もそれは分かっている。だからこそ何も言い返せずに少し悔しそうな顔をしていた。

 

「さて……脅したりして悪かったわね道外くん」

 

「は、はぁ」

 

「朱乃、部室で待ってるわよ。……紅茶をよろしくね」

 

「………ええ」

 

そう言うとリアスは、紅色の長髪を靡かせながら屋上を去っていった。

 

最初と同じ二人きりに戻ったが、先程とは違い気まずい空気が流れていた。

 

「あ、あのぉ、朱乃さん大丈夫ですか?」

 

「…えぇ、大丈夫ですわ」

 

リアスの言うことは最もだった。

 

彼の正体を知らない朱乃からすれば風牙はただの人間だ。

 

悪魔と人間は決して相容れない存在。もし自分の正体に気づけば、彼はきっと自分を拒絶するし、二度と笛の音を聞かせてくれなくなる。そう思うと仲良くなろうとするのが急に怖くなった。

 

「あの…今日はこの辺でお開きにしましょうか?」

 

「…えぇ、そうするわ。ごめんなさいね」

 

「とんでもない。それに笛の音を聞いてもらうなら笑顔の方が嬉しいですしね」

 

「風牙くん…」

 

「だから笑ってください。その方が私も嬉しいです」

 

あぁ、彼はなんと優しいのだろう。朱乃はその優しさに救われると同時に、そんな彼を騙して繋がりを失わない用にしようとする自分に心底嫌気がさした。

 

しかし、どれだけ自分を嫌っても、彼との繋がりを無くしたくないという想いが残り続ける。

 

そして朱乃は一筋の涙を流し、風牙は彼女が落ち着くまで側で背中をさすってあげるのだった。

 

 

 

「ごめんないね。心配させちゃって」

 

「いえいえ、お役に立てたのなら何よりです」

 

あれから暫くして朱乃が落ち着いた為、朱乃は部室に、風牙は家へと帰って行こうとする。

 

「あの、朱乃さん!」

 

すると去り際、風牙は朱乃に声をかける。

 

「もし嫌な事があったら、私に話してください。少しなら力になれると思いますので…」

 

そう言う彼を見ると、朱乃は少し頬を赤くしながら笑顔で答えた。

 

「あ、ありがとう…風牙くん///」

 

「っ!?///」

 

その笑顔を見て風牙が顔を赤くしたのを見て、ザルバは頭を(抱える手は無いが)抱えた。




ザルバ『心ってのは難しいな。頭で考えている事とは逆のことを行動に移しちまうんだろ?それで嫌われちまうんだから面倒だよな』

次回、決意1

そろそろアイツ等に会えるかもな。
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