ソードアート・オンラインー無限の蒼剣士ー 作:SHUSUKE.
2022年 11月6日 日曜日
塾
「よーし!これで勉強も終わり!やっと家に帰れる!塾を午前中に入れたのもこのためだし、楽しみだなー。結弦も楽しみだろ⁈」
「まぁふつーかなー…」
「もっと盛り上がれって!俺がコツとか教えてやるから最初から敵とかガンガン倒しちゃおーぜ!」
「大樹、張り切りすぎだって…」
昨日の夜、結弦が正式サービス開始が楽しみで2時を過ぎても寝れなかったことを大樹はまだ知らない。
「1時開始だよな!ちゃんとぴったりにログインしろよな。」
「大樹、それ言うのもう3回目だよ…」
「あれ、そうだったっけ?」
2人は教室を出てエレベーターに乗る。受付で書類を出した後、合格実績などが貼られたポスターだらけの自動ドアから外に出た。
「そんじゃ結弦、また後でな!ゲームの中で!」
「りょーかい。後でね。」
この時点ですでに時間は12時を過ぎており、塾は家から徒歩で着く距離なので、結弦は携帯でSAOの情報を再確認しながら家に向かった。
(…基本的なことはもう大丈夫だし、あとはソードスキルだけか…よし。)
結弦が帰ると家にいたのは、リビングでテレビを見ながら笑う杏果1人だけだった。
「杏果、父さんと母さんは?」
「お父さんは仕事でお母さんならさっき、買い物しにでかけたよー。」
「そっか、そんじゃー俺は今からちょっと寝てくる。」
「はーい、おやすみー。」
結弦と杏果は仲が良い。中学生にもなると男女の兄弟は仲が悪くなるという例もよくあるが、この兄弟はそれにあてはまらない。
「杏果、ちゃんと宿題やっとけよー。」
「後でやるー!」
「やらないなあの様子じゃ…」
そう呟くと結弦は自分の部屋に入り、時間がちょうど12時30分なのを確認し、ソードアート・オンラインのハードとなる、ヘルメット型のナーヴギアを手にとってみる。
このナーヴギアが感覚器官を介さずに、直接脳に五感信号を与えて仮想世界を作るらしい。
ナーヴギアは脳から体への電気信号もシャットアウトするため、ゲーム内でいくら動いても実際の体はピクリともしないそうだ。
「この機械ほんとにすげーな…」
機械の性能のすごさを改めて感じた結弦は、1時までの30分間を当然ゆっくり待つこともできず、先週買った雑誌を取り出す。
世界初のVRMMORPGのソードアートオンライン。その特集として、ナーブギアをはじめとしたフルダイブ用マシンの設計者にして、SAO開発ディレクターである茅場昌彦にインタビューしたという内容だ。
雑誌には細かい字でインタビュー内容が書かれていて、見出しとして大きくこう書かれている。
『これはゲームであっても遊びではない。』
結弦はこの言葉の意味を理解できなかったのだが、茅場は天才の中の天才のため、自分にはとうてい理解できない深い理由があるのだろうと解釈していた。
そんな雑誌を眺めているうちに、結弦にとって、ソードアート・オンラインの世界に行く全てのものにとって、ものすごく長く感じられた30分が終わろうとしている。
(…30分がいつもより長く感じる…)
ナーヴギア以前から人の五感情報を直接脳に送るフルダイブシステムはあったのだが結弦は今回が初体験だ。それ相応の緊張があるのか、じんわりと汗をかきはじめた。
これ以上汗をかく前に始めてしまおうと思い、ナーヴギアを被り電源を入れる。
大きく深呼吸し高まる鼓動を抑えようとするが収まる気配はない。
いつになく気持ちが高ぶっている15歳の少年はその言葉を最後に、現実世界から剣の世界へと旅立った。
「……リンクスタート!!…」
今回は文字数が前回と比べて少なめです。
そんでもって、次話は文字数が多くなりそうです。笑
ばらばらですみません。