アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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103話 野生の お嬢様(ステレオタイプ)が現れた

 

 

 

生乾きの干物みたいなライラントを他所に ベアトリーチェ主導で話が進み、伝家の宝刀である ナズナへ丸投げ を発動して どうにかやり過ごす事に成功した翌朝、城の私室で 朝日と共に眼を覚ますと 何処から話を聞きつけたか分からないセンセイが 枕元に無音で立っていて、声にならない程驚いてしまった

 

いやぁ、マジで驚き過ぎて漏らすかと思った

 

ドッドッドッと驚き過ぎてヤバい心音を感じつつセンセイへ文句を言ってみたが、私の頭を撫でて誤魔化されてしまった、無念

 

そう言う訳で、センセイが居る理由を尋ねると、昨日 全力戦闘をしたので封印術や身体に異変が無いかの健康診断をする為、私を連れ帰る為らしい

 

それから身支度を整えて、ナズナへ置き手紙を書いて影魔法を使い寝室へ送り込んで、センセイと共にテスタロッサへ帰還する

 

 

「なんで私の顔を覗き込んでいたんですか? センセイ?」

 

「良い寝顔で寝ていたので、見て癒されていました」

 

「あ、はい」

 

 

ネビリム女医による健康診断を受けながら、暇つぶしにセンセイへ尋ねると そんな答えが返ってきて そんな返事しか返せなかったし、ネビリム女医は面白そうに笑っていた

 

そんなこんなで健康診断を受けた結果、異常がなさ過ぎて逆に異常何じゃ?みたいな結果が出てセンセイが訝しんでいた、何故だろうか?

 

それから城へ置き去りにしたナズナは、私が丸投げしたのが原因で色々の調整やら何やらがあって身動き出来ない状態らしいのと、センセイの強い希望で約2週間の休暇を取得する事になった

 

そう言う訳で約2週間の休暇をセンセイのSAN値回復に当てて甘やかされて過ごし、城のナズナの私室へ迎えに行く

 

 

「おはようカヅキ」

 

「おはようございますナズナ殿下、少しやつれました?」

 

「あぁ・・・義母(はは)上が次から次へ仕事?を持ってきて寝かせてくれなくてな」

 

「あー・・・お疲れ様です」

 

 

2週間前より少しやつれた様子のナズナを見て少し心配になったので尋ねると、そんな事を言いつつ苦笑したナズナを労い、転移門を使い学園校門前へと移動する、敷地内にも出れるが ただでさえ目立つのに 無駄に目立つのは避けたかったので校門前に出た訳だ

 

とりあえず もう隠蔽術をしなくて良い それだけで気が楽な私は、推定徹夜明けで眠そうにしているナズナを連れて教室へ向かう、相変わらずナズナのイケメンフェイスへ熱い視線を浴びせる女子生徒と、私の狐耳と尻尾を見てヒソヒソする声と視線を浴びる事になった

 

ヒソヒソ話をする程度で手を出すバカはいなかったので 順調に教室前に到着すると、廊下の真ん中で仁王立ちしているステレオタイプのお嬢様が居て

 

 

「カヅキさん!! (わたくし)と勝負してくださいまし!!」

 

「え? 普通に嫌ですし、貴女は誰ですか? 名も名乗らず出会い頭に勝負を挑んでくるなんてポケモントレーナーでもあるまいし」

 

「ポ・・・ポケ? 訳の分からない事を言って逃げようだなんて、見損ないましたわ!!」

 

「いや、ですから まず貴女は誰なんですか?」

 

 

一方的に喋り 手袋を私の目の前に投げてきたが断ると、私の話を全く聞かずに非難してくる

 

この世界の お嬢様って奴は人の話を聞かない奴が多い気がしてならない、あと取り巻きよ クスクス笑ってないで お友達を止めてくれよ

 

 

「えー・・・ナズナ殿下、この お嬢様は 何処の誰なのですか?」

 

「アンコール・トワネット、下級貴族の子爵令嬢だ」

 

「はぁ子爵令嬢ですか、物凄く生きが良いですね?」

 

「そうだな」

 

少し様子を見ていたが、名乗る気配が全く無かったのでナズナへ尋ねると、眠気で不機嫌な様で眉間に皺を寄せながら答えてくれる

 

 

「ふふ、では手袋(それ)を拾いなさい」

 

「嫌どす」

 

「逃げるのですか?! 負け犬の様に!!」

 

「はいはい、ワロスワロス。そもそも私が貴女の勝負を受ける事にメリットが有りませんし理由もありません、私の仕事は貴女の自己満足な戯れに付き合う事ではなく、こちらにおられるナズナ殿下を お守りする事です。なんなら今此処で貴女を廊下の窓から投げ捨てても良いのですよ?」

 

「ぐぅ・・・」

 

 

キャンキャン吠えるアンコールが少し鬱陶しく感じたので、正論パンチをかますと 意外と反論が無く黙る いや、黙らずレスバしてくれよ やり難いな

 

 

「カヅキ、手袋を拾ってやれ。この先もキャンキャンと吠えられても面倒だろう?」

 

「かしこまりました、ナズナ殿下」

 

「拾いましたっっ?! 何で投げ返すのです?!!」

 

「手袋片方だけとか不要なので」

 

 

眠さがピークなのか、イライラとした表情のナズナが割と低めの声で言ったので、私が手袋を拾って勝負を受ける事に嬉しそうにするアンコールへ投げ返してやる、なんか反応が良くてアンコールをイジるの癖になりそうだ

 

 

「アンコール、勝負は放課後にする 場所の手配も俺の方でしておく、なので立ち会い人の手配は お前に任せる」

 

「分かりましたわ ナズナ殿下、お任せください」

 

「行くぞカヅキ」

 

「御意」

 

 

低い声のナズナも良いな とか思っている間にナズナはアンコールへ指示を出して、教室へと入る

 

これは授業中寝る奴だな、うん

 

 

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