アナザーストーリー タイプ エフ   作:銭湯妖精 島風

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128話 サイドB 真夏の散策 6

 

 

 

私の指摘にリーダーと思わしき男はニヤっと嫌らしい笑みを浮かべ

 

 

「よく分かってんじゃねーか、此処は裏街のテリトリーだ 余程の事じゃなきゃ見ないフリされるからな? お嬢ちゃんは自分の不運を呪うと良いぜ?」

 

「やれやれ・・・未だ 自分が優位に立っていると勘違いをしている訳ですか? 嘆かわしい」

 

「ガキの減らず口を許してやるのも、大人の務めだからな、今は許してやるよ」

 

 

私の言葉にリーダーは軽くピキった様だが、冷静を装い薄ら笑みを浮かべているのを他所に、子供達が色々と察して壁際へ避難しているのを確認する

 

ひとまず暴れても子供達には被害は出なさそうで良かった

 

 

「所で貴方達は、この子供達からスった金品を回収している様ですが、何故です?」

 

「なんだ? 時間稼ぎのつもりか? まぁ良い冥土の土産に教えてやるよ、このガキ共はな? アルタミラで一旗上げようとして来たバカな親の犠牲者だよ」

 

「なるほど、孤児と言う訳ですか?」

 

「孤児も居るが、親に売られて来たヤツも居りゃ、密航して親と逸れたアホも居る。んで 俺達は そんな可哀想なガキ共に飯の種をくれてやってるって訳だ、どうせ コイツ等じゃロクな教育されてねーから金勘定も出来ねぇし、代行してやってんのさ まぁ手数料は貰うがな?」

 

 

リーダーは私の質問に饒舌に答えて気持ち悪い笑みを浮かべる、コイツは 私の予想より裏街の闇は深そうだな

 

あとコイツ等は普通にクズだ、虫唾が走る

 

 

「アルタミラにも孤児院が有りますよね? 何故 案内しないのです?」

 

「バカなのか お嬢ちゃん? こんな使い勝手の良い駒を誰が手放すんだよ、表の露天市には毎日毎日 金を持ったヤツが何百 何千人と往来してんだ、そこにガキ共が居ても誰も気にしたりしないし、ガキなら小せぇから人混みに紛れて逃げやすい、その上でバレても温情も同情もかけられやすい、とっ捕まって牢屋へ入っても、新しいガキを見つけてきて芸を仕込むのも割と楽だしな? 」

 

「やれやれ・・・控え目に言ってクズですね? 貴方達」

 

「安心しな お嬢ちゃん、お前にはスリなんてチャチな事はさせねーよ。お嬢ちゃんみたいなのが好きな変態な客を取って貰うだけだからよ、安心しな?」

 

「はぁ・・・つくづく度し難い外道ですね」

 

 

私は饒舌かつ上機嫌にベラベラと話してくれたリーダーを軽蔑しながら、彼等の処理方法と 少年少女を救う為の算段を考える

 

そう、今 問題なのはクズ共を始末する事より孤児の少年少女を救う方だったりする訳で

 

クズ共を始末するのか秒で終わるけど、クズ共を始末しただけでは孤児達の生活に変化は殆どない、クズ共が居ようが居まいが彼等はスリや犯罪に手を染めないと生きてはいけないのだから

 

 

「・・・はぁ、私もつくづくバカだな、全く」

 

「どした? 漸く自分の軽率さに気付いて後悔してんのか?」

 

「えぇ、まぁ・・・その通りですね」

 

「ははは、今更 後悔しても遅・・・ぎゃぁぁあああ」

 

「なっなんで! 何処から??!」

 

「消えねぇ!! 何で消えないんだ!!」

 

「もう貴方達の囀りも聞きたくありません、死んでください」

 

 

とりあえずクズ共3名をアイデースで拘束しつつ、浄火の焔でダイレクト火葬して始末する事にし、孤児達の身柄をどうするか考える

 

 

「お、おい!」

 

「はい、なんですか? 私の財布をスった少年」

 

「俺達をどうする つもりだ? ジョンを燃やしやがって、確かに取り分は少なかったけど、それでも飯が食えてたんだぞ!!」

 

 

適当な木箱に足を組んで座って長考をしていると、どうやら孤児のリーダーだったらしい少年が怒った様子で私へ言ってくる

 

彼の怒りはもっともだと思う、確かに最低限とはいえ衣食住がある訳だし、想いだけでは飯は食えないのが現実だ

 

 

「よく考えてください、君達を捨て駒程度にしか考えてなかったクズ達が、いつまでも世話をしてくれると思いますか? 」

 

「そ、それは・・・」

 

 

真正面に立つ少年の眼をしっかりと見据えて言うと 彼は言い淀む 、つまりは薄々用済みになれば捨てられる 又は 処分される事を理解はしている様だ

 

 

此処で死蔵している貯金を放出して目の前に居る彼等だけを一時的に困窮から救う事は容易いが、それでは救済にはならない

 

あくまでも、やらないよりはマシ程度でしかない 口惜しいが

 

 

「それに、君達が自分で どうしたいのか というのも考慮しなければならないでしょう?」

 

「何を言ってんだ? アンタは」

 

「別に変な事は言っているつもりは無いのですが・・・例えば、商人になりたいならば それに応じた教養がなければならないでしょう?」

 

「無理だ、俺達には! 裏街の孤児である俺達は 碌な生き方が出来ねぇ、ギルドに登録しようにも、浮浪児ってだけで門前払いだしな」

 

「なるほど なるほど」

 

 

私の言葉に彼なりの答えが聞けたので相槌を打つ、少年の言葉を鵜呑みするならば この国には彼等は居ない事になっている訳だ

 

ならば、アルタミラからゴッソリと連れ出したり雇用しても トリスタン卿には表向き迷惑は掛からないって事だろう、多分

 

その事に気付き、彼を救う算段を思い付き ニヤリと笑う

 

 

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