アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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102話 やっぱ逃げられそうに無いわ

 

 

転移門を使えば数秒で王城へ到着するが、大立ち回りして疲れた為 少し休憩も兼ねて馬車に揺られる事にした

 

 

「カヅキ? おい、カヅキ? 起きろ」

 

「んご? あん? 」

 

「・・・お前、寝起きの人相が悪いぞ?」

 

「ひでぇ・・・ん? 」

 

 

自分が思っていたより疲れていたのか移動の馬車で居眠りをしてしまいナズナに起こされ言われてしまったので、素で返し数秒し自分の状況を思い出し、内心 少し焦りつつ

 

 

「んん、申し訳ありません ナズナ殿下」

 

「いや構わない、アレだけの戦闘後だしな?」

 

「ありがとうございます」

 

「ナズナ殿下、到着致しました」

 

「あぁ ご苦労」

 

 

咳払いをして繕いナズナに謝罪すると、彼は微笑み 私の頭をポンポンと撫でてくる 赦された様だ、良かった良かった

 

そんなやり取りをしていると王城に到着したらしく、ダーカンが馬車の外から声を掛けてきたので、ナズナが返事を返す

 

それから私が先に降りて周囲を確認してからナズナを下車させると

 

 

「お待ちしていましたナズナ殿下、陛下が応接間で お待ちです」

 

「あぁ出迎えご苦労 ニーナ、ん? 親父が待っているのは玉座の間じゃなく、応接間か?」

 

「はい、応接間です」

 

「そうか・・・分かった」

 

 

相変わらず凛々しい女性代表みたいな立ち姿の親衛隊隊長ニーナがナズナを出迎え、向かう先を告げてきてナズナが少し訝しみ、彼女を労って移動を開始する

 

呼び出された理由は十中八九 先程 滅した麻人(あさと)(偽)に関連する事だろうが、それを玉座の間ではなく応接間でする理由が分からない

 

アレか? 一旦 事情聴取する的な? それなら理解出来る、か? 多分

 

そう言う訳で親衛隊を引き連れてライラントが待つ応接間へと到着すると、なんとも屈強な衛兵が2名 扉の前を守護していてニーナが衛兵へ話しかけて、ノックし中から扉が開くのを待ち2〜3言 言葉を交わして

 

 

「ナズナ殿下どうぞ」

 

「あぁ ご苦労」

 

「失礼します」

 

 

ニーナに道を譲られ、入室するとライラントの護衛であろう親衛隊隊員が2名 ソファの横に控えていて、トリスタンの別荘で見た時から かなりやつれたライラントとニッコニコで満面の笑みを浮かべているベアトリーチェがソファに座っていた

 

ライラントは、私の狐耳と尻尾を見て 少し驚いた表情を一瞬したが、続ける体力がないのか、すぐにチカラなく項垂れる体勢に戻る

 

大丈夫か? この親父、過労死しないだろうな?

 

 

「おい親父、今にも死にそうだな?」

 

「あぁ ベティが寝かせてくれなくてな」

 

「は、いい気味だな? 普段から自分で根回しを兼ねた交流してないからだ」

 

「そうだな」

 

 

ナズナの軽口に付き合う元気も無い様でライラントはチカラなく笑う、これシモの意味でも寝かせて貰えて無いんじゃね? と思ったが、私には どうでもいいからスルーしておこう

 

 

「ふふ、ナズナ君 カヅキちゃん、座って頂戴?」

 

「分かりました、義母(はは)上」

 

「失礼致します」

 

 

ずっとニッコニコのベアトリーチェに座る様に言われたので従い対面のソファに座る、これは高級だ と無知な私でも分かるぐらいのソファだ

 

 

「疲労困憊のライラントの代わりに私から・・・魔王の尖兵討伐 ご苦労様、カヅキちゃん」

 

「いえいえ、個人的にもムカついた野郎でしたので」

 

「そう? 相変わらず謙虚ねぇ? 」

 

「そうでしょうか?」

 

 

なんかずっとグッタリしてるライラントの代行?としてベアトリーチェが私を労ってくれるが、個人的にシバいた感覚が強いので そう答えると 何故か謙虚とか言われて少し困惑する

 

 

「そう言う訳で何か褒賞を下賜しないとなのだけれど、カヅキちゃんってば そう言うの要らないって言うじゃない?」

 

「えぇ別に褒賞目的では無いですし、今の生活で満足していますから」

 

「そう言う慎ましい所が好ましい所なのだけれど、今は困ってしまうのよねぇ〜」

 

「はぁ・・・」

 

 

ベアトリーチェが困った様に眉を下げで言う、これはいわゆる信賞必罰と言う奴だろうか?

 

功績や成果を上げた者へ褒賞を与え、罪や過ちを犯した者は罰する、そう言う奴だった筈だ、多分

 

正直、現代日本産まれの学生だった私にはよく分からないが、世の中の仕組みと言う奴なのだろう

 

 

「とはいえ、大きな功績を2つも上げた功労者に何も褒賞を下賜しないなんて 王家のメンツに関わるの、だから褒賞の下賜は拒否権が無いわ」

 

「あ、はい」

 

「ふふふ、物分かりが良い子も好きよ?」

 

「ありがとうございます?」

 

 

困り顔から一転、満面の笑みを浮かべてきて圧を感じ 返事を返すと そんな事を言われたので、お礼を返しておく

 

なんだろう、これは絶対に色々と外堀?を埋められている気がするぞ?

 

これハルトが私に懐いてるから、ワンチャン ハルトの婚約者1号にしよう とか言い出さないよな?

 

またはナズナの側妃1号とかさ? ん〜 ナズナの側妃1号、案外 悪くない かも とか思ってる自分が居て怖い

 

ダメだ、麻人(偽)と全力戦闘したら祝福(ギフト)の対価として色々とゴッソリ持って逝かれたみたいだ、無念

 

まぁ、あのムカつく偽物をシバき倒せたし良いか、どうせいつかは全部徴収されてしまうモノだし、うん

 

人生って、ままならないなぁ

 

 

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