苦手な方は見るのをやめることをお勧めします。
太古の昔、人と人ならざる者との関係が深かった…そして争いが続いていた数万年前のこと…
地上に、天界に、冥界に、攻め入る異形が突如として現れた。
その者達は、『魔界』と呼ばれるこことは全く異なる世界から現れた怪物。
その名は『ホラー』
ホラーは、『陰我』と呼ばれる生物や無機物などの森羅万象の万物に宿るこの世の悲哀や憤怒、絶望や欲望などの邪悪な念を
そのせいで多くの種族が死に絶えたが、それも長くは続かなかった。
ある時、全てのホラーを従えるホラーの王『メシア』の妹である『メラシア』が反乱を起こした。
元々メラシアはホラーの中でもかなりの変わり者で、死んでゆく仲間にも墓を作って弔うなど、ホラーらしくない『優しさ』を持って生まれていた。
そんな彼女は、他者から奪い続ける同族の凶行を止めるために自分と同じ考えを持つホラーを引き連れてメシアと戦争を行った。
最初こそ劣勢に立っていたメラシア達だったが、少し前からメラシア達と友好関係を結んでいた不思議な術が使える人間、『魔戒法師』達と手を取り合い戦った。
たが、それでも戦力差は埋まらず、再び劣勢に陥った。
しかしある時、遂にメラシア達は人間がホラーに対抗できる様になる武器と鎧の開発に成功したのだ。
そしてその武器と鎧を身に纏う戦士を、ホラー達は『魔戒騎士』と読んだ。
メラシアは魔戒騎士だけで構成された騎士団、『魔戒騎士団』を結成させ、最後の決戦を開始。遂には魔界の半分を支配下に置いたのだ。
そして魔界に住むホラーはメシア率いる『旧魔界派』とメラシア率いる『新魔界派』に別れたのだった。
「これが、ホラーと魔戒騎士の始まりの物語です」
風牙が話した太古の歴史、それを聞いた朱乃は唖然としていた。
普通の人間、そう思っていた筈なのにそうではなかった。
それはとても驚くことだが、彼を騙しているのは自分も同じなので何も言えなかった。
「…私が悪魔だってことも、知ってましたの…?」
「……はい」
その返事を聞いた時、朱乃は暫く黙っていたが直ぐに口を開いた。
「…では、次は私の番ですね」
そして朱乃も話した。
自分は堕天使と人間のハーフだということ…
その堕天使を殺そうとした者達の手で、母を失ったこと…
あてもなく彷徨っていた時、リアスが手を差し伸べてくれたこと…
そうして自分が、リアスに仕えるようになったこと…
伝えるべき事実を、全て伝えた。
「…貴女にも、そんな秘密があったんですね」
風牙は驚いたいた。
彼女が悪魔である事はなんとなく察していたが、まさか堕天使と人間のハーフとは気が付かなかったからだ。
朱乃は震えていた。
自分の秘密を知って拒絶されるのではないかと。
幾ら彼がただの人間ではないと言っても、異種族のハーフなど簡単には受け入れられない筈だからだ。
「……貴女も、私と同じだったんですね」
「…え?」
私と同じ?どういう事だろうかと朱乃は不思議に思ったが、彼はその疑問にすぐに答える。
「私も実は、ハーフなんですよ。……『ホラーと人間の』…ですけどね」
「え……!?」
朱乃は驚愕した。
「私の場合は父が人間で母がホラーで、二人ともとても仲が良かったと聞いています。…まぁ、二人とも私が物心つく前に死んでしまったようですが…」
「……辛いと思わなかったの?その…」
朱乃は言葉が詰まった。
人を食らう怪物と人間のハーフ。心無い者たちから迫害に遭うであろうその生い立ちを聞いて朱乃は他人事とは思えなかったからだ。
「…受け入れられない人がいるとは思いますが、私自身がこの血筋を恨んだことはありませんよ」
「…どうして」
どうして貴方はそんなに強いのか…どうして貴方は自分話に流れる血を受け入れられるのか…
朱乃はなんだか自分が情けなくなって、目頭に涙が溜まった。
「…朱乃さん。私は貴女の気持ちを全て理解することはできませんが、それでも少しは分かってあげられるつもりです。それに、私が自分自身に思っているように、どんな血が流れていようが貴女は貴女です。少なくとも私はそう思っています」
「…どうして……どうしてそこまで言ってくれるの…」
「!?…それは…」
確かに、なぜ自分は彼女を励ましているのだろうか。どうして彼女の涙を見ると心が痛むのか。
———あぁ、そうか…私は———
そして風牙はその問いに答える。
「…好きだからですよ。貴女の事が…勿論異性として…」
「……え?」
朱乃はその答えを聞くと、暫く声が出なかった。
それはそうだろう。無自覚とはいえ初恋の相手に告白されたのだ。
言葉が出なくなるのも仕方がないというものだ。
「その……朱乃さんは…どうなんですか///…?」
風牙は顔を少し赤くしながら返事を待っていた。
「…私は…悪魔なのよ」
「はい。知っています」
「…堕天使の血が…流れてるのよ」
「私だって、ホラーの血が流れてますよ」
「…貴方に…嘘をついていたのよ」
「秘密にしていたというなら、私も同じです」
「私は…」
「…朱乃さん」
すると風牙は震える朱乃の手を取った。
「貴女が自分のことをどう思ってるのかは分かりません。でも、私が貴女のことを好きだと言う気持ちは本物です。……もう一度言います。…姫島朱乃さん、貴女のことが好きです。私と…付き合ってください///」
風牙は朱乃の目をしっかりと見て答えた。
そして朱乃は涙を拭くと、笑顔で答えた。
「私も…貴方のことが好きです。これからも、よろしく…お願いします///」
朱乃がそう答えると、二人はゆっくりと顔を近づけそのまま唇を重ねた。
ほんの軽く触れるだけの優しいキス。それでも二人には、充分過ぎる程の幸せが広がっていく。離れた二人は互いの顔を見合い、クシャリと笑顔を綻ばせる。
そんな二人を見てザルバは心の中で二人を祝福した。
(おめでとさん。二人とも…)
過去…そして『告白』
次章予告
ザルバ『これで風牙と朱乃の恋の物語は終わりだ。だが、これで全てが終わったわけじゃねぇぜ』
次章、月光校庭のエクスカリバー編
楽しみにしとけよ。
ちなみに次のお話は設定集にする予定です。
後、次回のお話でアンケートは終了します。
次に書く小説は何がいいですか?
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ハイスクールD×D×ガッチャード