そんなこんなチャール&リリウムとの他愛ない話をして、あまり2人の邪魔をするのも悪いと思い、元々の目的地である露天市へと向かう事にし 2人へ軽く挨拶をしてからカフェを後にする
「露天市は、高級品店の並ぶ道から少し行った場所だから歩くぞ? 」
「賑わっているわね」
「だね、さっきから馬車とか人が行き来してるもんね」
インベントリから麦わら帽子を取り出し装備してナツキと
「街に入る時にも話したけど、アルタミラは貿易・交易の要所の1つだから、港に面している東以外の3方向に門が有って そこを起点に主幹輸送路が構築されているって訳だな、因みに海路を使って輸送する場合も有る」
「へぇ、あんた 賢くなったわね?」
「ナツキ、カヅキは興味を持てる事には賢くなる傾向があるよ」
「それは知ってるわよ?」
「お前等なぁ・・・ヒトが折角 解説してやってるってのに喧嘩売ってるのか?」
私が解説してやったのを軽くバカにした様な言い方をされ、軽くイラッとしたのでクレームをつけると、2人してヘラヘラとして反省した様子が見えない
「全くお前等は・・・まぁ良いか 露天市の入り口に着いたし」
「へぇ〜 これは壮観だね?」
「すごいわね」
ザ・ファンタジーな市場って雰囲気の露天市に2人は感嘆の息が漏れる、これは本当に凄いよな
「念の為に逸れた時用の小遣いを渡しとくわ、手を出せ」
「既に結構な額を使わせていて、少し気が引けるわ」
「まぁまぁナツキ、今度はカヅキを僕等の世界に呼んで おもてなし して帳消しにしたら良いよ」
「そうそう、気にしなくて良い、使う当てもない金だしな? こう言う時はパッと使ってやらねーと」
「う、うーん」
インベントリから半死蔵され掛けてる貯金(笑)から適当な額取り出し2人に握られておく
因みに、このお小遣いは私と逸れた際に買い物が出来る様にって意味と、チンピラに絡まれた際に金で解決しろって意味、そして金を使って集合場所へ道案内して貰えと言う意味を含んでいる
多分、麻人は気付いているが ナツキは気付いていないみたいだが、麻人がナツキと逸れる訳も無いし別に良いか
いや、なんか不安だから ナツキにだけマーキングして位置情報を取得しておこう
そんな訳で、ほったらかし放題で伸びている自分の髪を数本抜いて撚り合わせて糸状にしコソッとナツキの来ている服に結んでおく
「見ての通り、人でごった返してるから逸れないように注意してくれ、もし逸れたら さっき休憩したカフェで集合な?」
「分かったわ」
「りょーかい」
露天市に進入前に改めて注意喚起してみるが、なんとも軽い返事で少々不安を感じるが、なんとかなるだろうと思い 露天市へと進入する
「おん? 北から流れて来たのもあるな、珍しい」
「へぇ〜 これは凄い加工技術ね?」
「もしかして、凍傷にならない為に対策された加工?」
「お、流石 分かってんね」
日焼けした人が多いアルタミラでは珍しい、日焼けをしていない肌が白い人がやっているアクセサリー店を見つけ、ショーケースに並ぶアクセサリーを見て呟くと、麻人が見ただけで加工内容を言い当てる ナツキも表情を見る限りは気付いているようだ
北の国、大陸の南側に位置するリューネと迷いの森と呼ばれる大森林地帯を挟んだ反対側にある北国ノースイット、行った事はないが知識としては知っている
ノースイットは北国故に、農作物を育てる事が難しい地域もある為 金属加工や工業加工等の技術がリューネを含めた東西南の国より秀でている と言われている
「折角だ、3人で お揃いのアクセサリーでも買わないか?」
「良いわね」
「カヅキから提案するなんて珍しいね? 僕も良いと思うよ」
2人には2人の帰るべき場所がある、次は いつ再会出来るか分からないと思い、2人に お揃いのアクセサリーを購入しようと提案すると 麻人が余計な事を言いつつ賛同してくる、ほんと コイツは
それから3人で品定めをしていると、軽く通行人が私とぶつかり 『おっと、ごめんよー』と謝罪をして去っていく
「・・・ふぅん、器用なモノだ」
「どうかしたの? カヅキ」
「ん? いや、こんな市の浅い場所でスリをする奴がいるんだなぁって思ってさ?」
「そう、スリが・・・え? スリ? もしかして盗られたの?」
「あぁ、ワザとポケットに入れてた小銭入れをな」
「冷静すぎるわよ?」
「ナツキ、多分ワザとスラせたんだよ カヅキは」
「はぁ? あんた バカ?」
「普通にひでぇ」
私にぶつかってきた
「アクセサリー買ったら追いかけ様かなって」
「そんな悠長な・・・」
「自分の私物に位置情報把握する細工ぐらい出来るからな、焦らないで問題ない」
「そ、なら良いわ」
とりあえずスリ犯の少年の背中が人混みの中に消えたので、アクセサリーが並ぶショーケースへ目を戻して厳選を再開する
あのスリ犯の少年の状況次第では、ナズナに報告する必要があるよなぁ