アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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115話 やってきて海

 

 

 

そんな居心地の悪い空気が立ち込めたが、どうにかこうにか誤魔化して洗礼の儀を終了させる

 

エレオノールにヴェスタから貰った洗礼名(ミドルネーム)を伝えると、ニコニコとしながら高級紙らしき書類?にタンザナイトと書いて、何故か光った 不思議すぎる

 

それからナズナに書類が渡り、私達はエレオノールに別れを告げてナズナの馬車でテスタロッサ家へ帰還する、城へ行く物とばかり思っていた私が尋ねると 『ベルファの署名が必要なんだ』 と説明され、そう言うものかと納得し、ベルファさんに報告すると予想以上に喜ばれてしまった、何故だろうか?

 

そんなこんな 慌ただしい? 貴族令嬢2日目を終えて3日目の朝、去年と同じくトリスタン領の王族別荘へ向かう との事で、私もテスタロッサに居てもソワソワして落ち着かないので、専属護衛の仕事に戻る旨をベルファさんに伝えに行くと

 

 

「ふふ、貴女には その方が良いかも知れませんね? 気をつけて行ってらっしゃいカヅキ、いつでも帰ってきて下さい。私達は貴女の味方ですから」

 

「ありがとうございます お義父(とう)様、いってきます・・・センセイを落とせる様、祈っています」

 

「任せてください」

 

 

ベルファさんは 柔らかい笑みを浮かべ、私に言ってきたので感謝を述べて センセイの事について言うとサムズアップしてきたので、私もサムズアップを返す、本当ベルファさん ノリが良いよなぁ

 

それからベルファさんの執務室を出て廊下に控えていたプレセアに

 

 

「ナズナ殿下の元へ行きましょう、プレセア 貴女も兼業になって大変だと思いますが、よろしくお願いします」

 

「なーに、一丁前に 私の心配してるのよ、そんなの任命された時から分かっていたわよ、それに元々 私はメイド長 旗下の使用人よ? 貴女が居ない間はメイド長の元で働くだけよ、気にしない気にしない」

 

「そうですか? ありがとうございます プレセア」

 

 

プレセアは わざとオフモードで 私の頭を撫でて説明してくれる、これは彼女なりの優しさだろう 良い姉貴分 兼 友人だ

 

そう言う訳で馬車に乗り込んでいたナズナに合流し、プレセアと見送りの使用人に挨拶をして、王都近郊に移動した時と同様に転移門を使いトリスタン領 王族別荘 付近までショートカットする

 

付近といっても近過ぎると門兵の迷惑になるので、1時間程離れた地点に出たのだけども

 

 

「お前と移動すると工程短縮して 負担軽減されるから と俺担当になった親衛隊 隊員達が喜んでいたぞ? 」

 

「通常は約2週間の工程ですからね、緊張も負担もバカにならないですから」

 

「そうだな? その都合で、今 別荘に居るのはユキヤとアキカぐらいだがな」

 

「アキカ様も別荘に? 」

 

「あぁ、ユキヤと一緒にな? アイツ等を2人きりにしたら良からぬ事を始めそうだからな、目付役代わりだろう」

 

「ははは・・・」

 

 

車中 他愛ない話の1つにナズナが そんな事を話してくる、私単独で転移門を使えるので、かなり親衛隊の負担軽減になって嬉しいのは理解出来る

 

本来なら簡単に使える物では無い代物だからね、消費魔力や座標固定の問題もあるが、1番は長距離をショートカット出来てしまう事が問題だったりする、簡単に言えば 防犯対策だ

 

敢えて転移門を設置する場所を限定する事で、犯罪者の侵入・逃走の抑止と仮に戦争状態になっても敵軍が王都近郊に直通出来ない様にしている訳である

 

親衛隊 隊員もナズナも、その事を理解しているから 私のチカラを評価してくれている訳だな、うん

 

まぁ裏を返せば、私が裏切れば王都壊滅を容易に出来る と言う事になるのだが、信用してくれている様だし 裏切るつもりは全くないが、ナズナが武装蜂起して親父から王位簒奪するって事なら喜んで王都侵攻しよう

 

 

「海が見えてきたな? もう直到着だな」

 

「えぇ、海を見ると なんだか落ち着きます」

 

「そうか? 」

 

「えぇ、とても」

 

「そうか」

 

 

蒼穹 広がる景色にナズナが呟き、私が返すとナズナは微笑み 私の頭を撫でてくる

 

そういえば、いつからか私の頭を撫でる様になったなナズナ、心地よいから構わないが、いつからだったか覚えていないな? まぁ良いか

 

 

「去年と違い ヴィオレッタ(ばか)も居ないし 魔王の遺物(イレギュラー)も無い、悩みの種もない・・・素晴らしい休暇が過ごせそうだ」

 

「そうですね? 去年の夏休みは なんだかんだでバタバタと休まる日が少なかったですからね」

 

「親父達が別荘に到着するまでの約2週間、存分に休暇を満喫させて貰うとしよう」

 

「それが良いですね」

 

 

珍しく嬉しそうにしているナズナの言葉に頷く、去年の夏休みは酷かったなぁ ()嬢様の後始末やら報告書やらでナズナのSAN値と体力を削り、魔王の遺物を発見し収容の為に奔走を開始したり、とにかく右へ左への大騒ぎでバタバタと活動しっぱなしだったので、今年の夏休みは平和で嬉しいのだろうし なんだかんだ 夏休み前とかも忙しく執務をしていたしね? うん

 

やっぱりナズナにも休暇は必要だと思うし、そもそも過労気味だと思ったりする

 

ナズナは私と違い、分身して誤魔化しが出来たり出来ないしね?

 

 

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