アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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104話 野生の お嬢様との勝負(おあそび)

 

 

 

教室へ入り席に着くや否やグッタリと机に伏せるナズナが可哀想だったので 尻尾をもいで そっと枕として挿し込むと少し動いた後、スースーと寝息が聞こえ始めたので、やはり私の尻尾には安眠効果がある様だ

 

それから魔法を無駄遣いして徹夜明けの立て看板を作成し、ナズナの前に設置しておく、これで多少は静かになるだろう 多分

 

そんなこんなで空気を読んで静かにするチャールと、『ナズナ殿下が羨ましい、私もカヅキちゃんの尻尾モフりたい』とかワガママを言い出したリリウムに尻尾をレンタルしたり、クラスメイト女子に撫でられたり尻尾をモフられたり、ナズナが起きる事もなく授業が始まったりして昼休みになり、復活したナズナと共に職員室へ向かい放課後に模擬戦をする為の申請をする

 

因みにリリウムは私の尻尾の魔力(すいま)に負けて居眠りをして、教師に起こされ怒られていた、すまないリリウム

 

そんな訳で放課後になり、ナズナとリリウムから尻尾を返却してもらい再装備し、模擬戦会場の野外訓練所へとやってくる

 

どうやら約2週間で復旧が終わったらしい、凄いな

 

 

「立ち会い人を手配しろとは言ったが、随分と多いな」

 

「全員が手配した立ち会い人では無さそうですね? 相当数が野次馬です、廊下で話していましたし 皆さん気になるのでしょう」

 

「それも そうか、なるほどな?」

 

 

野外訓練所の観覧席を一瞥してナズナが呟いたので、答えると納得した様に頷く

 

そりゃ気になるよな、娯楽としても最適だし?

 

 

「兄さん」

 

「ん? なんだユキヤか、何で ここに? お前も野次馬か?」

 

「そんな訳ないでしょう? トワネット嬢に立ち会い人を依頼されたんですよ、僕ぐらいの人間でないとダメだと言われて嫌々来たんです、全く・・・結果は分かり切っているので時間の無駄ですよ」

 

「ははは・・・実は副隊長とデートする予定だったみたいで」

 

「少し前に心無い事を言った罰じゃないか?」

 

 

今朝のナズナと同レベル か それ以上に不機嫌そうなユキヤが現れ説明し、カナリアが苦笑して言いナズナも少々デリカシーの無い事を言ったので、ナズナの脇を軽く小突くが、理解出来ていない表情をしたので軽く溜息をついておく

 

 

「逃げずに此の場へ来た事、褒めて差し上げますわ」

 

「何故 上から目線なのでしょう? 受けてあげたのはコチラなのですが・・・」

 

「減らず口を叩けるのも今の内ですわよ!!」

 

「そうですか? なら よろしくお願いします」

 

 

アンコールが取り巻きを伴って現れ言ってきたので、煽る意味も含めて返答すると意外と冷静な事を言うアンコールの後ろからキャンキャン吠える取り巻きの図を眺める、よく吠える小型犬達だなぁ いや本当

 

まぁ犬科は私の方なんだけども

 

 

「テスタロッサ候がアップデートをしてくださったお陰で、この訓練所で魔武器を使用した模擬戦が可能になりましたのよ」

 

「そうなんですね? 」

 

「えぇ、ですから覚悟をなさい!! 貴女の様な身の程知らずを叩きのめして、(わたくし)がナズナ殿下の婚約者候補筆頭になりますわ」

 

「はぁ、ご自由に どうぞ? まぁ 私を倒せたら、でしょうがね」

 

「きぃぃぃ、また減らず口を!! 来なさい シュヴァルツヒープ! 」

 

 

なんか聞いてもいない事をベラベラと喋り、勝手に発狂し始めるアンコールは自身の魔武器の名を呼び展開する

 

見た感じ シュヴァルツヒープは金属繊維で編み込まれた鞭の様な魔武器の様だ、流石はファンタジー 謎素材の武器だぜ

 

 

「カヅキ、それは?」

 

「自然薯です、山芋とも言います」

 

「なんだそれは」

 

「文字通り山に自生している芋です、帰省した際にセンセイから お裾分けされまして」

 

「そうか、で? 何故それを出した?」

 

「嫌がらせに使おうかと」

 

「どういう事だ?」

 

「兄さん、下がりますよ? カヅキがする事をイチイチ気にしていては日が暮れてしまいます」

 

「それもそうだな」

 

 

魔武器を展開したアンコールに倣いインベントリから自然薯を取り出し、先っちょ数㎝の皮を剥いているとナズナに尋ねられたので答えると、ユキヤに まぁまぁ酷い事を言われた気がしたが、仕方ないので今は目の前のアンコールへの嫌がらせをする事に集中する事にしよう

 

とはいえ、自然薯の耐久性は全く無いのでハチリョウを展開してアンコールを見据える

 

 

「では・・・始め!!」

 

「おーほほほ、私とシュヴァルツヒープの前に敗北は有りませんわ!!」

 

「はいはい、ワロスワロス」

 

 

安全地帯まで退避が完了したユキヤが開始の掛け声を発し、アンコールがシュヴァルツヒープを操り始めるのを眺めつつ、今日は晴れていて良かったなぁと思う

 

放課後とはいえ、太陽が出ているので 私には好都合なのだ、何故なら最初から真面目にアンコールと模擬戦(しょうぶ)をする気が全く無いのだから

 

今、私が考えている事は アンコールへの嫌がらせ行為をして遊ぼうと思っているので、嫌がらせ第1弾の準備の為には太陽光を使う事を決め、ハチリョウの数を増やす

 

いやはや、愉快な実験に付き合ってくれるアンコールには沢山楽しんで貰わねばなるまい、楽しんでくれアンコール

 

 

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