ヴェスタによる洗礼に一抹の不安を抱きつつ、ベアトリーチェ & ナズナとのティータイムを過ごし、予定より少し遅れたが出発の支度が終わり ベアトリーチェがナズナの馬車に乗ろうとして
「
「えぇ〜 良いじゃない 少しぐらい、カヅキちゃんの洗礼を見るぐらい誤差だと思わない?」
「思いません」
「ナズナ君のケチンボー」
と やり取りをして 謎の文句を言ってベアトリーチェは渋々 自分の馬車へと乗り込んでいった、本当 掴み所が難しい人だな
そんな訳でナズナを軽く労ってから馬車へ乗って貰い、王都近郊に転移門を造り開通させて、親衛隊の隊員に合図して馬車を低速で出発させて 全員が通過したのを確認してから私も転移門を潜り、閉じてから駆け足でナズナの馬車へ飛び乗る、歩きやすい踵が薄い靴で良かった良かった
「毎度ご苦労カヅキ」
「いえ、大した事ではありませんから」
「そうか?」
「えぇ、魔王の遺物や尖兵への対処でレベルが爆上がりしてステータスも爆上がりしたので」
「レベル? ステータス? 何だ それは・・・」
「なんと説明すれば良いか・・・」
私を労ってくれるナズナへ このぐらいは軽作業にもならない と説明しようと口から余計な事が溢れてしまう、いかん 気を抜きすぎだ 私
ナズナは 私が
「そうですね・・・今まで黙っていた事から話しましょう」
「ん? いや別に無理に話さなくても良いんだぞ?」
「いえ、貴方には知っていて欲しい事ですし・・・まず 今から私は荒唐無稽な事を口にしますが事実です、信じる・信じない は貴方に委ねますが・・・あと他言無用で」
「・・・あぁ、分かった」
ナズナと向き合う様に席を移動し対面で彼を真っ直ぐ見据えて言うと、ナズナは心配そうな表情をして言う、あぁ好きぃ
とりあえず溢れそうな気持ちを抑えポーカーフェイスを繕いながら前置きを済ませ
「まず・・・私は吾妻からの流民ではありません、書面上では そうなっていますが」
「まぁそうだろうな? とは思っていた、あのターニャを持ってしても1年程度で、お前程の教養を教え込める訳が無いし 国境を超えた者の報告はなかったからな」
私の言葉にナズナは 特に驚く様子もなく言う、まぁナズナだからな 全国民の名前を覚えているぐらいだ、出入国の管理情報も握っていても不思議はない と判断して頷き
「私は日本と言う国の出身です、センセイ・・・ターニャ メイド長も元日本人です」
「日本? 聞いた事が無いな? それに・・・ターニャはリューネ産まれだぞ? 戸籍謄本がある」
ナズナは私の説明に訝しみ言う、この反応は予想通りなので
「私もセンセイも、元 日本人です。我々は・・・1度 死んで サンクロードへ転生していますから」
「転生? 死んでいる? どういう事だ?!」
「落ち着いてください、ナズナ殿下」
「あ、あぁ・・・」
説明を続けたのだが、予想より過剰にナズナが反応し取り乱したので、彼を落ち着かせ
「転生とは 文字通りの産まれ直しの事です、具体的には生前の記憶を持ったまま新たな人生を歩む者ですね? 」
「・・・なるほど、つまり お前もターニャも その前世の記憶 という物を有している訳だか?」
「ご理解が早くて助かります」
私はナズナに転生について説明し、ナズナは素晴らしい理解力で理解してくれる
まぁ私の場合、正確には転生ではなく転移に該当しそうな気もするが 話が複雑化しそうだし、身体の構成が生前と全く違うし 転生と言う事にしておこう
「なので、私がテスタロッサへ拾われるまで何も無いのは、本当に その日まで私がサンクロードに存在しなかったからです」
「なるほど、俄には信じられないが・・・お前が意を決してくれた事だ、真実なのだろう。信じるぞ カヅキ」
「あー 好きぃ・・・」
「ん? なんか言ったか?」
「いえ、何も」
説明を続けると、ナズナが不意に グッとくる事を言うので 思わず口から溢れてしまった言葉を誤魔化す、幾ら侯爵家令嬢(義)になったとはいえ 私では資格がないのでね?
私は 元男、ナズナに忌避されて当然だからね
「転生直後は大変でしたよ、何せ 慣れない身体でしたし」
「慣れない? それは生前と身体付きが違ったのか? 」
私が苦笑して言うと、ナズナは この短い会話から 察してくる、普通に凄い
「えぇ、生前は一般的な男子高校生でしたから、狐耳も尻尾もありませんでしたし、身長も170㎝を超えていましたから」
「・・・ん? 待て、今 男子高校生と言ったか?」
「はい、私は 元は男です。今まで黙っていて申し訳ありません」
「そうか、なるほど。それで・・・いや、構わないぞ? お前の趣味嗜好が男子寄りの理由が分かったし、前世が男だろうと 今は女だろう? 気にする事では無い」
「ナズナ・・・」
「だから、そんな泣きそうな表情をするな、カヅキ」
「うん」
決死の告白にナズナが理解を示してくれた事に、思わず素で彼の名前を呼んでしまうと、ナズナは優しく私の頭を撫でてくる
うん、やっぱり私はナズナが好きだわ