アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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119話 ナツキ、カヅキに入魂する

 

 

 

ナズナの突然の申し出に思考停止した結果、私は一旦冷静になる為にナズナの私室の窓から飛び降りて別荘から砂浜へ降り、地平線の先を見つめ

 

 

「・・・夢、じゃないよな」

 

 

私はナズナの事が好きだ、もちろん恋愛感情的に それ故にナズナの申し出は私にとって都合の良い事に他ならない

 

なので自分の頬を自分でつねってみると、ちゃんと痛いので現実だと認識出来る

 

 

「何してんのよ、あんた」

 

「夢か否か確かめてる」

 

「そ、まぁ この状況なら夢と疑う気持ちも 分からないでもないわ」

 

「だよな」

 

 

どうやら私を追ってきたらしいナツキに、尋ねられたので答えると 案外 同れたので良かった

 

 

「で? あんた は どうするのよ?」

 

「ナズナの申し出の事?」

 

「そうね」

 

 

私の隣に立って質問をしてきたので、質問を確定させる為に尋ね返すとナツキは頷き

 

 

「ナズナ殿下、少し驚いていたわよ? 」

 

「だろうな、何も言わずに出てきたからな」

 

「あんた ねぇ・・・」

 

「分かっているさ、ちゃんと1尾メイドを置いてきただろう?」

 

「本当に、あんた は・・・」

 

 

ナツキに 私の行動を少々咎められたが、いつもの様に口先八丁で誤魔化すと、ナツキは呆れた様な表情で私を見てくる が 自覚はあるので甘んじて受けておこう

 

 

「・・・カヅキ、あたし は あんた に会いに来たのは、ただ会うのが目的じゃないの」

 

「私がメンタルブレイクしてるって麻人(あさと)から聞いたから、じゃないんだな?」

 

「えぇ それも有るけれど、本命ではないわね?」

 

「そうか」

 

 

私を呆れた表情で見ていたナツキが真剣な表情に代わり、少々重々しく話し始め、私も合わせて相槌を打つ

 

 

「今、邪魔をしてくる麻人も居ないし、単刀直入に・・・カヅキ、あたし は あんた の事が好きよ」

 

「あぁ、私・・・俺も・・・ナツキの事が 好き、だったよ。 こんなになっちまったし、此処を離れるって選択が出来る立場でもないから、お前の気持ちは嬉しいけどさ? 」

 

 

私達は互いの秘めた想いを曝け出す、ナツキが私に会いに来たのは 自分の中でケジメを付けたかったからだろう

 

ナツキと麻人からはヴェスタとは違う神の匂いがしたから、サンクロードとは違う世界に転生をしたと予想出来るし、ナツキもナツキでソチラでの立場って奴がある筈だ

 

だからこそ、ケジメを付けにきたのだと 私は判断した

 

 

「そんなに思い詰めた表情(かお)をするもんじゃないわよ、カヅキ!」

 

 

「痛った?! お前、なにしやがる!」

 

「そうそう、あんた に しょぼくれた表情は似合わないわ。いつもの様に不敵に笑っていなさい」

 

「・・・あぁ、そうだな? ありがとうナツキ」

 

「良いのよ あたし と あんた の仲じゃない」

 

 

割と強いチカラで背中を叩かれてナツキへ文句を言うと、ナツキは笑って私に言ってきたので お礼を言うと さらに笑って言う

 

ナツキの気遣いに感謝しつつ、叩かれた背中が痛くて仕方ない、これ背中にナツキの手形が付いてるとかないよな?

 

 

「それで? あんた ナズナ殿下からの申し出、受けるの? 受けないの?」

 

「正直 悩んでいる、ほら 私って こんな だしさ? 侯爵家の養女になったとはいえ元平民だし・・・」

 

「あんた ねぇ・・・ ごちゃごちゃ 御託を並べるなら、もう1発 入魂するわよ?」

 

「やめてくれ、マジで痛ぇんだぞ? 冗談抜きで」

 

 

ナツキから再度 質問されたので、正直に話すとナツキは右手を振り上げる動作をしたので、全力で止める

 

いや、マジで痛いんだよ マジで

 

 

「会って1時間も経ってないけど、あんた が心配する様な色々を考えた上で、あんた に 申し入れしたんだと思うわよ? それとも あたし の勘違い? 」

 

「いや、お前の言う通りだよ。ナズナが 私に 申し出したって事は、すでに根回しとかが終わっているって事だろうしな? それに私は王妃に だいぶ 気に入られているし・・・」

 

「なら、尚更 ウジウジ考える必要ないじゃない? あんた ナズナ殿下の事が好きでしょう?」

 

「・・・なんで、分かるんだよ」

 

「あら、文字通り 産まれた時からの付き合いなのよ? 見ていたら分かるわよ? 麻人も気付いている筈」

 

「おぉ・・・神よ・・・」

 

 

割と真剣な表情でナツキは 私に言う、確かに あまり深く考える必要はないのかも知れない、何せ王妃であるベアトリーチェがナズナの背中を猛プッシュしていたのだろうし?

 

それはそれとして、ナツキにも麻人にも 私が抱えるナズナへの想いを察せられてしまい、物凄い羞恥心が刺激されてしまうのだが、どうしたら良いのだろうか?

 

 

「神頼みなんて あんた らしくないわね?」

 

「確かにな、まぁ 幼馴染に 色々と察せられてしまって なんとも言えない気持ちになってるんだよ」

 

「ぜひもなしって奴ね」

 

「なんか誤用してる気がするが、まぁ そうだな?」

 

 

ナツキが揶揄う様な言い方をしてきたので、大人しくゲロすると なんか使い方が間違っている事を言ってきたが、なんか面倒になったので 適当な所に着地させる

 

別荘に戻ったらナズナに謝罪をしてから、申し出を受け入れる旨を伝えよう

 

正式に書類に署名するまでは、ナズナとの口約束になるが まぁそれでも構わない

 

あとは 野となれ山となれ だ

 

 

 

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