アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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117話 うぇいくあっぷ さまー

 

 

私が夏月(ナツキ)の手を握り 大体2時間程の時間が経った頃、軽く唸り顔を顰めてナツキが目を開け、気怠そうに顔を軽く左右に動かす

 

 

「起きたかナツキ、どこか痛むのか?」

 

「ぅ・・・だれ・・・? んぅ・・・あたし・・・頭 痛い」

 

握る手を振り解く素振りもなく、起き抜けで意識がボンヤリしている様子でナツキは私が誰か分からずに居る様だ、まぁ当たり前か

 

顔の造りに面影は有っても、性別も変わっているし 狐耳と尻尾が生えているからなぁ

 

そういや、目の色も変わっていたっけか

 

 

「まずは水を飲め、起き抜けで会話も ままならないだろうしな」

 

「うん、ありがとう」

 

 

手を離しナツキの身体を起こして枕とクッションを腰に敷いて座りやすくしてから、サイドテーブルに置いてあった水差しから水をコップに注いでナツキに渡すと、お礼を言い素直に飲んでくれる

 

 

「えーっと・・・ごめんなさい、此処は何処かしら? 」

 

「此処は 王族専用の別荘にある一室だよ」

 

「そう・・・痛ぅ・・・」

 

「結構な高度から落水したみたいだからな、まだ回復しきれていないんだろう、一応 スキャンしたから安心してくれ」

 

「何から何まで ありがとう」

 

 

ナツキの質問に答えると 彼女は頭を押さえて言ったので軽く説明をすると、更に お礼を言ってきたので 構わない と返しておく

 

 

「こんなに良くして貰っていて申し訳ないのだけれど、実はあたし 友達に会いに 此処まで来たのよ、だから行かなきゃ・・・あれ? ごめんなさい、あたし の他に もう1人いなかった? 」

 

「あぁ麻人(あさと)なら下のプライベートビーチで犬神家してたから発掘して、今は砂を落とす為にシャワー入ってるから安心しろ」

 

「そう、今シャワーに・・・ん? なんで貴女から麻人の名前が?」

 

ナツキは本当に申し訳なさそうな表情をして言い、麻人の存在を思い出した様で尋ねてきたので 説明すると一度スルーしそうになってから聞いてくる

 

良かった、スルーされなくて 起き抜けに名前を呼んだけどスルーされたしな、うん

 

 

「そりゃぁ 親友の名前ぐらい分かるだろ」

 

「そう、親友・・・ん? 親友? 待って? え? え?! 」

 

「ようこそ サンクロードへ ナツキ」

 

「えぇぇぇぇ」

 

 

私の説明がえらく気に入ってくれたらしいナツキの音波攻撃(笑)を正面から浴びて、少々 頭がグワンとしたが気合いで耐える

 

コイツ、なんつー声量してんだ? 鼓膜がナイナイなるかと思ったわ

 

 

「あ、あ、あんた、カヅキ? あの、やる気のない優等生って先生から評されていた、(かなめ) 夏月(かづき)?!」

 

「おい 辞めろ、そのパッとしない二つ名みたいな評価。確かに言われたけど、辞めろ」

 

「・・・本当にカヅキなのね? 」

 

「おうよ、私様がカヅキですわよ」

 

「ふっ なにそのエセお嬢様口調、似合ってないわよ?」

 

「分かってるよ」

 

 

なんか久しぶりに本名? フルネームを呼ばれた気がする、まぁ サンクロードで呼ばれる事は無いからなんだけども

 

 

「麻人から聞いたわ、あたし のせいで あんた が自分を責めてるって」

 

「当たり前だろ? あと半歩分 私が早く辿り着けてたら、お前を助けられたんだから」

 

「アレは あたし の不注意と飲酒運動してた運転手のセイよ、だからカヅキが気にする必要はないのよ、それに転生して今は元気に生活しているしね? 」

 

 

ナツキは私を抱きしめて諭す様に囁き言う、その言葉に私は肩の荷が降りて軽くなった気がする

 

 

「それが言いたくて会いに来たのよ、カヅキは責任感強いしね?」

 

「そうかな? 」

 

「そうよ、加えて お人よし な所もあるし」

 

「はは・・・否定できねぇ」

 

 

ナツキを抱きしめ返しながら返事を返して苦笑する、私が転生した理由が まさに人助けの末の結末だからな、うん

 

 

「にしても、ビックリする程 変わったわね?」

 

「前世の反省を活かして特典盛ったら、超過分を徴収されてね? はっはっはっはー」

 

「いや、笑い事?」

 

「もう笑うしかないだろ」

 

 

私から身体を離して自慢の狐耳へ手を伸ばしサワサワしながら言うナツキに、少しくすぐったいのを我慢しつつ答える

 

本当、もう自業自得すぎて笑うしか無いと思う、まぁ後悔してないしね?

 

 

「んじゃ、そろそろ麻人と合流しようか。今 ナズナの所に案内されてるみたいだし」

 

「そう、本当 色々と ごめんなさい」

 

「構わないよ、あぁでも その前に お前の着替えだな? それ寝間着だし」

 

「え? あぁ、本当ね? すぐ着替えるから待ってて頂戴」

 

「なら、私は外に出てるから 終わったら出てきてくれ」

 

「えぇ、ありがとうカヅキ」

 

「構わんよ」

 

 

軽くナツキと会話をしてから退室すると、ちょうど警備兵が巡回していたので軽く挨拶をして、ナツキを待つが 数分も経たない内にドアが少し開き

 

「カヅキ、寝間着は どうしたら良いかしら?」

 

「ベッドの上にでも 置いておけば? 誰も盗まないだろうし」

 

「そう? それなら」

 

とナツキの質問に答えると声が遠くなり、すぐに出てきて

 

 

「お待たせ」

 

「んだらば行くか、一応 念の為に言っておくけど 逸れるなよ? 逸れたら牢屋行き とかあり得るからな」

 

「・・・分かったわ」

 

 

改めて並ぶと、私と あまり身長が変わらないナツキに軽く脅しをかけておく、実際 可能性は大いにあるからな、うん

 

 

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