ソードアート・オンラインー無限の蒼剣士ー   作:SHUSUKE.

1 / 4
はじめて書く作品です!
どんなことでも良いのでコメント頂けると嬉しいです。


プロローグ

2022年 10月23日 日曜日

都内ゲームセンター

 

 

「ステージ5クリア!ファイナルステージへ突入です!」

 

 後ろから2、3人からの拍手が少し聞こえる。そして横からはアニメの主人公のような、曇りのないまっすぐな声が聞こえた。

 

「お前ガンゲーだけなら絶対誰にも負けないな!結弦(ゆずる)!」

「ガンゲーだけってなんだよ。大樹(だいき)は体育と家庭科しかできないじゃん。」

 

  そう言いながら結弦と呼ばれる中学生らしき少年は、画面に出てくる大量のゾンビを次々と両手に持つ銃で倒していく。

  本来は2人で1つずつ銃を持ってプレイするゲームセンターによくある一般的なシューティングゲームなのだが、彼は1人で2つの銃を操っていた。

 

「…………あ、ラスボスだ…」

 

  小さな声でそう呟くとラスボスと言う名にふさわしい巨体のゾンビが現れたが、両手に持つ銃を自在に操り、画面に映し出された巨体の頭部に銃弾を次々と当てていく。

 

「ほんっとに両手利きってずるいよなー。その上器用だし。俺はどこにでもいる右利きだし…不器用だし…どーすればそうなれんだ⁈」

「そんなこと聞かれても困るんですが…」

 

  そんな話をしながらも彼の集中力が途切れる様子はなく、ボスのHPを少しずつ削っていく。3分ほどで自らはノーダメージのままラスボスのHPを0にした。

  結弦、そして大樹の後ろにはすでに10人近くの人が立ち見していて、ゲームクリアの文字が出ると同時に、その場の全員が両手に銃を持つ少年に拍手を送った。

 

「この会社のガンゲーはぬるいんだよねー。」

「俺はどう頑張ってもステージ3までしか行かなかったけどな…次の世界大会は結弦がぶっちぎりの優勝確実だな!」

「そんな大会は存在しません。」

 

  そんな会話を交わしながらゲームセンターを出た2人は、沈みかけの太陽がつくる赤い空の下を人混みの中、駅に向かって歩き出していた。

 

「そーいえば大樹、この前すごいゲームのβテスターに選ばれたとかなんとかって言ってたよな。それってどんなゲーム?」

「あー、それなら…」

 

  そう言うと大樹は駅前でひときわ大きく貼られているポスターを指差す。そして急に大樹のテンションが上がりだした。

 

「あれだよあれ!ソードアート・オンラインって言うゲームなんだけど、世界で初めてのVRMMORPGのゲームなんだぜ!茅場昌彦(かやばあきひこ)っていう天才が作ったんだけどさー!もうゲームの中にいるって感じじゃなくて、もう現実との区別がつか…」

「なー大樹、あの城は何?」

「お前自分から聞いといて全然説明聞いてねーだろ!まあいいや。あの城は浮遊城アインクラッドって言って、100層まであるでっかい城なんだけど、プレイヤーはあの城を舞台にしてプレイするんだよ。お、少しは興味わいてきた⁈」

「別にー。銃がなさそうだしね。」

 

  そうは言ったものの結弦は微量ではあるが、たしかにあの城に魅力を感じていた。

  だが銃を使うゲームが好きな結弦にとっては、剣のみのゲームなどはやる気にはならない。

 

「ま、結弦は銃だもんな。」

 

  そんな話をしながら改札を通り電車に乗りこみ2人で駅に降りるまで、大樹からの一方的なソードアート・オンラインの話と来週にある小テストの話がメインだった。

 

「ってことはこの前の授業で貰ったプリントやれば、どーにかなるってことか!」

「そう。あれ覚えれば大丈夫だよ。」

「おっけー!結弦、サンキューな!そんじゃー明日、学校で!」

「うん、また明日。」

 

(……浮遊城アインクラッドかー。ソードアート・オンラインってハードも必要だよな。たしか大樹、ナーヴギアとか言ってたな。絶対高いよなー。うーん……ま、買わないけど…)

 

  結弦は蒼波(あおなみ)と書かれた表札の自宅に着くまで、今日やったガンゲーよりも、来週の小テストよりも、買わないと思っていたソードアート・オンラインのことを自然と考えていたことに気づかなかった。

 

「ただいまー。」

 

 そう言うとキッチンから声がする。

 

「おかえり。結弦ー、お父さんが呼んでたわよー。」

 

  この人が結弦の母、蒼波真紀子(あおなみまきこ)。以前はOLだったが職場結婚をした末、現在は専業主婦をしている。

 

「はーい。」

 

  結弦はそう答えると、1階の奥にある父の部屋へ向かうために、自分の部屋がある2階へと向かう階段を通り過ぎようとしていた。

  そのとき、2階から可愛らしい少女の声が聞こえた。

 

「お兄ちゃーん!頼んでた漫画買ってきてくれたー?」

 

(…あ、やっべ…)

 

  結弦をお兄ちゃんと呼ぶこの少女は蒼波杏果(あおなみきょうか)。13歳で結弦の2歳年下の中学1年生の妹だ。結弦と同じく2階に彼女の部屋がある。

  結弦が今年受験を控えているという理由で休んでいる合気道を杏果もやっており、中学1年生にして上級生に遅れをとらず、全国大会まで行くほどの腕だ。

 

「ごめーん!忘れたー!」

「えーーー!まあいいや、ちょっとお母さーん、本屋行ってくるー!」

「はーい。暗くなってきたから気をつけてねー。」

 

  若干の申し訳なさを杏果に残しながら父の部屋へと向かう。

  そんな結弦と杏果の父は電子機器関係の会社に勤めている。名前は蒼波誠(あおなみまこと)

  優しい顔だがその反面、合気道の師範代という一面もあり、結弦と杏果とは親子の関係に加えて師弟関係というのも当てはまる。

 

「父さん、呼んだ?」

「おー、結弦か、先月に2等のミュージックプレイヤーが欲しくて父さんが雑誌に応募したやつあるだろ?」

 

  父は先月、前々から欲しかったミュージックプレイヤーが2等にあったため、雑誌をわざわざ3つも買ってきて応募したのだ。そしてなぜか父はこういった類の運にはめっぽう強い。

 

「あー、なんか祈りながらハガキに住所とか書いてたやつね。そんで当たったの?」

「いや、外れちゃった。でもその代わりって言っちゃおかしいんだけど、特賞が当たっちゃったんだよね。」

「ほんとに⁈ 大当たりじゃん!なにが当たったの⁈」

「ゲームなんだけど、ソードアート・オンライン?とか言ったかな?結弦知ってる?」

 

(うげっ…このタイミングでよりによってそれか…)

 

「…うん、少し聞いたことある程度だけど…それで、どうして呼んだの?」

「父さんあんまりこういうの得意じゃないから結弦にあげ…」

「いりません。」

 

  結弦は父の言葉を半ば強引に遮り断った。

  受験を控えているということもあるし、なんせ銃がないゲームなのだ。興味がまったくないというわけではないのだが。

  結弦はその後、他に用事がないことを確認すると部屋から出て行こうとする。

 

「そうか。なら会社の友人に譲るぞー。」

 

  結弦は父のその言葉を部屋から出ていった後に聞き、廊下で急に足取りが重くなった。

  大樹の話だとソードアート・オンラインは1万台しか販売されないらしい。

 

 ”あの城が目の前にある。”

 

  そのことが頭の大部分を占める中、結弦は気が変わらないうちに階段を小走りで上がって自分の部屋に向かい、あのゲームを思い出さないようにお気に入りの漫画を開く。しかしガンゲーで鍛えられた彼の集中力もあっけなくゲームに持っていかれるのだった。

  その後、自分の部屋に向かった時同様に早歩きで父の部屋へ向かいゲームをくれと頼んだことは、大樹には絶対に秘密にしておこうと決めた結弦だった。

 




さっそくオリキャラ登場です。

蒼波結弦(あおなみゆずる)

今作の主人公。中学生3年生でガンゲー好き。
学校の成績は上の中。力にはさほど自信がないが、両手利きで常人離れした器用さの持ち主。その器用さを武器に合気道を6歳からやっているが、受験生の為お休み中。


八雲大樹(やぐもだいき)

結弦の幼馴染。とても明るい性格の持ち主。
学校の成績は下の中。運動神経が良くサッカー部に所属していた。9月に引退してからは結弦と同じ塾に通い受験勉強をしている。大樹と違って不器用。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。